マイクロソフトは1月21日、『Windows 10 テクニカルプレビュー版』の無償ダウンロードを提供しました。約3週間後となる2月13日からは、スマートフォン向けの『スマートフォン用 Windows 10 テクニカルプレビュー版』(以下、スマホ用 Windows 10 TP版)の提供を開始。さっそく手もちのLumiaに入れて試してみようと思います!
最初のテクニカルプレビュー版で対象となる機種は、Lumia 630、Lumia 635、Lumia 636、Lumia 638、Lumia 730、Lumia 830の6モデル(ただし中国キャリア版は非対応)です。ハイエンド機のLumia 930や1320などは、追って対応となるようです。
対象機種はLumia63X系と730、830。 |
「APNをニュース専門放送局のひとつだと思うのなら、Technical Preview をインストールしないことをお勧めします」といった記述があるように、公式サイトではテクニカルプレビューがまだ実用向きではないことを、ユーザーに強く説明しています。ひとつの例として、対象モデルの中にデュアルSIM対応端末も含まれているのですが、現時点ではデュアルSIMが非サポートになっているなど、使えない機能も多く残っていたりします。
APNがわからない人が手を出すのは危険です。 |
さて、肝心の新OSですが、Windows Insider Programに参加→対応機種で『Windows Insider』アプリをダウンロード→“Get preview builds”→“Insider Slow”か“Insider Fast”を選択、といったルートで入手します。なお、端末によっては、最初に『Windows Phone 8.1』へのアップデートが行われるので、その場合は、10数分程度待つことになります。
Windows Phone 8.1のアップデートが終わったら、改めて『Windows Insider』を起動し、“Slow”か“Fast”のいずれかを選択しましょう。リブートがかかったら、いよいよスマホ用 Windows 10 TP版のインストールがはじまります。
Windows Insiderアプリを落としてからインストール。 |
というわけで、インストール完了。 |
インストール後のバージョンはこちら。パッと見の変化はわからない? |
インストール後のLumia 636のホーム画面は、インストール前と比べても、大きな変化はないように思えます。スマホ用 Windows 10 TP版のホーム画面をWindows Phone8.1と並べてみましょう。
Windows8.1(左)と比べるとWindows10(右)はアイコンがちょい変化。 |
よく見ると電話や設定、カメラなどのスモールアイコンの大きさが若干大きくなっている程度の、わずかな変化です。
そのほかの画面はどうでしょうか?
画面の上から下にスワイプして出てくるアクションセンターでは、表示されるクイック・アクションの数が大きく増えました。
クイック・アクションの数が8.1(左)より10(右)では多くなった。 |
標準では同じ状態に見えるのですが、スマホ用 Windows 10 TP版では右側の“開く”をタップすると3段表示となり、GPSやインターネット共有のON/OFFもワンタッチで操作できます。
最も大きな変化を感じたのは、設定画面です。
設定画面は大きく変わった。 |
Windows 8.1では大きい文字を使ったUIでしたが、Windows 10では細かい文字が並ぶ、他のOSのスマートフォンに類似した表示となりました。ただし、各設定項目を開くと、Windows Phone 8.1時代のフォントの大きい表示も残っています。
サクッと返信に便利なSMS通知機能。 |
アプリ一覧画面は、直前にインストールしたアプリが一番上に表示され、わかりやすくなりました。
新規追加アプリは上に表示、アプリUIも変更。 |
今まではアプリを入れても50音/アルファベット順に並ぶアプリ一覧の中に入ってしまったので、どのアプリを入れたかわかりにくかったのです。そして標準アプリの一部はこちらもUIが変更になりました。ただし、まだ一部の機能は使えないものもありますし、UIが混在している場所も。
まだまだ旧UIと新UIが混在する。 |
このあたりはテクニカルプレビュー版であることを実感させられます。
UIの混在や、まだ使えない機能も。 |
プリインストールされているLINEなど、一部のアプリはWindows Phone 8版がそのまま動作しました。サードパーティー製のアプリもWindows Phone向けのTiwtterクライアント『Qwassr』などもひとまず動作。あちこちにまだ不具合があるものの、このテクニカルプレビュー版を常用できないこともなさそうです。
Windows Phone8.1アプリも動作可能。 |
現時点ではひとつ大きな問題がありました。筆者は香港でLumia 636にアップデートをかけましたが、言語は日本語をサポートするものの日本語キーボードが追加できません。追加の表示は出るのですがダウンロードが進まず“要確認”で止まってしまうのです。「あらかじめWindows Phone 8.1の状態で日本語キーボードを入れておけば、スマホ用 Windows 10 TP版にアップデートしても使える」という話を聞いたのですが、それを海外に持ち出して現地SIMを入れると、日本語が消えてしまうという話もあります。繰り返しますが、これはテクニカルプレビュー版。このあたりは追々改善されていくのを待ちましょう。
追々改善されていくでしょう。 |
初期のころのWindows Phoneは「アプリは無いし画面のUIもイマイチ」なんて言われることもありました。でも着々と使いやすくなっており、Windows 10になればPCやタブレットとシームレスなUIとなります。そうなると現在Windows PCを使っている人には、むしろWindows Phoneこそが最適なスマートフォンとなるかもしれません。日本での発売はまだ道は険しそうですが、スマホ用 Windows 10 TP版が搭載された製品をSIMフリーで売るのは十分アリな気がします。
日本マイクロソフトの英断に期待したいですね!
Windows Phoneもどんどん使いやすくなっている。 |
【2015年5月7日】画像の見出しを一部修正致しました。お詫びして訂正させていただきます。
■関連サイト
Download Windows 10 Technical Preview ISO
Windows 10: Briefing
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