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Appleが自主回収 買収先のBeats Pill XLに過熱の危険性

2015年06月04日 15時45分更新

Beats

 この回収騒動自体が、AppleによるBeatsの買収を印象づけることになったのは皮肉だ。

 3日、Appleは、Beats Pill XLスピーカーの返金を含む自主回収を発表。Appleからは自主回収の案内とともに、同スピーカーの利用停止がアナウンスされている。リコール理由は防災安全上の問題、バッテリーの過熱不具合だ。

 そもそもBeatsは2014年5月に約30億ドルでAppleに買収されたオーディオ機器と音楽サービスのブランド。”b”のロゴが入ったヘッドフォンなどの一連の製品は、色鮮やかでクールなデザインが人気。レディー・ガガのようなアーティストからアスリートなどが愛用しており、モバイルで音楽を楽しむ若者や音楽ファンの人気を集めていた。

 買収時には、Beatsの共同設立者であるJimmy Iovine(ジミー・アイヴォン)氏とDr. Dre(ドクター・ドレ)氏がAppleに移籍。音楽業界との関係を強めたAppleが、デジタル音楽サービスの分野で新たな戦略をとるのか注目が集まった。

 回収となったBeats Pill XLは、2013年11月にBeats by Dreから発売されたiPhoneなどに対応したワイヤレスBluetoothスピーカー。回収対象となっているのは、Beats Pill XLのみで、同シリーズのBeats Pillなどは販売継続となっている。リリースによれば、今回の回収は、他のBeatsまたはAppleの製品には影響を及ぼさないとのこと。

 Beats Pill XLスピーカー回収にともなう返送方法は、Appleのサポートで確認してみよう。製品の返送方法、3万9000円分のApple Storeクレジットまたは同額を銀行口座で受け取る方法などが記載されている。

Beats

 米消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission)は、利用の際の指のやけど、デスクが熱で損傷するなどの8つの不具合を報告。Appleが発表した自主回収により、合計20万台以上がリコールされるという。

 AppleはiPhoneなどの不具合に対しては、ジーニアスストアなどでの交換または修理プログラムを提供しているが、製品の自主回収はそもそもかなりまれ。

 日本時間の6月9日に開幕するWWDC(Worldwide Developers Conference)では、Beatsのサービスをベースにした新しい音楽ストリーミングサービスの発表などが予定されている。

WWDC2015

画像:Apple、Consumer Product Safety Commission

●関連サイト
Apple(Beats Pill XL スピーカー自主回収プログラム)
Consumer Product Safety Commission

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