今、PC業界で飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を集めているのが、スティック型PCだ。2014年12月に登場したマウスコンピューターの『m-Stick MS-NH1』がその火付け役で、当初は発売とほぼ同時に売り切れるなど、入手するのも難しいほどの人気を集めた。その後も派生品の登場だけでなく、他メーカーからも続々と同様の製品が登場。最近では、インテルからも『Compute Stick』が登場し、こちらも注目を集めている。
ところで、スティック型PCの利用シーンとして多くの人が考えていると思われるのが、リビングの大画面テレビに取り付けて利用するというものではないだろうか。その場合、離れた場所から操作するために、ワイヤレスキーボードやマウスを利用するのが基本となる。スティック型PCはUSBが1ポートのみと少ないことから、Bluetooth接続のワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスを使いたいと考える人も少なくないはずだ。ただ、スティック型PCにBluetoothキーボード・マウスは少々オススメしづらい。なぜならスティック型PCでBluetoothが利用可能になるのは、初期設定が終わってOSが正常に起動した後からだからだ。
スティック型PCの初期設定時はBluetoothキーボードは使えないので注意が必要だ。 |
別途USB接続のキーボードを持っているなら、そちらを使って初期設定を済ませ、その後Bluetooth接続のキーボードやマウスを使うのもいいだろう。しかし、初期設定だけのために有線キーボードを買うのももったいない。そこでオススメしたいのが、USBドングル接続タイプのワイヤレスキーボードだ。中でも、今買うならロジクールのワイヤレスタッチキーボード『k400r』が便利。
ロジクールのタッチパッド一体型コンパクトワイヤレスキーボード『k400r』。 |
k400rの魅力は、キーボード右側にタッチパッドが搭載され、これ1台でキーボード操作だけでなくマウス操作も行なえる。キーボードとマウスを別々に用意する必要がないのはもちろん、専用USBドングル1個を装着するだけでキーボードとタッチパッドが利用できるので、USBポートが1個しかないスティック型PCに最適だ。
タッチパッドを搭載しながらもサイズはコンパクトで、大きさは354(W)×135(D)×23.8(H)mm、重量も400gと軽い。膝に置いて使うにもちょうどいいサイズで、手で持って使っても扱いやすい。また、後部側面を下にして自立する形状となっている点も特徴のひとつ。これなら、あまり物を置きたくないリビングでも邪魔になることはないし、片付けの場所も取らないはずだ。加えて、電池寿命が約1年と長い点も特徴。
左側にキーボード、右側にタッチパッドを搭載し、これ1台でキー操作とカーソル操作の双方が行なえる。 |
付属のUSBドングル。これをUSBに装着するだけで利用可能。 |
USBドングルはキーボード背面の電池ボックス内に収納して保管できる。 |
このように自立でき、収納場所にも困らない。 |
付属の専用USBドングルをPCのUSBに接続するだけで、標準USBキーボードと標準USBマウスとして動作するので初期設定も問題なく行なえる。この専用USBドングルは、『Unifyingレシーバー』というロジクールの統一規格レシーバーで、ロジクールのUnifying対応製品なら他の機器も同時に利用できる。
USBドングル1個でキーボードとタッチパッドが同時に利用できるので、USBポートの少ないスティック型PC用として最適。また、ロジクールの『Unifying』対応製品も同時に利用可能。 |
キーボードの使用感は、13インチクラスのノートPCとほぼ同等。主要キーのキーピッチは18.5mmと十分ゆったりしており、ストロークは2.5mmと深い。タッチはやや固めの印象もあるが、しっかりとした打鍵感でまずまず快適な入力が行なえる。Enterキー付近のキーピッチがやや狭くなっていたり、通常は右Shiftキーの左にある『ろ』キーが左Shiftキーの右側に配置されるなど、やや独特な部分もあるが、全体的には大きな不満がない。
主要キーピッチは約18.5mmとゆったりで、ストロークも2.5mmと深い。タッチはやや硬めだが、打鍵感に優れ快適なタイピングが可能だ。 |
『ろ』キーが左Shiftの右側に配置されている点はかなり特殊だが、かな入力を使わない限りあまり使わないキーなのでそれほど気にはならないだろう。 |
Enterキー付近の一部キーはピッチが狭くなっている。 |
タッチパッドもノートPCのタッチパッドと同等の使い勝手だ。クリックボタンが独立して用意されている点は、確実なクリック操作が行なえるという意味では嬉しい仕様。また、ジェスチャー操作にも対応しているので、2本指でのスクロールや拡大、縮小などの操作も軽快。もちろん、エッジスワイプなどのWindows 8.1のジェスチャー操作にも対応している。加えて、本体左上に左クリックボタンが追加で用意されているため、両手で持って使う場合の操作性も優れている。細かなカーソル操作の軽快さはマウスの方が上だが、リビングの大画面テレビでスティック型PCを利用するような場面で、非常に細かいカーソル操作が必要となる場面は少ないはず。マウスと同等の細かい操作が行なえなくとも大きな問題とはならないだろう。
タッチパッドもノートPCと同等の使い勝手。クリックボタンが独立して用意され、2本指でのスクロールや拡大縮小など、ジェスチャー操作にも対応する。 |
実売価格は4000円前後と、小型のワイヤレスキーボードとして特別安いということはない。しかし、タッチパッド一体型という特徴によって、リビングPC用のワイヤレスキーボードとして非常に魅力的な存在と言える。特に、スティック型PC用キーボードとしてはイチオシの製品だ。
ちなみに、k400シリーズの新モデルとして『K400 Plus』という製品も新たに登場している。こちらは、k400rとサイズはほぼ同じだが、キー配列が一部変更となり、タッチパッド部分の段差がなくなり、Windowsに加えてAndroidやChrome OSにも対応している。実売価格は6000円前後とやや高くなるが、スティック型PC以外でも様々な機器で利用したいという場合には、こちらもオススメだ。
k400シリーズ新モデル『K400 Plus』も新たに登場。キー配列の変更や対応OSが増えるなどの進化を遂げている。 |
■関連サイト
ロジクール k400r製品ページ
ロジクール K400 Plus製品ページ
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3,845円
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6,080円
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17,671円
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20,800円
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17,671円
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