V6の岡田准一さんと俳優の遠藤憲一さんのコミカルかつシュールなCMが話題の『キャンディークラッシュソーダ』ですが、新CMは関ジャニ∞が出演。シルエットがどう見ても女性ですが……。ガールズユニット“キャンジャニ∞”を結成したようですよ。この記事が公開されるころにはその全貌が明らかになっていると思います。
↑キャンジャニ∞が着ているオリジナルの制服につけられている、ワッペン。 |
さて、そんなインパクトのあるCMをきっかけに遊んでいる方も多いのではないでしょうか。シンプルなルールでひとつのステージが数分で遊べるので、すき間時間に楽しめる。それでいて、なかなかに難易度が高いので熱中して遊んでしまう。今回はそんなキャンクラを作った中の人、レベルデザイナーのDamir Buco(ダミル・ブチョー)さんが来日したのでお話を聞いてきました。
『キャンディークラッシュソーダ』→レビュー記事はこちら
↑お話を聞いたダミル・ブチョーさん。日本への留学経験もあり奥様も日本人という、日本にゆかりのある方です。 |
――今回来日した目的は?
ブチョーさん:日本市場の理解を深めることが目的です。
――ご自身のバックグラウンドについて教えてください
ブコさん:ほぼ新卒でキングに入社し、まず最初にバブルウィッチ1を手がけていました。当時はそれが最も成長していました。そこからキャンディークラッシュのレベルデザインに移行したのですが、モバイル版が出てから急成長しだし、大きなキャリアとなりました。そして現在、キャンディークラッシュソーダに関わっています。
――3マッチパズルを世に知らしめた作品ですが、着想したポイントは?
ブチョーさん:インスピレーションとしては既にあった社内のゲームのいいところ、楽しい部分を凝縮したものをつくりたいということがありました。
――日本市場の理解を深めることが来日の目的とおっしゃっていましたが、日本のスマホゲーム業界についてなにか感想はありますか?
ブチョーさん:大きな特徴は、日本のゲームはプレイヤーも含めてハードコアが目立つと思います。対して、欧米はすごくカジュアルなゲームが目立ちます。昨日も『モンスターストライク』で遊んでいたのですが、実際にプレイできる画面にたどり着くまでに色々な情報が入ってくるし、すごく時間がかかり、すべきことが多いです。そういう意味で、日本のゲームはプレイにたどり着くまでの時間がかかる印象があります。
――意外な意見ですね。女性を含めると日本はカジュアルなゲームが多いという印象です。だから、キャンクラも流行したんだと思います。
ブコさん:モンストはミッドコアかもしれませんね(笑)
――プロモーションの効果もありますが、日本で流行した理由は何だと思いますか?
ブチョーさん:日本で流行っているゲームと比べて、多くの人が気軽に遊べる内容でニッチじゃないというところ、シンプルであるというところ。あとはみんなキャンディーが好きなのかな?(笑)
――枝廣さんにお聞きしたいのですが、CMを打つ前と後で大きな差がありましたか?
King Japan 枝廣憲代表取締役:とにかく知っていただくのにテレビという機会は大事だな、と認識しました。CM後は実際に街中を歩いていると、プレイしているユーザーを見かけることが多くなったので、知っていただくことそのものがプレイに繋がるんだな、と改めて認識しました。
――CMは相当コストがかかると思いますが。それに見合う成果でしたか?
枝廣さん:そうですね。良い投資だったと思います。
――今後日本ではCM以外のプロモーションはしていくのですか?
枝廣さん:さっぽろ雪まつりへの出展のように、一般的にはやらないことをやっていきたいですね。“beyond expectation”という言い方をしているのですが、期待値を超えるというか、角度を変えることを意識しています。関ジャニ∞さんの新CMも、我ながらよくこんなことやるな、という出来です(笑)。
――ブチョーさんは、日本のCMを見たことがありますか?
ブチョーさん:日本のほうが面白いですね(笑)
↑今年2月に行なわれたさっぽろ雪まつりにて、King Japanが出展。雪像にプロジェクションマッピングでゲーム画面を投影した。 |
――日本と海外で、遊ぶシチュエーションが違うと感じますか?日本は電車で移動中にプレイすることが多いでしょうし、欧米では車社会が多いので難しいですよね。
ブチョーさん:ストックホルムは地下鉄が発達しているので、移動する際に遊んでいることが多いです。キャンディークラッシュなどは1回数分で遊べるので、列に並んでいるときでも遊べますね。
――レベルデザインという仕事が、何をしているのか知らない人も多いので具体的に教えていただけますか?
ブコさん:よく聞かれる質問ですね。会社にはレベルエディターがソフトウェアを使って、まずキャンディーなどのオブジェクトの配置を決め、テストを繰り返し、楽しいということがクリアーできれば難易度を調整していくのですが、全行程10~20分で完了します。色の配置もコントロールしているのですが、ゲームが始まってしまえばランダムにはなりますね。
――どうやって難易度を上げるのですか?
ブチョーさん:いくつかありますが、キャンディーの色を増やすこと、移動回数を少なくすること、ステージの面積を少なくすること、カップケーキのように5回壊さないといけないようなブロックを入れて“レイヤーを増やす”ことですね。
↑“カップケーキ”のほかに、“ハニー”といった複数回壊さなければならないブロックを追加してクリアーまでの工程を増やしている。それにしても10~20分で1ステージできてしまうスピード感がすごいですね。 |
――もし、ご自身が自由にゲームをつくれるとしたら、どんなゲームをつくりたいですか?
ブチョーさん:個人的には『バルダーズ・ゲート』のようなコアのRPGが好きなので、パズルゲーム以外だと、RPGをつくってみたいですね。
――ちなみに、スマホゲームだとどんなゲームが好きですか?
ブチョーさん:『Kingdom Rush』というタワーディフェンスゲームをよく遊んでいますよ。
――ありがとうございました
■おまけ:枝廣代表取締役はガチゲーマーだった!
インタビューにも同席していただいた枝廣さん。雑談中に「今私はレベル250くらいなんですけど~」と、ちょっとドヤ顔でちゃんと遊んでいることをアピールをしたのですが、枝廣さんはなんと345ステージに到達! 現在iOS版の最終レベルですよ(Android版はレベル360)。「仕事ですから~」と笑っていましたが、さすがです。
『キャンディークラッシュソーダ』
●King.com Limited
●無料(ゲーム内課金あり)
●対応OS iOS/Android
(c)2015 King.com Limited
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