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基板すらかわいくデコるとは。いちごじゃむ女子会……恐ろしい子:IchigoJam第2回

2015年04月25日 13時00分更新

 女子会。私は今まで実物を見たことがないので、本当に世の中に存在しているのかギモンでした。が、このたび“いちごじゃむ女子会”なるものが開催されるとの情報を入手したため、極秘潜入を試みてみました。業界用語で言うなら取材を申し込んだのです。

 ときは2015年月4月21日、ところは秋葉原にあるDMM.make AKIBA、“いちごじゃむ”という甘い響きからも女子たちによるキャッキャウフフな世界が想像(妄想)されます。で、これがその会場。

IchigoJam第2回
↑各人の目の前にはIchigoJamの組み立てキットとはんだごて、ラジペンやニッパー。はんだ付け指導の男性も見えます。


 ガチ勢だった!
 イベントの正式名称からして『ハンダつけナイト#1「IchigoJam Hackathon / LEDデコらナイト」』ですもんね。

 と、一瞬思いかけましたが、話を聞くと、そういうわけでもないようです。ほとんどの方がはんだごてを握るのは初めてか学生時代に授業でやった気がするという程度。「まさか、今日はんだ付けをやらされるとは思わなかった」という女性もいました。IchigoJamが何なのかはご存じで、プログラムしたり多少カスタマイズしたりして楽しく遊んでみようというイメージだったのかもしれません。

IchigoJam第2回
↑会場には、元『ベーマガ』編集長の大橋太郎さんがいらっしゃいました。参加者の女性にはんだ付けのしかたなどを指導して「師匠」と呼ばれていました。


 ベーマガこと『マイコンBASICマガジン』。私を、いや我々をこの世界に引き込んだ元凶と言ってもいいでしょう。本当にありがとうございました。

IchigoJam第2回
↑最初は戸惑いぎみだったはんだ付けも、抵抗を2〜3本つけるうちに慣れてしまうようです。説明書を見ながらどんどん作業を進めていました。
IchigoJam第2回
↑会場にはお茶やお菓子が用意されていて食べ放題。ビールやワインまである……このへんは女子会っぽいかも。
IchigoJam第2回
↑こちらはマイはんだごてを取り出して、女子のみなさんのはんだ付けをチェックする、DMM.make テックスタッフの鈴木亮大さん。失敗したところはそっと直してくれたりします。
IchigoJam第2回
↑お互いのできを比べあったり、わからないところは聞きあったり……。ほとんどの方が初対面とのことでしたが、すぐに打ち解けていたようです。やっぱりみんなで同じものを作るっていうのは仲間としての絆ができるものなんですかね? それともこれぞIchigoJamのチカラなのか?
IchigoJam第2回
↑イベント主催者であるjig.jpの福野泰介さん。IchigoJamの開発者でもあります。常にGoogle Glassを装着して生活されているようです。


 福野さんに少しお話しをお伺いしてみました。

――なぜ女性のみのIchigoJamイベントを企画されたのでしょう?

福野 これまでも何度かイベントを開いていますが、主な参加者はお子さんでした。IchigoJamは“こどもパソコン”を名乗ってますが、お母さんにもいっしょに使ってほしいという思いを込めて、女性のみのイベントを企画しました。

――はんだごてを握るのは初めて、という方も多いようですが。

福野 お子さんの組み立てイベントだと、最初から最後までつきっきりでないと完成させられない子も多いのですが、さすが大人というか今回はみなさんさくさく進めていらっしゃいます。ときどきチェックするだけで、完成されているようです。

――今後もこういったイベントを開催されていくのでしょうか?

福野 次は、ハッカソンと言って、IchigoJamでプログラムを開発して楽しむような女子会も開きたいですね。

 なるほど。子供向けのパソコンにお母さん、というか家族を引き込むというのはいい戦略かもしれません。これまでのイベントでは、子供のほか、お父さんや70歳くらいの年輩の方などもいらっしゃったとか。おじいさんと孫が趣味のプログラミングを楽しむ……なかなか微笑ましい光景です。我々が子供のころはプログラミングができるおじいさんなんていなかったもんなぁ。

 さて、こうした自分で組み立てる際の利点としてカスタマイズができるということがあります。

IchigoJam第2回
↑今回のイベントでは、いろんな色のスイッチを用意して自分で選べるようになっていました。


 そしてだいたい1時間半ほどでみんな完成。“IchigoJamたいけんセット”として用意されていた、ミニキーボードとミニテレビを接続して電源オン。無事起動したのをみて歓声があがります。完成で歓声です。

IchigoJam第2回
↑やっぱり、自分ではんだ付けした“パソコン”が動いているところは写真に撮っておきたいですよね。


 カスタマイズできるのはスイッチだけではありません。というかこちらが目玉と言ってもいいかもしれません、イベント名にもあるように“LED”をデコって装着できるのです。

IchigoJam第2回
↑いろんな色のLEDのほか、レジンで星形を作ったり、ラメを混ぜ込んだりと、思い思いのLEDを作れるようになっていました。おお、なんか女子っぽい。
IchigoJam第2回
↑そして、これが自分の名前を作って光らせたところ。もちろん、IchigoJamからコマンドを打ち込んで光らせています。その場で作ったとは思えない出来!


 これ、LEDを選んでアルファベットの型にレジンを流し込んでUVライトを当てて固めて配線してってのを全部自分でやっています。もちろんIchigoJam本体も自分ではんだ付け、こういう手作りってめっちゃ楽しそう。

IchigoJam第2回
↑最後に全員で記念撮影。前列は左から、今回のイベントにIchigoJamプリント基板キットを提供していただいたという秋月電子の辻本信昭社長、大橋太郎さん、福野泰介さん。後列右端は秋葉原にあるはんだ付けスペース『アセンブラージュ』の槙野汐莉さん、LEDデココーナー協力での参加でした。


 参加者のみんさんも、今回のイベントを楽しんだ様子。IchigoJamのようなむき出しの基板がいっぱいのイベントで「かわいー」などきゃぁきゃぁ言う声が聞こえるとは思いませんでした。政府などが優秀なプログラマーを集めるのも素晴らしい事業ですが、こうして地道にプログラミングの輪を広げていくのもすてきなことだと思いました。
 というわけで、なんか違う気がしなくもないですが「女子会」は存在します!

●関連サイト
こどもパソコン IchigoJam
PCN プログラミング クラブ ネットワーク
DMM.make AKIBA
秋月電子通商
Assemblage(アセンブラージュ)
 

 なお、自分で組み立てるIchigoJam組み立てキットは1500円。アスキーストアでも買えますよ。興味を持たれたらぜひ!

BASICでプログラミング! こどもパソコン IchigoJamをアスキーストアで購入
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