「レンズをつけて寝ると、視力が回復するんです」
またまた~、ちょっとそれ怪しすぎんよ~、と思ったが、担当者さんは本気だった。コンタクトレンズ『ブレスオーコレクト』、通称『ナイトレンズ』。東レと、ベンチャー企業ユニバーサルビューの共同開発だ。
1日、ベンチャー企業が集まる『Morning Pitch EXPO 2015』で話を聞いた。
「わたしは裸眼で0.2ですが、夜にレンズをつけると朝には1.5に回復します。夜にはまた1.2ほどになりますが」と担当者さん。にわかには信じがたい技術だが、こちらを見る目は裸眼だ。保険適用外の自由診療扱いで、料金は3年間で15万円ほど。
レンズを装着すると、角膜前面の形状を押すような形で矯正。近視の場合、網膜の手前になってしまう焦点位置を後ろに補正する。「オルソケラトロジー治療」と言い、全国220箇所の病院が導入している。
ずらりと並んだ『ブレスオーコレクト』 |
コンタクトのタイプで言えばハードタイプ。一回つけたら洗浄して何回でも使える。ハードタイプにもかかわらず折り曲げられて、割れず、酸素透過率が高いという東レ開発の機能性素材によって、この治療法を実現した。
「ニーズがあるのは子供。レーシック手術は18歳以上のため、子供はメガネとコンタクトしか選択肢がない状態でした」
角膜の形状をもとに、同社の技術が適応できるかどうかを簡単に判定するiPadアプリも自社開発。眼科の先生の負担を少なく導入できるような工夫をしているそうだ。
いま、レンズを使った乱視矯正法のひとつ『フェイキックIOL』など、コンタクトレンズの技術はさまざまに進化をとげている。やがてメガネは本来の機能を失い、Google Glassのようなデバイスや装身具になっていくのかも。
■関連サイト
ユニバーサルビュー
Morning Pitch
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