海外旅行の際、スマホの国際ローミングは便利なのだが、パケット定額制は1日2980円というのが一般的で、数日間使うにはかなり高い印象がある。安く済まそうと思ったら、日本で現地に対応したWi-Fiルーターを借りるというのが賢明だ。
ただ、一般の人はそれで十分なのだが、やはり「スマホ好き」としては現地キャリアのSIMカードを買ってきて使うというのが、楽しかったりする。ときに、観光やお土産よりもSIMカードを買うほうが思い出深い旅行になったりもする。
auのiPhoneであれば、アメリカのAT& |
5月のアメリカ出張では、AT&TのプリペイドSIMカードを入手し、iPhone 6に挿入して、使うつもりでいた。ホテルに到着し、iPhone 6にAT&TのプリペイドSIMカードを挿入して、アクティベーションし終わった時に気がついた。「あ、これ、SIMフリー版のiPhone6じゃなくて、auで購入したiPhone6じゃん」。
筆者は、auで契約しているiPhone 6(シルバー)と、SIMフリー版iPhone 6(ゴールド)、さらにアメリカ・ベライゾン契約のiPhone 6(スペースグレー)の3台を所有している。本来ならば、SIMフリー版iPhone 6に、AT&TのSIMカードを挿入しなくてはいけないはずが、何を間違ったかau版iPhone 6にAT&TのSIMカードを入れてしまったのだ。しかし、アンテナピクトを見ると、AT&Tと表記されており、通信もつなっがており、普通にLTEが使えている。速度も比較的速く、エリアも満足できる感じがある。
さらに試しに、auのiPhone 6に、ベライゾンやT-Mobile、ソフトバンクのSIMカードを挿してみたが使うことはできず。どうやら、AT&TのSIMカードだけ、アメリカではSIMロックが解除された状態になるようだ。KDDIの広報に確認したところ「当社からご案内しているものではなく、また動作を保証しているものでもありません」というコメントが返ってきた。ただ、auのiPhoneがAT&TのSIMカードで使えるという点は否定しておらず、使っても問題なさそうな雰囲気を醸し出していた。つまり、au版iPhoneは、アメリカのAT&Tだけ、SIMロックがかかっておらず、使えるということだ。
ちなみにAT&TでSIMカードを購入する場合、SIMカード代が9.99ドル、1GBのデータ容量で月額45ドル、2.5GBで月額60ドルとなる。
AT& |
一般的なユーザーからすると、アメリカ旅行の限られた日程で、SIMカードを購入するというのは結構、手間で時間もとられるので、できれば避けたいと思う人も多いだろう。AT&TのSIMカードは、サンフランシスコ空港の自動販売機でも購入できるのだが、実は搭乗ゲートの近くにしかなく、帰りにしか購入できない。できれば、アメリカに行く前にSIMカードを調達できていると心強い。
日本でアメリカのSIMカードを事前に購入する術をあれこれ探していたら、au online shopが、AT&Tのネットワークを利用した「H2O Wireless」というMVNOのSIMカードを販売していることが判明した。H2O WirelessはKDDIの子会社であり、この5月からのSIMロック解除義務化を前に、自社のサイトで販売を開始したらしい。
せっかくなので、6月の渡米の際にH2O WirelessのSIMカードをau iPhone6に挿入して使ってみた。アクティベーションする際に、設定プロファイルをWi-Fi環境でダウンロードしなくてはいけないなど面倒なところはあるが、KDDIの子会社と言うこともあり、日本語のマニュアルを見ながら設定できるので、そのあたりは心強い。AT&T同様、H2O WirelessのSIMカードでも問題なく利用できた。
日本でSIMカードを購入すると3780円だが、アメリカの家電量販店などでは9.99ドルで入手できる。事前に日本で準備しておくか、アメリカで購入するかはかなり悩ましいだろう。ちなみに料金プランは、30ドルで、30日間、500MBのデータ容量を利用できる。60ドルを支払えばデータ容量は無制限となるが、テザリングには非対応だ。
au版iPhone6にH2O WirelessのSIMカードを挿入してアクティベーションすると、LTE通信が利用できる。 |
この秋に発売されるiPhoneを待たなくても、アメリカで現地のSIMカードが使えるauのiPhone。ただ、実際に使ってみると、auのSIMカードを抜いて現地のSIMカードを挿してしまうので、auの電話番号への着信が受けられなくなってしまう。
しかも、auの場合は海外番号への転送ができないため、AT&TやH2O Wirelessの番号に転送するといったことができない。いろいろ調べたところ、auのiPhone 4SでもAT&TのSIMカードが使えたので、前に使っていたiPhoneに現地のSIMカードを挿しつつ、いま使っているiPhoneをローミングで使い電話の着信を受ける、あるいは050といった番号が発行されるIP電話アプリに転送するといった工夫が必要だろう。
■関連サイト
iPhone(au)
au Online Shop(H2O WirelessナノSIMスターターキット)
H2O Wireless
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