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プレミアムな新Lumiaも開発中、Windows 10直前情報をMSが発表:WPC2015

2015年07月15日 12時00分更新

 マイクロソフトは7月13日、米フロリダ州・オーランドで開催中の年次イベント“Worldwide Partner Conference 2015”(WPC2015)の基調講演において、Windows 10を始めとする同社の最新情報を公開しました。

 基調講演には、米マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏が登壇。「マイクロソフトには確固たる野望がある」と語り、その分野として「パーソナル・コンピューティング」、「生産性とビジネスプロセスの変革」、「インテリジェントクラウドの構築」の3点を挙げました。

WPC2015
サティア・ナデラ氏が挙げた3つの“野望”は、これまで“Build”や“Ignite”などのイベントで繰り返し語っており、目新しさはない。だが、マイクロソフトは7月から新たな会計年度を迎えたこともあり、引き続きこの3点に重点を置いていくという確認の意味もある。

ビッグデータの民主化を進める『Cortana Analytics Suite』

 最初の発表としてナデラ氏は、「ビッグデータを民主化する」新たなクラウドサービスとして『Cortana Analytics Suite』を発表しました。これはマシンラーニングや画像認識、顔認識、音声認識といったマイクロソフトがAzure上に構築している高度な分析エンジン群を組み合わせ、サービスとして提供しようというものです。

WPC2015
マシンラーニングなどの分析システムを月額料金で提供する『Cortana Analytics Suite』。

 また、名前の通りマイクロソフトの音声認識アシスタントである“Cortana”を統合しており、自然言語に対応した問いかけにより、誰もがアクセスできるようになるとのこと。

 具体的な用途としては、リアルタイム・レコメンデーションや、顧客の離反予測、医療分野での予測分析などを挙げています。サービスは2015年の秋から、月額料金のサブスクリプションで提供する予定としています。

Windows 10のデモには“Build 10176”も使用

 Windows 10については、新たに“Windows and Devices Group”を統括する立場になったテリー・マイヤーソン氏が登壇。RTMについてこそ言及しなかったものの、最新のInsider Previewを用いてWindows 10の主要な機能を披露しました。

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テリー・マイヤーソン氏は、Windows Phone 7の開発を主導後、Windows OS全体を統括する立場になり、現在ではOS部門とSurfaceなどのデバイス部門を統合した”Windows and Devices Group”を率いている。
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ブライアン・ローパー氏は、Windows製品の”Executive Demo Lead”という肩書き。製品デモのプロフェッショナルといえる。基調講演では、午前中でテンションの低い会場を盛り上げながら、Windows 10の新機能を紹介した。
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最初に紹介した新機能は、デスクトップとスタートメニュー。「Windows 7愛好家にも安心して使ってもらえる」と紹介、会場では大きな拍手が。
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多くのデモではInsider Previewの最新版ビルド“10166”が使われていたが、一部では内部ビルドとみられる“10176”の数字も確認できた。
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COMPUTEX TAIPEIでも登壇したグループ・プログラムマネージャーのロアンヌ・ソーン氏は、セキュリティの機能をデモ。Windows 10を利用した東芝製のPOSシステムを悪意のあるUSBメモリーで“攻撃”したが、破れないことを示した。
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HoloLensのデモも披露。3Dモデリングツールとして有名なオートデスクの『Maya』と連携し、レンダリングしたバイクの外装を立体的なホログラムで表示。さらに実際のバイクに“かぶせて”デザインを確認するなど、新たな映像体験ができることを示した。

Windows 10のための新Lumiaも登場予定

 マイヤーソン氏は最後に、Lumiaシリーズの新機種についても言及しました。「先週、Lumiaの製品ラインアップを絞り込むことを発表した」と語り、ノキアからの従業員を中心に7800人を削減するという“大リストラ”についても触れました。

 このマイクロソフトの発表に対し、「MSはスマホ市場から撤退する」とか、「Windows Phoneを作らないのではないか」といった見方がネット上で広まっていたことは周知の通りです。

 これに対してマイヤーソン氏は、「はっきりさせておきたいのは、Windows 10のためにデザインした、プレミアムな新しいLumiaがまもなく登場するだろう」と述べ、Lumiaシリーズの新機種を発表する予定があることを示唆しました。

 また、“new Lumias”と複数形を用いていることから、複数の新機種が登場することを示唆しているともいえます。

 PCやタブレットの新製品は発表されなかったものの、9月にドイツ・ベルリンで開催されるIFA 2015の基調講演には、マイクロソフトでOEM部門を統括するニック・パーカー氏の登壇が予定されています。この基調講演や展示会場などで、年末商戦に向けたWindows 10世代のPCが続々と登場することになりそうです。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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