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高級時計ロレックスって何がすごいの?

2015年05月08日 19時30分更新

文● 遠藤 弘満/Knot 編集● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

rolex

 高級時計の代表格ともいえるロレックス。貴金属のように資産価値もあるためイザというときのために持ち歩いている人もいるんだとか。価格が高くて人気なのは分かるけど、なぜ好かれるのかは正直なところよくワカラン! どうして高級時計の中でもロレックスが好きなのか、好きな人に理由を聞いた。


●正真正銘のマニュファクチュール

 高級車にはベントレーやロールスロイスがあるが、価格を考えるとベンツが一般的だ。頑張れば買えるかもしれないという価値観がある。ロレックスは腕時計業界のベンツのようなもの。パテック・フィリップやヴァシュロンは200~300万円ほどだが、ロレックスなら50万円前後から買える。

 ロレックスの同価格帯にはブライトリング、オフィチーネパネライ、タグ・ホイヤー、オメガあたりがあるが、パーツはいずれもアッセンブリ(組立式)だ。ムーブメントはスイス製や日本製でも、文字盤やケースなどの部品は中国製。それでも価格は40~50万円ほどもする。

 一方、ロレックスはムーブメントもケースも完全に自社生産。ケースに使うステンレスも他社より頑丈な高級ステンレス鋼を用いている。ヨーロッパ最高品質のステンレス屋に別注をかけて、純度の高いロレックス専用の鋼を作らせているのである。

 振り返れば1970年代、セイコーがクオーツを全世界に安く提供した“クオーツショック”が起きた反動でスウォッチが生まれた。スイスの時計業界が壊滅的な状況に追い込まれる中、1万円前後のカジュアルウォッチの傘下にオメガなど高級時計メーカーが入っていった。オメガがスウォッチグループに入っている理由は、スウォッチがエタ・ムーブメントを傘下に入れていたからだ。

「スイス製のムーブメントを供給する、力を合わせて日本と闘おう」という機運が高まった時期だったが、ロレックスはあえて傘下におさまらず、独自路線を選んだ。だから自分たちでムーブメントもステンレスも調達している。そこを守ってきたからこそ今のロレックスがあるわけだ。

 パテック・フィリップやヴァシュロンにミリタリーウォッチはないが、ロレックスには軍隊の別注モデルがある。その一方、ティファニーとのダブルネームを作ったこともあった。普通の人にとっては、ロレックスとロレックス以外は“高級時計”というひとつのくくりになっていると思うが、フタを開ければまったく別物。ロレックスは正真正銘のスイス製マニュファクチュールブランドなのだ。

※エタ・ムーブメント:大量生産を前提にした格安・高精度スイス製ムーブメント。

 なるほど! あらためて調べてみれば、世界初の防水モデル、両方向回転式の自動巻きムーブメントもロレックスが開発したものだとか。たんに時間を表示するだけじゃなく、登山や深海探検に機能を最適化した“プロフェッショナルウォッチ”シリーズを作ったりと、つねに時代の先端を行くモノづくりがロレックス人気を支えてきたって話らしい。

 週刊アスキー1027号ではスマートウォッチを完全無視して、こんなアナログ時計の特集を組んでいる。気になったらポチってくれると編集担当としてはうれしいよ。


答えてくれた人:
国産腕時計Knot代表 遠藤弘満
経営者として腕時計ブランドのモノづくりに興味がある。

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写真:編集部、高橋 智

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