みなさん、おはようございます。週刊アスキーの吉田です。さてワタクシは週末、博多に行っておりました。正確にいうと「キャナルシティ博多」へPepperに会いに行きました。
今回のお仕事はPepperとiPadを連動させたソリューション。 |
初来訪ですが、ユナイテッドシネマなどもある超巨大なエンタメ&ショッピング&グルメ施設ですね。
地下鉄の中州川端駅から徒歩10分ほどの場所にある「キャナルシティ博多」。 |
JR博多駅や福岡空港からだと地下鉄の中州川端駅を降りて川端商店街を突っ切れば徒歩10分ほどで着きます。途中たくさんラーメン屋があり、立ち寄りたくなりますが。ちなみに川端商店街では、7月1日から開催される博多山笠の山笠の設営が進められていました。
7月1日から開催されるそうです。 |
キャナルシティ博多に行った目的は、リクルートライフスタイルが無料で提供している順番待ち管理アプリ「Airウェイト」とPepperの実証実験が実施されていたからです。AirウェイトはiPad上で稼働するアプリで、主に飲食店や病院などで空席や診察を待っている人の順番と待ち時間を管理できます。Pepperは、みなさんご存じかと思いますが、ソフトバンクロボティクスが販売している感情を感知するロボットですね。
キャナルシティ博多! |
実証実験の場所は、キャナルシティ博多の5Fにある「リアル脱出ゲームセンター」前で実施されていました。
実証実験はキャナルシティ博多の5Fにある「リアル脱出ゲームセンター」の受け付けで実施されています。 |
5Fにはラーメンスタジアムも入居。ここは、博多ラーメンを代表とするさまざまな九州ラーメンを食せるフロアです。といいますか、5Fは実際はラーメンスタジアムがメインです。川端商店街の魅力的なラーメン屋さんを根性で無視した猛者も、結局はここでラーメンを食ってしまうわけです。
Airウェイト自体は、iPadと対応する熱転写プリンターがあれば稼働する順番待ちシステムです。なお、リクルートライフスタイルは、Airウェイトのほか、予約管理アプリの「Airリザーブ」、POSレジ管理アプリの「Airレジ」なども無料で提供しています。
順番待ちを効率的に管理できる「AIrウェイト」。Airシリーズには、「Airリザーブ」、「Airレジ」というアプリもあります。 |
今回の実証実験では、AirウェイトのインターフェースをPepperと連動させ、Pepperに話かけることで順番待ちを可能にするもの。リアル脱出ゲームセンターには、「伝説のゲームセンターからの脱出」「スパイ大戦からの脱出」の2つのコンテンツが用意されていますが、どちらのコンテンツをプレイするか、人数は何人かをPepperに伝えることで、Airウェイトのシステムを利用して登録できるわけです。
「Airウェイト」のシステムとPepperを連動させる実証実験です。 |
もちろんPepperくんなので、「元気?」とかというフレーズにもバッチリ反応してくれます。
多くの人は、実はスピーカーである耳をマイクだと思っているので、本当のマイクがある頭に向かって話せば、Pepperくんの取り合いも優位に進められます。 |
システム自体は、ユーザーがiPadに人数を入れることで順番に登録されるとともにiPadと連動するプリンターからQRコード付きの予約券が発券されるという仕組み。実証実験では、入力部分をPepperに任せているということですね。
受け付けが完了すると、写真右奥のプリンターから予約情報がプリントアウトされます。 |
ユーザーは、このQRコードをスマホで読み取ることで、専用のURLにアクセス可能になります。
QRコードアプリが別途必要なので、事前にインストールしておきましょう。 |
このURLにアクセスして表示される画面には、現在待っている人(組)の順番、目安の待ち時間などがわかります。リアル脱出ゲームはプレイ時間が約10分間隔なので、予約人数が多かったり、タイミングが悪かったりすると、受け付けしてすぐにプレイすることはできません。運営側は、次回のプレイ時間を見計らって待っている客を呼び出すことが可能です。
読み取ったURLにアクセスすると、現状と目安となる待ち時間をチェックできます。 |
メールアドレスを登録しておけば、待ち状況が変わった時点でメール通知してくれます。
呼び出し前の状態。メールアドレスを登録することで、メールでの通知も受け取れます。 |
運営側が利用者を呼び出すと、先ほどアクセスした利用者側のウェブページの表示内容が変わるので、受付場所に向かえばいいわけです。
運営側が呼び出せば、利用者側のステータスがリアルタイムで変わります。 |
さらにAirウェイトでは、現地にいなくてもウェブ経由で予約することが可能です。超人気店や病院、スマホショップなどでは、待ち時間が非常に長くただ現地で待っているだけの時間が無駄ですが、Airウェイトを導入しているところであれば、ウェブ上から現在待っている人数やこれから予約した場合のおおよその待ち時間がわかるわけです。
現地にいなくても、ウェブから予約できます。 |
Airウェイトは、さまざまなカスタマイズにも対応しているのも特徴。例えば病院では、小児科、耳鼻科、皮膚科、内科、泌尿器科などの診療科目別に診察予約を受け付けることができるでしょう。個人病院なら、診察が処置で患者を分けるといった使い方もありですね。美容院なら美容師さん別に予約を受け付けることも可能です。イートインコーナーがない飲食店では、メニューをそのまま掲載して注文を受けるという運用も。ちなみに、実際この方法でAirウェイトを導入している飲食店があるそうです。
席などは店舗スペースなどに応じて柔軟に設定できます。 |
iPadを使ったオペレーションについても柔軟性があります。iPadの画面表示は、「店舗モード」「お客様モード」「外部ディスプレイモード」の3種類が用意されています。
3種類の画面モード。 |
小さな飲食店であれば、ホールスタッフが予約受け付けと予約客の呼び出しをすべてこなせる「店舗モード」で1台のiPadで使えばいいでしょう。
店舗モード。 |
ファミリーレストランなどの大きな飲食店では、待合スペースに予約受け付け用のiPadを設置して来客者に入力してもらい、1台のiPadを「店舗モード」で使って予約客の呼び出しを実行するという運用も可能です。
お客様モード。 |
前述したようにスマホのメアドを登録して通知を受けられるのはもちろん、電話番号を入力して呼び出してもらうインターフェースも備えています。
電話番号を登録することで電話呼び出しにも対応できます。 |
待合スペースが広い場所では、待っている人数などを外付けの大型ディスプレイに映し出すモードも用意されています。病院などでは、子供からお年寄りまで年齢層が幅広いので、スマホを持っていなくて自分の順番がわかるので重宝しそうです。
しかも、予約受け付け用の端末は複数台を同時運用できるので、入り口が複数ある飲食店や総合病院では、それぞれの場所や診療科にiPadとプリンターを設置するだけで、来店者や患者を一元管理できるわけです。予約時には人数や席数などを選択するだけなので、基本的に個人情報を取得しないので安心ですね。
外部ディスプレイモード。 |
もちろん、プリンターに印刷するテキストも自由に変更できます。
プリンターに出力するテキストも自由に変更できます。 |
Airウェイトは完全無料で使えるので、気になるマネタイズについてリクルートライフスタイルでAirウェイトプロデューサーを務める渡瀬丈弘氏に話を聞きました。
株式会社リクルートライフスタイル ネットビジネス本部でAirウェイトプロデューサーを務める渡瀬丈弘氏。 |
「我々は、Airウェイトのアプリとアプリとつながるサーバーのみを提供し、端末であるiPadやプリンターは導入する側が自前で用意してもらうようになっています。Airウェイトのアプリからプリンターを購入できるようにはなっていますが、こちらが動作確認している機種であればどこから調達してもらっても問題ないです。」ということでした。
動作確認済みのプリンターをアプリから購入可能ですが、もちろん自前調達も可能です。 |
これでは全然マネタイズできないのではと疑問を投げかけたところ「AirウェイトやAirレジはホットペッパーやじゃらんの販促ツールのようなものなんです。媒体への掲載は必須ではないですが、ホットペッパーやじゃらんへの掲載料をいただく代わりに、Airウェイトなどを無料で活用してもらうというかたちをとっています」とのこと。
すでにAirレジは、ホットペッパーグルメやモバイル決済システムの「Square」とアカウント連携が可能なほか、5月からは業務のタスク管理が可能な「Talknote」、料理人向けEC事業を展開中の「八面六臂」、ネット印刷などが可能な「ラスクル」とのアカウント連携も始まっています。
取材を終えて思ったのはリクルートグループのエコシステムの強固さ。予約管理、順番管理、POSレジなどのシステムはライバルも多いですが、無料で使えるうえにクループのシナジー効果を考えると「個人経営の飲食店なら、使ってないiPadもあるしとりあえず導入してみるか」というお試し需要もちろん、本格導入についてもかなり有望なシステムではないでしょうか。
(2015.06.29 11:15追記)タイトル部分にアプリ名の間違いがありました。お詫びして訂正いたします。
●関連サイト
リクルートライフスタイル
Airウェイト
キャナルシティ博多
リアル脱出ゲームセンサー
-
1,080円
-
1,080円
-
999円
-
25,720円
-
52,920円
-
49,999円
-
45,360円
-
45,360円
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります