4Kテレビ、パナソニックの『VIERA CX800』シリーズ、東芝の『REGZA J10』シリーズはともに、2015年秋に日本に上陸する世界最大級の有料ネット動画配信サイトのネットフリックス(Netflix)の対応モデルとして発売している。
リモコンに直接ネットフリックスのボタンが搭載されるなど、数あるオンデマンドサービスの中でも連携の度合いが大きい。世界最大級の有料動画サービスとはいえ、まだ日本でサービスも始まっていないものとしては異例ともいえる連携だ。もちろんテレビは長く使うものなのだが、それほど期待されるネットフリックスっていったい、どんなサービスなのか。
↑リモコンに直接ネットフリックスのボタンが搭載されるのは、他のオンデマンドサービスだけでなく既存のテレビにとっても脅威か。
ネットフリックスは1997年に設立、もともとはオンライン注文のDVD宅配レンタルで始まったサービスで、1999年にDVDレンタルの月額借り放題を開始。2000年に会員のレンタル情報と評価システムを利用して、パーソナライズされたレコメンドシステムを開始。オンラインのビデオオンデマンドサービスとなった今も、個人に最適化したレコメンドシステムは同サービスの強みのひとつでもある。
2007年にPC向けに月額制サブスクリプション方式のビデオオンデマンドサービスを開始。2008年にXbox 360やテレビのセットトップボックスなどにストリーミング映像を配信。2009年にプレイステーション3、2010年にiOS、Wiiなど接続デバイスを増やし続け、同時にカナダ、南米、欧州へとサービスエリアを広げていった。そして、2015年秋に日本でサービス開始を明言している。2015年6月現在、50ヵ国で6200万人以上のユーザー数をほこる。米国ではYouTubeと合わせて、通信トラフィックの約50%を占めるほどになっている調査もある。
↑現在、アクセスすると日本語対応しており「まもなく日本でサービスを開始いたします!」のメッセージが表示される。
ネットフリックスが得意とするのは視聴可能デバイスとの連携だ。WindowsやMacはもちろん、ネット対応テレビをはじめ、ゲーム機、セットトップボックスなどがネットフリックスに対応する。アメリカではネットフリックス非対応テレビはほとんどないという状態になっており、冒頭のとおり国内ではすでに東芝やパナソニックが対応テレビのパートナーとなっている。
また独自のコンテンツ制作にも積極的で、2013年にはネットフリックス発のオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』がエミー賞を獲得。ネット発ドラマコンテンツが同賞を獲得したのは初めての快挙だった。ただ気になるのは日本のローンチに向けたコンテンツだ。
先行するHuluは既存のテレビ局との連携の強さを生かして、見逃し配信や連動番組の配信を行なっているが、独自コンテンツの大規模展開とまではいっていない。パナソニックのリリースによるとネットフリックスの日本ローンチ時には、日本向けのコンテンツも用意されている予定だという。吉本興業に資金提供をして動画制作を行なうという報道もあった。独自コンテンツの充実から、差別化を図ってくるのだろうか。
■関連サイト
ネットフリックス(Netflix)
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