freetelブランドを展開するプラスワン・マーケティングが3月26日に開催した発表会では、音声通話の料金を引き下げる新サービスが中心となり、Windows Phoneにはあまり触れることなく終わりました。
しかし本体価格は“2万円台”になるなど、いくつか新しい情報も出てきています。freetelのWindows Phone 8.1がどのようなものになるのか、あらためて検討してみたいと思います。
■価格は2万円台、ODMはまだ未定?
説明会に登壇したプラスワン・マーケティングCEOの増田氏は、MWC2015への出展について、「300を超えるメディアの方にお越しいただいた。思っていた以上に、“メイドインジャパン”が海外の注目を集めることを実感した」と振り返っています。
↑MWC2015の反響について語るプラスワン・マーケティング 代表取締役社長の増田薫氏。 |
Windows Phoneについても、増田氏は「日本では最近4年間、Windows Phoneは発売されていない。しかしWindows OSの使い勝手は非常によくなっている。今こそコンシューマー、ならびに法人市場に向けて、出していきたい」と意気込みを語りました。
ただし、Windows Phoneについての説明はそれ以上あまりなく、「いろいろな情報を期待されていた方も多いかと思うが、もっともっとおもしろいことを考えている。タイミングを見計らってしっかりと発表するので、期待してほしい」との言及にとどめています。
↑Windows Phoneへの言及は、MWC時点で発表した内容にとどまった。改めて発表会を行うとしている。 |
一方、会場にはMWCのブースに並んだものと同じWindows Phone端末が展示されており、日本国内での販売価格について、担当者は「2万円台」とコメントしました。
↑MWCブースで展示した端末を国内で初披露した。価格は2万円台との新情報も。 |
現在のfreetelの端末ラインアップでは、5インチ・HDのAndroid端末『freetel XM』が2万4980円(税抜き)、SIMカードとのセットで1万9980円(税抜き)で販売されていることから、同等の価格になることが期待されます。また、これは同時期に端末を投入するとみられるマウスコンピューターへの牽制にもなりそうです。
展示機に入っていたODM企業の名前については、「最終的には変更する可能性があり、非公開である」(担当者)と、ステータスは変わっていませんでした。
■Windows 10にアップグレードできるのか?
最も気になるWindows 10へのアップグレード可否については、依然として“検討中”としています。問題があるとすれば、ストレージではないでしょうか。
一般に、ストレージが4GBしかないWindows Phone端末では、アップグレードの際にmicroSDカードが必要とされています。一方、freetel端末のように8GB以上を搭載していれば問題ないように思えるものの、そうでもないというのが厄介なところです。
たとえばWindows 10 Technical Previewでは、Lumia 930や1520といったハイエンドのLumiaは現時点で非対応となっています。その理由として、ストレージ内のOSパーティションの切り方に問題があるためと、マイクロソフトは説明しており、その対策として、ストレージ内の空き領域をうまく結合する仕組みが提供されるようです。
アップグレードについて増田氏は、「マイクロソフトと話をしながら、スムーズにアップデートができるような形に調整していきたい」としていることから、microSDを使わずアップグレードできることが期待されます。
少なくとも今後のWindows Phoneは、Windows 10へのアップグレードを想定したパーティション構造で出荷すべきといえるでしょう。そして万が一、freetel端末の完成後に仕様が変わり、アップグレードにmicroSDが必要になったとしても、背面カバー内に搭載するというmicroSDスロットを利用すれば回避できそうです。
■独自サービスなどに課題か
さて。今回の発表会の中心となった“電話料半額”サービスは、AndroidとiPhone向けに専用アプリを提供。フィーチャーフォンについては電話番号の前に特定の番号を付与するプレフィックス方式を用いています。
↑すべての携帯電話に対応するという低料金の音声通話サービス。『楽天でんわ』などと同様の仕組みとみられる。 |
↑「Windows Phoneアプリも作りたいが、協議が必要」とプラスワン・マーケティング 取締役の大仲泰弘氏。 |
仕組み的には、Windows Phoneにおいてもプレフィックスを手動で付与することで利用できそうです。では、専用アプリはどうでしょうか?
その質問に、取締役の大仲泰弘氏は「Windows Phoneアプリは作りたいが、マイクロソフトとの協議が必要」と答えています。音声通話の発信機能を用いるアプリをWindows Phoneで実現できるのか、そもそも最初からWindows 10向けに作るべきか、といった課題があるように感じられます。
かつてIS12Tでは、独自サービスへの対応が困難で、対応したとしてもアプリの品質が低い、といった問題がありました。Windows 10では、マイクロソフトのさらなる協力に期待したいところです。
■関連サイト
プラスワン・マーケティング(freetel)
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