全世界のミリタリーファンの注目を集めているPC用艦隊ストラテジーゲーム『World of Warships』(以下WoWs)が、現在クローズドβテスト中。本作はオンラインタンクバトル『World of Tanks』(以下WoT)の開発・運営を行なうWargaming.netの最新作で、WoT同様に軍艦のさまざまなデータや研究結果を元に開発を行なっている作品だ。
今回は週刊アスキー連載『週刊戦車魂』の担当、WoTを愛するライター・佐藤ポンがWoWsをレポート。軍艦のことは『艦これ』程度の知識しかもたない筆者だが、WoTとの違いなどを含めてお届けする。
■まだβテスト段階なのに、すでに日米ソ55種類の軍艦が登場
βテストに登場する国家は日本とアメリカ、ソ連で、艦種は“駆逐艦”と“巡洋艦”、“戦艦”、“空母”の4タイプ。現段階での空母はアメリカしか登場しないが、今後実装される予定と発表されている。「赤城は? 加賀はどこなの?」と心配するユーザーも、安心して待っていてほしい。
WoWsの軍艦は“Tier”という格付けで分類されている。Tierは全部で10段階あり、数値が大きくなるほど強力だ。日本軍を選んだ場合、初めはTier1の巡洋艦『香取』しか選べないが、対戦を繰り返して新しい軍艦を購入していくと、最終的にはTier10の戦艦『大和』や駆逐艦『島風』を操作できるようになるというわけだ。次にどの軍艦を購入するかはゲーム内の“技術ツリー”を参照すればいい。
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日本ツリーの場合、Tier2で巡洋艦と駆逐艦を選択可能になり、さらにTier3で戦艦も選べるようになる。この“Tier”の数値はゲームのマッチングに影響されている。あまりにもかけ離れた軍艦とは対戦できない仕組みなので、香取で大和と戦わなければならない……なんてコトはない。このシステムはWoTとまったく同じだ。
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■WoTと似ているゲームシステム
自分の軍艦を選んだら、対人戦の“ランダム戦”かCPUを相手に戦う“Co-op戦”に出撃するのだが、βテストのランダム戦は最大12対12で、Co-op戦は8対8の艦隊戦を楽しめる。
どちらもプレイ内容に変わりはないが、ランダム戦のほうが経験値が多くもらえるので、βテストでさっさと新しい軍艦を購入したい人はランダム戦を選んだほうが吉。自分の軍艦とゲームモードを選んだら“戦闘開始”ボタンをクリックして、いざ出撃。
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【ライター・佐藤ポンがWoWsをプレイ!】
試合のルールはシンプル。敵陣地や中立地帯を一定時間占領するか、敵の軍艦をすべて撃沈させれば勝利となる。制限時間の20分で決着が付かない場合はドロー。マップは何種類も用意されているが、ほとんどは大小の島や流氷が点在していて、それらを挟んで敵と味方が陣地を構えている。味方と艦隊を組みながら前進し、敵艦隊と戦っていく流れだ。ここまではWoTプレイヤーには説明不要なほど似ているが、ここからが大きく異なる。
■船の仕組みを知ろう! 軍艦の操作と攻撃は難しい
WoTは地上を走る戦車のため、プレイヤーの思い通りに操縦できる。アクセルを踏めば前進し、ハンドルを切ればその方向に曲がる。しかしWoWsは海上を進む船。加速も減速もゆっくりで、舵をきってもなかなか曲がってくれない。実にモッサリとしている。
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おまけに移動中の船は慣性が働いており、急に曲がろうとしても船尾が流れて、いわゆるドリフト状態になってしまう。「ココで曲がりたい」と思ったときは時すでに遅し。事前に舵をきっておかないと島に激突して後退しかできなくなる。
WoWsでの操縦は、船が進む原理を多少は理解しておいたほうが有利だと思う。ちなみに、島や味方の船に激突してもダメージは受けないが、敵の船にぶつかった場合は双方ともにダメージを受けるので注意。
さらにもうひとつ、WoTと大きく異なるのは攻撃方法。WoWsの主な攻撃手段は“主砲”なのだが、WoTに比べて射程がとにかく長い。ものすごく長い。駆逐艦『海風』の射程は6.7キロで、戦艦『金剛』は20キロを超える。これだけ遠く離れた距離から弾を発射するのだから、当然着弾までに時間がかかる。
10キロ程度で着弾まで5秒以上かかるので、標的の動きを読んで攻撃しなければ命中しない。WoTでも弾速の遅い榴弾など撃つときに有効なテクニックだったが、WoWsではそれ以上に重要。むやみにバンバン撃つだけだと、よっぽど近接していない限りは命中しないと思ったほうがいいだろう。
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主砲以上に難しいのが、駆逐艦や巡洋艦が装備する“魚雷”だ。魚雷は数発で戦艦を沈めてしまうほど強力な武器だが、海中を進むスピードがとても遅いので命中率が悪い。仮に命中しそうになっても、狙われた相手は魚雷が近づくと警告音が鳴るため、回避行動をとられて避けられてしまうことが多々ある。
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命中させるためには敵に回避させない方向から狙ったり、味方と協力して逃さない陣形で攻める戦略が大事。このように、WoWsはWoT以上に味方との連携プレイが勝利のカギとなりそうなゲームだ。
■軍艦のカスタマイズと艦長スキルでパワーアップできる
ほとんどの軍艦は“モジュール”を開発して強化できる。モジュールは“主砲”や“火器管制装置”、“主機”などがあり、WoTで言うところの“砲塔”や“エンジン”、“履帯”といったパーツのこと。WoWsの主砲を強化させると発射速度や攻撃力がアップし、火器管制装置を強化させると射程が長くなる。
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基本的に駆逐艦と巡洋艦、戦艦のモジュールは上位のモノを搭載すればオーケーなのだが、空母だけは事情が異なる。空母はモジュール“航空管制”の種類によって艦載機のタイプが変わるので、自分が得意なモジュールを選ぶべき。
例えばTier5のインディペンデンス級軽空母の場合、初期状態では「戦闘機、雷撃機、爆撃機」の3タイプを搭載できるが、最上級のモジュールをつけると「戦闘機、雷撃機、雷撃機」に変わってしまう。どうしても爆撃機を扱いたいプレイヤーは注意が必要だ。
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また、もうひとつ軍艦を強化させる要素として“艦長スキル”が用意されている。これは同じ軍艦に同じ艦長を乗せて何度も出撃を繰り返していると、艦長のレベルが上がって一定の経験値を貯めるとスキルを習得可能になる。
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艦長スキルは照準時間の短縮や視界範囲の拡大など、戦闘を有利にするものばかり。WoTの“搭乗員スキル”と同じように、スキルの有無で軍艦の性能が大きく変わるため、スキルを選ぶときは自分のプレイスタイルに合ったスキルをじっくり選んだほうがよさそうだ。
■4種類の軍艦の戦い方と主な役割は?
それぞれの艦種の特徴や役割を紹介する。WoTの戦車タイプと同じように、それぞれのタイプで戦場の役割りや攻撃方法が大きく変わる。これからβテストを始めるユーザーは、ぜひ参考にしてほしい。
■【巡洋艦】■
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攻撃力も機動力もそこそこの軍艦。よく言えば「オールラウンダー」で、悪く言えば「どっちつかずの何でも屋」。WoTで言うところの中戦車。主な武器は“主砲”だが、中盤以降は“魚雷”を装備。中途半端な性能だが、索敵から攻撃まで何でもできるのでWoWsの操作に慣れるには最適。大口径の主砲はもたないが、AP(徹甲弾)を命中させれば無視できないダメージを出せる。ただし自艦の耐久度は低いので、オトリになる行為は避けたい。
■【駆逐艦】■
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超高速で海上を走り回る快速艦。おまけに船体のサイズが小さく旋回性能も高い。WoTの軽戦車のような存在。駆逐艦は“煙幕”を装備しているため、敵に見つかった場合に発動させると周囲に煙幕を張って自身と周囲の味方を目視できない状態にできる。ただし煙幕自体は遠方から見られてしまうため、見つかっていないときに無闇に出すと駆逐艦のおおよその位置がバレるので注意。
WoTの軽戦車と大きく異なるのは攻撃手段。軽戦車の主な仕事は索敵だけだったが、WoWsの駆逐艦はリーサルウェポン“魚雷”を装備している。魚雷は瞬間火力がとても高く、命中させれば1発で大ダメージを与えられる。優れた機動力を活かし、敵の戦艦や空母の懐に飛び込んで魚雷を当てると数発で沈められるため、“戦艦キラー”とも呼ばれる。
■【戦艦】■
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攻撃に特化した軍艦。大口径の主砲は射程・威力ともにゲーム内で最高。機動力がないが耐久力が高いため、少しの被弾では沈まない。敵の射程外から砲弾の雨を降らせるのが主な攻撃方法なので、予測射撃ができないと活躍しにくい。また、戦艦は艦載機を搭載しており、発艦させている間は多少離れた敵も発見できる。ただし艦載機はリロードが長いため、どのタイミングで出すかが難しい。
戦艦にはプレイヤーが操作する主砲の他に、自動で発射する“副砲”を使った攻撃も効果的。副砲は射程内の敵に自動的に攻撃するので、あえて敵艦に接近し、主砲で倒しきれなかった相手をジリジリと削るイヤらしい攻撃方法もできる。ただし相手が魚雷を装備している軍艦の場合はむやみに接近しないように気をつけよう。
■【空母】■
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βテストではアメリカにしか配備されない空母は、他の艦種と操作方法がまったく違う。基本的な操作は俯瞰視点で行ない、まるでリアルタイムストラテジーゲームのような感覚。空母の移動だけでなく、移動速度の速い艦載機の操作も行なわなければならないため、プレイヤー自身がマップ全体を見回す広い視界が必須。WoTに例えるならば、自走砲の仕事をもっともっと忙しくしたようなところ。
艦載機の種類は“戦闘機”と“雷撃機”、“爆撃機”の3つ。戦闘機は索敵と敵の航空機の撃墜、雷撃機は魚雷の発射、爆撃機は爆弾の投下。敵の軍艦に攻撃を仕掛けるのは雷撃機と爆撃機なのだが、このふたつは特徴が大きく異なる。
魚雷は威力は高いが命中度が低く、爆撃機は攻撃を仕掛ける角度が重要なので、状況に応じて目標を変更すべき。また、魚雷と爆弾を落とした航空機はいちど空母に戻って整備をしなければならないため、連続して攻撃できないのが欠点。
さらに序盤の空母の艦載機は3編隊なので操作は容易だが、高Tierの空母は編隊の数が増えてくるため、マップのどの位置にどの編隊が飛行しているのか把握しなければならず忙しくなる。しかし高Tierの空母が登場する対戦では、空母の活躍如何によって勝敗が決まるため、活躍次第ではチームメイトから大絶賛を受けること間違いなし。
■プレミアム艦の重雷装巡洋艦『北上』がハイパーすごい!
WoWsのリリース後は課金システムが実装され、“ピアストル”を入手できるようになる。ピアストルはWoTのゴールドと同じで、軍艦の所持スロットの拡張やプレミアム艦の購入に使われる。今回はWargaming Japanのご好意でピアストルを頂いたので、Tier8プレミアム艦の巡洋艦『北上』を使ってみた。そう、『艦これ』プレイヤーにはお馴染みの“ハイパーズ”こと北上さまだ。
艦種タイプは巡洋艦に分類される『北上』だが、兵装がおかしい。なんと4連装魚雷発射管が左右5基ずつ、合計10基も搭載されているハイパーな仕様。片側の魚雷を全弾撃つと、ズババババーンと20発の魚雷が敵に向かって進んでいく。
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水面が魚雷の航跡で埋め尽くされほどなので、狙われた相手は回避しようにも逃げられない。複数の戦艦に魚雷が命中する光景は圧巻。しかし、これだけいちどに魚雷をたくさん撃てる北上だが、弱点もある。魚雷のリロードがとても長く、再装填までに2分以上もかかってしまう。さらに艦の耐久度も低いため、戦艦を攻撃しようと接近すると反撃を受けて撃沈してしまうことも。
他の艦では味わえない利点と欠点をもつ『北上』は、使っていてとにかく楽しい。正式サービス開始後に、間違いなく人気が出るプレミアム艦だ。
■関連サイト
・World of Warshipsプロモーションサイト2.0
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