※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーと愉快な仲間たちが地下の倉庫の隣の部屋から繰り広げる、魅惑のチキルーム。
事の発端はACCN局長による「一度くらい女装してみたほうがいいかなぁ。ねぇねぇ可愛くなると思う?」というつぶやきでした。あんなガジェット通が、こんなこと言うのかと思いつつ聞こえないフリをしていると、リスキー林局員がすかさず食いついてきちゃいました。「ぜひ行きましょう!」……。
↑オーバー40(注:局長は永遠のハタチです)のオトナ♂たちが、ドキドキの初体験。 |
林さんは世間的には写真も撮れちゃうテクニカルライターみたいな認識ですが、実際は撮影のたび新作の基礎化粧品を勧めてくる乙女おじさんです。バレンタインには期間限定のチョコレートを眺め、クネクネしているような方なのです。とはいえ心まで女性になりきっているわけではなく、彼の中にあるのは、ただただ可愛いものへの探求心。
思えば2014年は「女装子(じょそこ)」が流行語大賞にノミネートしましたし、男性の“可愛い”への欲求は高まっているのかもしれません。私の周囲にも、ここ数年で女装を楽しむ「男の娘(おとこのこ)」の知人がずいぶん増えました。
しかし、男性に施すメイクって女性と同じなのでしょうか。大きなサイズのハイヒールは、どこで調達するのでしょう? そして、ひとりで女装してみたのち訪れるかもしれない賢者タイムをどう過ごせば……。
知人の男の娘に電話をかけてみると、新宿二丁目に「女の子クラブ」という、手ぶらで女装体験ができるバーがあるのだそう。浮足立つ女装童貞クンたちを引き連れ、夜の新宿二丁目へと向かいました。
↑新しい自分を発見したい局長ACCN。ワンピースの前後を迷っています。 |
↑乙女な林さん。迷わずロリータ服をチョイスしました。 |
↑どういう経緯か存じませんが、道連れにされた週アスPLUSのプロデューサー・ありのP。いきなりチュニックを着させられ曖昧な笑顔……。 |
店内はカウンターとソファーで30席ほどあり、更衣室とメイクスペースを完備。プリクラも設置されています。口紅が落ちないように、ストローでドリンクを飲みながら男の娘たちが交流しているんです。服もメイク道具も自前のベテランさんや、女装してみたくてひとりで飛び込んできた初心者さんのなかに、男の娘好きの女性や男性までもが入り交じり、とても和気あいあいとした雰囲気。鬼のように緊張している女装童貞たちが浮きまくりです。
一番興味津々だった局長が尻込みし、状況が把握できていないありのPから体験することに。林さんはいつの間にか、ほかの男の娘と基礎化粧品の話で盛り上がっていました。
服は店内に用意されたモノから、自由に選べます。悩んで決められなかったありのP、お腹周りがカバーできるチュニックと、ウエストがゴムになっている水玉のスカートを選んでもらっていました。
↑メイクが崩れないよう先に着替えるため、最初にちょっぴり気恥ずかしい時間を過ごします。 |
↑林さんのように理想の女の子像をもっている人は、自分で選びます。 |
「女になれる気がしない」というありのPからメイク開始。女装メイクに特化した男の娘店員さんたちがアドバイスを交えつつ、各人に合わせて進めてくれます。この日、担当してくだったのは、いままで500人以上(!)の女装メイクを手がけてきた店長のくりこさん。
自分で洗顔とヒゲ剃りをしたあと、ベースメイクが始まるのですが、おもむろに真っ赤な口紅を口の周りに塗りたくられています。イジメかっ! いえ、実はコレ“ヒゲ消し”と呼ばれる女装の常識だそうで。なるほど、その上から肌色のファウンデーションを重ねると、おやまあレタッチしたような美しい肌になったではありませんかっ!
↑メイク中、なぜだか息を止めてしまったそう。 |
↑予想外な“ヒゲ消し”法にビビるありのP。 |
↑ファウンデーションを重ねたあと。心なしか、すでに女の表情になっています……。 |
↑ワンピースを着たまま不安そうに変わりゆくありのPを眺める局長と、無駄にカメラ目線の林さん。 |
ここからありのPの快進撃が始まりました。最後にウィッグをかぶると、ありのPはとっても可愛かった……。目を見開き、鏡を数秒見つめたあと、ひと言「母ちゃんにめっちゃ似てる!!!」。
↑アイシャドウを塗り、つけまつげを装着。 |
↑眉毛と涙袋を描きます。 |
↑チークを乗せ、口紅を塗る……。 |
↑そして最後にウィッグ。くりこさんが希望に沿って選んでくれます。 |
↑妹さんにも似ていたそう。 |
ありのPのセンセーショナルな感想を熱心にメモりましたが、くりこさんによると、たいてい親族の女性に似るものらしく、初めて女装した人から最もよく聞く感想なのだとか。そのあとも局長が「叔母に似ている」と驚いていたので、林さんにも誰と似ているかと尋ねたところ「俺が一番可愛いな」との返答でした……。
↑緊張しまくりのACCN局長。初めてのメイクってこそばゆくってギュッてなる感じ、わかります。 |
↑局長は予想通り、キレイめなお姉さんに。 |
↑ACCN局長がお姉さんになるまでにかかった時間は約30分。男性メイク時間にしては短いほうで、平均45分ほどかかるそうです。重要なのはベースメイクで、約半分ほどの時間がかけられています。
↑そして林さん。不思議とメイク姿に違和感がありません。 |
↑想像通り、サークルクラッシャーっぽい少女に。 |
では、そろって記念撮影とまいりましょうか。
↑いつの間にセンターは林さんが奪いました。 |
↑プリクラでもキャッキャしているように見え、ちゃっかりセンターを……。 |
↑小銭を拾う姿も女の子のような林さん。あざとさが感じられますな。 |
ひとしきり女装を堪能して冷静になると、美脚ゆえにハイヒールを履かされていた局長が音を上げました。とにかく「足が痛い」と。それから、つけまつげの重さや長い髪がまとわりついてくることへの弱音、へこたれがほかの2人からも続々と……。
そんな3人を見つめながら、くりこさん「女装をすることにデメリットはない」と言い放ちました。「だって、女の子の大変さがわかったでしょ?」と長い髪を揺らして笑います。「男の子モードのとき、女の子の気持ちがわかったらモテますよ」とも。
最近では会社の飲み会で利用する団体客もいるそうで、女装も遊びとして成立、ハードルが下がってきたのを感じます。撮影したプリクラを楽しげに覗き込んでいる3人を見て、やはり“可愛い”への探究心なのかな、と思いました。家族がいたり、会社で重要なポストに就いていたりしても、週末は布の多い服を着て可愛くなりたい……女性への憧れというより、自分自身がひたすら可愛くなることで、2つのモードを楽しんでいるような気がしました。
↑プリクラは新しめの筐体で、いろいろ写真のアレンジも可能。 |
いじょ。帰りに立ち寄った居酒屋で(結構みんなヘトヘトに疲れた)、いつものジーンズを履いた3人とあれこれ感想を言い合っていると、熟れた男性店員が私たちに名刺を差し出してきたのです。そして、その名刺には彼の女装姿が……。
●関連サイト
女の子クラブ 新宿本店
http://girls-club.jp/
住所 東京都新宿区新宿2丁目13番16号 SENSYOビル4F
営業時間 19:00〜翌5:00
【押しつけオマケギャラリー】
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります