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健康こそが世界に誇るブランド ヘルスケア産業が“課題先進国”日本を救う

2015年03月03日 14時00分更新

 日本は課題先進国。少子高齢化により、医療費、介護費は高騰する。そんな中、日本で伸びる産業はどこか、そのひとつは「健康」だと、ダイエット支援サービスなどを運営するベンチャー企業FiNCの溝口勇児代表取締役は言う。健康寿命が延びれば、医療費、介護費も削減でき、少なくなる労働人口の負担も減る。少子高齢化が世界に先駆けて進行している日本から、成長したヘルスケア産業自体で世界に打って出ようとしている。

 FiNCとフィットネスオンラインを運営するクラブビジネスジャパンは、スマホ向けキュレーションアプリ『WellnessPost(ウェルネスポスト)』リリース記念イベント“ヘルスケア産業の未来 ~日本の課題とイノベーション~”を2015年3月2日に開催した。ヘルスケア、フィットネス業界の活性化支援のためのイベントで、300名の定員がわずか3日で埋まるなど、業界の注目度の高さがうかがえる。

ヘルスケア産業の未来
左からクラブビジネスジャパン古屋武範代表取締役、FiNCの溝口勇児代表取締役、カーブスジャパンの増本岳代表取締役会長兼CEO、Noom Japanの宜保陽子代表。

 パネルディスカッション“日本のヘルスケアの現状と課題”では、FiNCの溝口勇児氏、女性向けフィットネス施設を運営するカーブスジャパンの増本岳代表取締役会長兼CEO、世界1200万ダウンロードのレコーディングダイエットアプリ『Noomコーチ』の日本法人Noom Japanの宜保陽子代表が登壇した。

 FiNCの溝口氏は「世界では日本の健康はすごいブランド。日本の食べ物はたとえラーメンでも健康になると思われているほど安心安全と思われている。健康を世界に発信していきたい」としならがも、ヘルスケアの領域では遅れを指摘。通信機器分野などは世界との差は少ないが、ヘルスケア業界に集まるヒトモノカネは大きな差がある。そこを解決できればという。

ヘルスケア産業の未来

「国民が予防に取り組まないといけないのは当たり前のことだが、こうする“べき”ではビジネスにはできない、お客様不在だ」とカーブスの増本氏はいう。カーブスは全国1534店舗67万の会員をもつフィットネスジム。それも女性中心で、50、60代が多数を占める。

「週1度でも運動していれば、健康エリート。高齢者はまともな運動をしている人はいない。ウォーキングでは健康改善には務まらない」と説明する。同社が成長を続けるのは、運動の習慣化、継続の担保に“周りの人がやっている”という口コミがキーとなっているからだ。例えば隣の人が化粧ののりがよくなったからと連れてきてもらうというような、実質的に9割が紹介でなりたっているという。

ヘルスケア産業の未来

「アプリ完結、スマホ完結のサービスは少なくなってきている。リアルの場はすごく重要と思っている。継続は人と人とのつながりから。手間やコストを下げ、ユーザーごとに個別化したサービス、努力にインセンティブを持たせる。スマートフォンを使えば、さらに簡略化できる。アプリでユーザーのコストを削っていくことが重要」と、FiNCの溝口氏は継続について説いた。

 一方で真逆のアプローチとしながらも、「ユーザーのめんどくささを、いかに避けるかを頭に入れて機能の改善を行なっている」とNoom Japanの宜保代表。米国で生まれ、世界1200万ダウンロードの『Noomコーチ』は、ユーザーが日々の食事など履歴情報を入力すると、アプリがコーチ代わりに、ダイエットプランを提案してくれる。機械的アルゴリズムを徹底的に追及して、人の手によらないサービスを提供。サービス改善のみに力を注ぎ、年に52回プロダクトをアップデートし続ける。「人に近い分析とコーチングのテクノロジーを開発できるかがチャレンジ」とする。

ヘルスケア産業の未来

『Noomコーチ』には、同じようなプロフィールのユーザーをまとめてグループをつくり、励ましあう“グループ”機能がある。ユーザーのひとりが自主的にリーダーとなり、すでにダイエットに成功したユーザーがほかのユーザーに教えるようなコミュニティー機能も育っているという。コーチングで病気を未然に防ぎ、医者の不足など問題はテクノロジーによって課題を解決できるとする。

 それぞれのサービスの立場からアプローチが語られたが、最後にFiNC溝口氏は、「市場性があり、社会性もあり、タイミングもいい。市場がでかいので、1社単独はありえない。Noomさんも競合になるが、日本には問題がたくさんあるので、いっしょに戦い、世界に出ていく。具体的な方法で体現していきたい」としていた。

■関連サイト
WellnessPost

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