うへえええ、リアルすぎて怖いよ! なんなのこれ!
『エヴァンゲリオン2.0』『天元突破グレンラガン』『黒子のバスケ』などアニメの背景美術を手がける会社、美峰。7月1日から3日間ほど開催していた先端コンテンツ技術展で、同社がなぜかフィギュアを展示していた。
じつはこれ、3Dシステムズの3Dプリンター『ProJet』シリーズを使ってプリントアウトした石膏製のフィギュアなのだとか。
3Dシステムズの国内代理店をしている武藤工業の担当者さんによれば、
「スキャナーでただスキャンしてプリントアウトするだけでは、ここまでキレイに出ない。3Dモデルの編集で出来栄えが変わってくるんです」
とのこと。なるほど、美術会社だけに3Dモデリングの技がすごいのか。
シャキーン!という感じの男性(誰) |
でもアニメ美術と3Dプリンターって何の関係が?
美峰の平城徳浩代表に聞いたところ、じつはもともとアニメ美術を手がける際、ジオラマづくりに3Dプリンターを使っていたのだとか。
「舞台設定のため、レイアウトをとるために石膏で3Dプリントしていたんです。その技術を使ってフィギュアを作ってるんですよ」
美術のリアリティーを確保するため、出力はハイクオリティーじゃないといけない。そのため3Dプリンターは『ProJet 660Pro』という、1000万円ほどのハイレンジ機を導入しているそうだ。
表情を作るのは3Dデータ編集の妙だとか |
社長さんの目標は、実物大の人間を精巧に作ることだという。
「ちっちゃいフィギュアを作っているところはあるが、実物大のフィギュアを作れるところはまだない」と意気込みは熱い。
3Dフィギュアづくりでいちばん難しいのは顔。3Dフィギュアは市場にいろいろあるが、顔の表現はまだ粗いという。社長さんがこだわっているのはそこで「やっぱり感情が出せないと。“証明写真”ができても意味がないんです」と熱く語ってくれた。
儲かってますか、とたずねてみると「いや、営業まったくしてなくて」とあっさり。美術の会社らしく、フィギュアの出来を極めたくなってしまってしまったのが先らしい。熱い思いが商売につながるといいんだけど。
ちなみに背景美術のためにプリントアウトしたモノはどうしているのかというと、権利の関係ですべて破壊することになっているらしい。ぎゃあああもったいない!!
実際に美峰が使った3Dデータをもとにしたジオラマが3Dプリンターで出せるサービスとかできたら最高な気がするんだけどな……どこか気前のいい権利元そういうビジネスやらないかな……あのスタジオとか……(チラッ)。
なお、次回の先端コンテンツ技術展は来年6月29日から7月1日。今回めちゃくちゃ面白かったから次回もチェックしておくのがおすすめ。
写真:編集部
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