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ラテアート世界チャンピオンがオーナーのStreamer Coffee Companyのラテが凄かった

2015年05月04日 10時30分更新

Streamer Coffee Company
明治通りから1本奥に入った通りにあるStreamer Coffee Companyの渋谷店。外国人の来店が非常に多い。

 みなさん、おはようございます。いまは週刊アスキーの吉田でございます。さて、今回はカフェというかコーヒーショップの取材です。先日開催されたMoneytreeの2周年記念イベントにも協賛していたStreamer Coffee Company(ストリーマー コーヒー カンパニー)の澤田洋史氏に、同社を起業した経緯などを聞いてきました。

Streamer Coffee Company
Streamer Coffee Companyのオーナーバリスタである澤田洋史氏。2008年の「フリーポア ラテアート チャンピオンシップ」でアジア人初の世界チャンピオン。

 Streamer Coffee Companyは、2010年4月に渋谷にオープンした比較的新しいカフェ。オーナーバリスタである澤田氏は、2008年に米国シアトルで開催された「フリーポア ラテアート チャンピオンシップ」でアジア人初の世界チャンピオンになった人物です。

Streamer Coffee Company
Streamer Coffee Companyは現在、渋谷店、原宿店、五本木店の3店舗を展開しています。

 澤田氏の経歴は異色で、もともとは大手食品メーカーで広報をやっていたそうです。30代前半のころに仕事でひと息ついたのを機に退職してシアトルに。その後、シアトルでよく通っていたカフェのマネージャーに気に入られて、この世界に足を踏み入れたとのこと。

Streamer Coffee Company
店舗では作っていないとはいえ軽食のオリジナリティーが高い。写真手間は迷彩柄のドーナツ。

 Streamer Coffee Companyの特徴は、ドーナツやケーキなどの軽食はすべて契約工場からのデリバリーで、店舗でつくるのはコーヒーのみという点。「オープン当初は、常連客や近所の人たちからランチを出さないのかと言われて悩んだが、コーヒー1本というのは譲れなかった。カフェというと、カフェごはんという言葉があるように日本では軽食も食べられる場所というイメージが定着しつつありますが、どうしても、コーヒーだけを出す店にしたかった」とのこと。

Streamer Coffee Company
壁にはスケートボードを4枚連ねたオブジェが飾られています。
Streamer Coffee Company
店内には長机が設置されており、皆さんここでコーヒーと読書、音楽などを楽しんでいました。
Streamer Coffee Company
4人掛けのソファー席もあります。
Streamer Coffee Company
店先にもテーブルを設置。
Streamer Coffee Company
どこか懐かしさを感じる机と椅子。

 インテリアも特徴的で、5年前にオープンしたころはカフェとしてはかなり珍しかった鉄骨むき出しのデザインを採用しています。

Streamer Coffee Company
Streamer Coffee Company
配管などはむき出しのインテリア。テーブル下には鉄骨がそのまま使われています。

 オープンから半年ぐらい経ったあとに、近所を散歩する女性の方から「いったいいつオープンするのか」と聞かれたこともあるそうです。

Streamer Coffee Company
Streamer Coffee Companyのウェブサイトを開くと外資系のカフェかと勘違いしてしまいそうなデザインですが、実際に来店する外国人がかなり多いそうです。

 客層は若年層からシニアまで幅広いそうですが、Streamer Coffee Companyのウェブサイトの写真を見てもわかるように、渋谷店は外国人の客がかなり多いとのこと。近くに英国系のインターナショナルスクールがあるため、気がついたら店舗内の日本人はスタッフのみという場合もよくあるそうです。また、渋谷という場所柄、アパレル関係や芸能関係の人もよく来店するそうです。澤田氏によると「渋谷店は、渋谷駅から少し離れた、しかも明治通りから1本中に入った場所なので、近くに飲食店が少なかったこともプラスに働いた」とのこと。

Streamer Coffee Company
ワタクシには懐かしい牛乳瓶に入ったストリーマーコーヒー牛乳。瓶のデザインにもこだわっていますね。

 ラテの世界チャンピオンの店だけあって、メニューはラテが主体。

Streamer Coffee Company
牛乳瓶に入ったオリジナルのコーヒー牛乳。瓶のデザインも独自です。

 そのほか、エスプレッソやアメリカーノなどのメニューもありますが、注目はストリーマーコーヒー牛乳ですね。専用の瓶に入ったオリジナルのコーヒー牛乳で、30代以上の人にとっては懐かしく、10~20代には珍しい瓶の容器が特徴です。実際に取材中も、3人組の20代の女性がオーダーしていました。

 澤田氏のラテーアートは、ラテ用のコーヒーカップにエスプレッソの原液を注いだあと、ミルクピッチャーでのみで描き上げる本格的なもの。実際に目の前でつくってもらいましたが、一杯一杯コーヒー豆を挽いてていねいにつくってくれました。

Streamer Coffee Company
オーダーが入ると一杯一杯コーヒー豆を挽きます。
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挽き立てのコーヒー豆をポルタフィルターにぎっしりと詰め込みます。
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カスタムチューンされたエスプレッソマシーンで抽出。濃厚な原液が出てきます。
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ラテ用の大きめのカップに注いだエスプレッソの原液にたっぷりのホットミルクを注ぎます。
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最初は普通に注いでいるように見えますね。
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途中からだんだん模様ができはじめています。
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ここからは本格的なラテアートの準備。
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ミルクを注ぐのやめることなくアートになっていきます。すごい。
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完成したラテ。濃厚なエスプレッソを使っているので大量のミルクでも味がぼやけてません。砂糖を入れなくてもミルクの甘みで飲めちゃいます。

 ちなみにラテで使うホットミルクは60度程度が適しており、甘みが最も感じられるそうですが、チェーン店のカフェなどでは70度以上のことも多いそうです。澤田氏は「Streamer Coffee Companyは70度よりも低い温度で出しているものの、本当はもっと低い温度で出したい。でも、あまり温度を下げるとお客さんからぬるいというクレームにもなるので難しい」とのこと。

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カスタムチューンされたエスプレッソマシーン。本来は金属で覆われている前面部分を透明のアクリル板に変え、中のポンプを赤で着色しています。

 個人的に最も興味深かったのは、エスプレッソマシーンのカスタムチューンの話。チェーン店のカフェやファストフードなどでは、既製のコーヒーメーカーやエスプレッソマシーンをそのまま使うことが多いですが、Streamer Coffee Companyでは、米国製のエスプレッソマシーンをカスタムチューンしたものを使っているとのこと。渋谷店のエスプレッソマシーンは、通常はアルミ板で覆われている外装部分を透明のアクリル板に変更して内部が見えるように改造。内部のボイラー部分も赤で着色しており、一見すると何をする機械なのかわかりません。

Streamer Coffee Company
1杯のエスプレッソに使うコーヒー豆の量が多いので、エスプレッソマシーンの圧力を強化しているそうです。

 澤田氏によると「見た目のカスタムだけでなく、性能面でも強化している」とのこと。具体的には、「一杯のエスプレッソに通常のカフェの3倍ぐらいの量のコーヒー豆を使うので、大量のコーヒー前を投入しても詰まらないように抽出時の圧力を高めている」そうです。

 実際に抽出されるエスプレッソの原液は非常に濃厚で、さらさらの液体というよりも少し粘りのある液体の状態で抽出されていました。ラテの場合はこのエスプレッソの原液にホットミルクを注ぐわけですが、ラテ用カップはかなり大ぶりでミルクを大量に投入するにもかかわらず、コーヒーの後味がしっかりと残りテイストでした。澤田氏によると「ラーメンスープに例えるなら濃厚豚骨ですね」とのこと。

 ちなみに、渋谷店以外はどうかいうと、原宿店にあるエスプレッソマシーンは迷彩柄、五本木店にあるエスプレッソマシーンは一度に6杯を作れる全長が1m50cm超もある代物で、日本ではここだけにしかないそうです。

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原宿店は、コンテナを3つ積み上げた特徴的な建物。

 原宿店は、コンテナを3つ積み上げた建物となっており、もともとはアパレルブランドの期間限定のイベントに合わせた出店だったものが、期間終了後にそのスペースを使えることになり、そのまま原宿店として営業を続けているとのことでした。

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五本木店は、東急の事務所や倉庫として使われていたところを改装してオープン。店舗としてはいちばん大きい。

 五本木店は、東急東横線の学芸大学と祐天寺の中間地点の高架下にある店舗で、東急の誘いで出店したそうです。もともとは東急の事務所や倉庫として使われていたそうですが、ここ10年ほどはほとんど放置されていたに等しい場所だったそうです。周りは繁華街ではなく住宅街という立地だったものの、駒沢通り沿いということもあり土日はかなりの混雑になるそうです。店舗のスペースがかなり広いので、平日は比較的ゆったりコーヒーを楽しめるので狙い目とのこと。

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 コーヒー豆の選別や焙煎に関しては、「最近は酸味を効かせる焙煎が主流になる中、コーヒーの苦みを生かした焙煎にこだわっている」そうです。「コーヒー豆は、横浜にある焙煎工場でまとめて十キロを焙煎しています。一度にある程度の量を焙煎することで、品質を均一に保てるので」とのこと。

 続けて、「ブレンドではなくシングルオリジンと呼ばれる、1つの産地の豆だけを使ったコーヒーが注目を集めていますが、ラテが主体のStreamer Coffee Companyではブラジル産の豆をベースに、インドネシア産の豆を少量ブレンドすることで、ラテに合う苦みのあるテイストを実現しているとのこと。

 Streamer Coffee Companyは、渋谷、原宿、五本木にあるので、大型連休中に散歩がてら出かけてみるのもいいですね。また、今後はアパレルブランドと組んで、ショップ内のコーヒースタンドとしての出店も予定されているとのことです。

 実際にラテを作る映像も公開されているのでチェックしてみてください。

■関連サイト
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