■The making of SMART DOLL~PART 1~
マスコットキャラ“末永みらい”のドールをつくりたい、と思いはじめたのは、2010年あたりのこと。
すぐに原型をつくってくれる人を探しはじめたのですが、60センチドールの原型師が極端に少なく、見つかっても作業が1年がかりになるなど、難航していました。そのまま何もできず2年が過ぎようとしていたころ、世の中で3Dプリンターの記事やニュースが出回りはじめたのです。
その昔、3Dの勉強をした経験があるボクは、この3Dプリンターに親近感を覚え、そして、ひらめきました。
“自分で3D原型をつくればいいんだ!” と。
↑オートマチック版スマートドールのパーツを求めて、秋葉原を探索中のみらいちゃん。 |
■3Dプリンターの時代ですべてが変わった!
早速、さまざまな3Dソフトを使って、ドールの体パーツである“外皮”の造形を始めました。外皮のなかに入る骨格のデザインを含むと、作業にかかった時間はおおよそ6週間。デザインは、できる限りセクシーな体つきになるよう心がけました。
次に、完成したデザインを3Dプリント出力サービスに送ります。数日後に届いたパーツを組み立て、そこで初めて物理的なみらいちゃんを見たのです。
↑3D出力サービスから届いたパーツ。余分なバリを取って表面をなめらかに加工し、組み立てます。 |
とはいえ、ここで問題が。
見た目は完璧!……なのですが、外見を重視しすぎた結果、残念ながら可動性が損なわれていました。そこからは、“見た目のセクシーさ”と“可動領域の広さ”、両者のバランスがよくなるよう、少しずつ改良の繰り返しです。
外注先への出力依頼は、腕くらいのパーツで約3万円。改良するたびに3D出力していては、とてもお金がかかる! そこでボクも3Dプリンターを1台導入することにしました。機種はフォーム・ラボの『Form 1』。価格は当時でおよそ3000ドル(約30万円)でした。
↑初期費用は高いが、ランニングコストは結構安い『Form 1』。光造形で硬化するため、家庭用でも精度の高いモデルが出力可能。 |
これがあえれば、かかるお金はレジン代の500円~1000円程度。おかげで、製造時間とコストの両方を圧縮できたのです。
買ってよかった! その後、数回改良を重ね、無事、外皮デザインが終了したのです。
さて。次回は、原型製作時の注意点について、お話したいと思います。
↑2002年ごろ、『3D STUDIO MAX』でつくった作品。ゲーム『グラディウス』のビックバイパーのつもりでした(><) |
Next→3Dプリンターでソフビの原型をつくる際の注意点って?
■関連サイト
smartdoll.jp
Smart Doll by Danny (@MiraiRobotics) | Twitter
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