■The making of SMART DOLL~PART 6~
みらいちゃんのソフビパーツができあがりましたが、実はまだ完成ではありません。
金型から初めて引き抜いたソフビパーツは“テストショット”と呼ばれ、試験的につくったパーツ。これで金型に問題がないかどうかを確認し、同時に型の内側に付いた異物を取り除きます。また、油の中に金型を浸ける時間でパーツの厚さが決まるので、その時間が最適だったかどうかもチェックしていきます。
テストショットパーツのいろいろ。気泡があったり汚れていたりしているため、製品には使えません。 |
テストショットは結構良いデキでしたが、いくつかのパーツに気泡が入ってしまったので、金型に付いている、遠心分離機にセットするための輪の角度を調整しました。そのほか、表面の出来具合などは、オフィスに持ち帰って虫眼鏡でチェックします。パーツの周囲に付いている“バリ”と呼ばれる不要部分をカットする必要もあるのですが、そのあたりのお話は、次回に。
ところで、みなさんはドールを手にしたとき、どこに注目しますか?
僕にとってドールの最重要部分は、“顔”。そして同じぐらい大事なのが、しっかりとした可動性を備えたセクシーな“ボディーライン”です。
みらいちゃんはアクションフィギュア並みにポージングできます! |
スマートドールをデザインしているときにいちばん悩んだのは、“可動性”と“ルックス”のバランスでした。ソフト『ZBrush』等で作成したデータを3Dプリンターで出力しては確認するという作業を繰り返しましたが、外見はよくても可動性が損なわれてしまったりと、試行錯誤の連続です。両者のバランスが良くなるよう少しずつ改良を重ね、たとえば、ビキニ姿でも映えるよう、胸部は胴体との分割線がビキニで隠れるようにしました。
今までに無い湯口の付け方によって、胸パーツの分割線は胸の裏と下にあります。キレイなボディーラインの演出ができました。 |
ちなみに、スマートドールは“ファッションドール”というコンセプトでデザインしたので、プロポーションは一般的なドールとは異なります。足が長くて腰周りも大きく、バストはSサイズでもやや大きめだったり、とか。
そして手には長寿、健康と運が高い手相を作ったので、そこもぜひ見てください!(^o^)
手相もしっかり入れました! |
完成に近づいてきたみらいちゃんです。次回は重要な“バリ”取りのおしごとについて、お話したいと思います。
Next→ドールの“外皮”のバリ切りはNinja(忍者)の如く
■関連サイト
smartdoll.jp
Smart Doll by Danny (@MiraiRobotics) | Twitter
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります