■The making of SMART DOLL~PART 3~
ロウ型製作話に続き、今回はみらいちゃんを量産するための金型(かながた)づくりのお話です。
最初につくるシリコン型は割と簡単。まずは、小さな容器に原型を入れ、そこに型取り用シリコンを流し込みます。シリコンは約8時間で硬化するので、固まったらカッターで真ん中から真っぷたつにカットし、中から原型を取り出して、できあがり!
シリコン型ができました! これを使って、次は“ロウ型”製作へ入ります。 |
■シリコン型で、ロウ素材のみらいちゃんをつくる!
次は完成したシリコン型の中にロウを流し込んで、“ロウ型”と呼ばれる複製品をつくります。
シリコン型はロウを流し込むと劣化するため、5個くらいの使用が限界。ここはなるべく1回ですませたいところです。
では、早速ロウを流し込みましょう。真っぷたつになったシリコン型を、元の状態になるようヒモでしっかり縛り、溶かしたロウをいっぱいになるまで流し込みます。約1時間ほどでロウが固まったらヒモをほどき、中身を取り出して……
シリコン型からロウ型を取り出したところ。表面はザラザラでボコボコ! |
どうやらうまくいったみたい!
表面に3Dプリンター特有のシマ模様があったりするので、マイクロファイバークロスでていねいに磨いて滑らかにします。ロウ型の表面がそのまま製品の表面になるので、傷つけないように最新の注意を払います。でないと、その傷が製品版にしっかり再現されてしまうからです。
こうして全パーツが湯口付きのロウ型に置き換わったら、いよいよ準備段階。金型づくりの準備に入ります。
左端の茶色いのは原型で、黒いのが原型を複製したロウ型。磨いたのでツルツルに! |
金型というと金属の塊を彫ってつくるイメージですが、ソフビの場合はロウ型に厚くメッキをし、そのメッキ自体が金型になります。この手法は“電鋳(でんちゅう)”と呼ばれ、電気を使って金属をロウ型の表面に付着させていくそうです。
まず、ロウ型の湯口のところに、電気を流すための銅線を巻き、さらに表面に電気が通るよう、湯口以外の部分に導電性の黒鉛スプレーして乾燥させます。これを銅のメッキ液に浸すと銅がロウ型の表面に付着し始めるので、あとは一定の厚さになるのを待てば、金型の完成です!
次回はいよいよ、金型に原料を流し込みます!
米国最大のイベント『アニメEXPO 2014』期間中、ロサンゼルスのコインランドリーでお手伝いするみらいちゃん! |
■関連サイト
smartdoll.jp
Smart Doll by Danny (@MiraiRobotics) | Twitter
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