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注目のAmazonオーディオブックの全貌 本を「聴く」は普及するか?

2015年07月14日 14時15分更新

Audible

 14日、Amazonが書籍の内容を音声で聴く”オーディオブック”の配信サービスを日本で始めることを発表。

 手がけるのは、2008年にアマゾン傘下となった米国のオーディオブック制作・配信最大手Audible(オーディブル)。本日14日よりアンドロイドアプリが対応。夏にはiOSアプリでの提供予定。初月は無料で、2ヵ月目以降は月額1500円での音声コンテンツ聴き放題の定額制サービスとなる。

 アプリをインストールすれば利用可能。小説やビジネス書、落語などまずは数千タイトルをそろえている。朗読スピードは0.5倍から3倍まで6段階で調節可能。

 Audibleは、今後も各コンテンツホルダーと協業し、さまざまなコンテンツの企画の提供を予定している。古谷一行さん、竹中直人さん、岸田今日子さんなど魅力的なナレーター陣の作品の用意や、日本上陸記念でのコンテンツとして、小説家 島田雅彦さんとの特別コンテンツも順次発表するとのこと。

Audible
小説、ビジネス書、語学学習、ライトノベル、落語、ラジオドラマなど幅広いジャンルで日本語コンテンツを数千タイトル用意。
Audible
章を飛ばして聴いたり、後で聴き直すため「ブックマーク」にメモをつけて保存することが可能

日本のオーディオブックにはまだまだ大きな伸びしろがある

「オーディオブックのシェアは、全世界で書籍の10%。米国は1600億円規模となっており、日本も現状は50億円の市場規模だが、将来的には800~900億円まで伸びしろがある」

 そう語るのは、オトバンクの上田渉代表取締役会長。すでに国内でオーディオブックをはじめとした音声コンテンツの配信サービス『FeBe!』を手がけている同社。13000タイトルのコンテンツのうち、2000弱を7月にもAudibleに提供予定だ。

 米国などで世界的に普及しているオーディオブックは、海外では書籍市場の約10%になっていると上田代表。日本でもAmazonが取り組むことによってオーディオブック自体の認知度が上がることに期待しているという。

「世界と日本ではコンテンツ数に大きな開きがある。米国は70~80年代にカセットテープをカーオーディオで聴く時期があった。同時期の日本の通勤シチュエーションは電車が中心。重たいウォークマンでは普及しなかった。すでに米国では10万タイトルを超えている。対して日本はまだ15000点ほど。もっと増えてないといけない」

 同社の利用は男性ビジネスパーソンが中心。オーディオブックというと、スキマ時間の活用や音楽がつくことによるドラマ性のアップなどが想定できるが、実際の現在の利用想定は、ビジネス書での耳で勉強を行う目的が大きいそうだ。

 オーディオブックの利用方法・楽しみ方について上田代表にうかがうと、「ポイントとなるのは通勤時間。電車や歩きの時間はビジネスパーソン歩いているタイミングが多い。オーディオブックが適しているのは、倍速でのながら聴き。通常1冊4~5時間だが、2時間程度で読めてしまう。スマホであれば、LINEやゲームをしながらでも聴ける。『ながら聞き』での需要はなかなか強く、ビジネス書での勉強には大変向いている。ラインナップも多いので、気楽に聴いてみてほしい」と語った。

「ビジネスであればベストセラー・ロングセラーだいたいカバーしているが、文芸などのエンタメ分野だとまだまだ日本は足らない状況。コンテンツの数を増やすことで一緒に市場を広げたい」(上田代表)

画像:Audible

●関連サイト
Audible(リリース)
FeBe!

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