有効5060万画素という圧倒的な高解像度に、ローパスフィルター効果キャンセルモデルもラインアップするキヤノンの『EOS 5Ds』シリーズ。
EOS 5Ds
●予想実売価格 50万5400円前後
●6月発売予定
EOS 5Ds R
●予想実売価格 53万7800円前後
●6月発売予定
いち早く実機に触れる機会に恵まれ、残念ながらまだ実写は不可だったが、気になる操作感などをチェックしてみた。
撮像素子は約36×24mmのフルサイズCMOSセンサーを採用。思えば2005年の初代『5D』登場がフルサイズ機普及のきっかけだった。ちなみに初代の画素数は有効1280万画素。あの時は10年後に5000万画素オーバーになるとは夢にも思わなかった。
疑うわけではないが、このカメラが本物の『5Ds』であること確認するために、メニューから記録解像度をチェック。はい、ちゃんと“50M 8688×5792”と書いてあります。撮影画像のファイルサイズはJPEG最高画質で約10MB、RAWでは57MB前後に。
次に外観。どうせなら従来機『5D Mark III』と並べて比べてみよう。
↑写真上が『5Ds』、下は『5D Mark III』。 |
サイズやボタン配置はまったく同じ、違いがあるのはモードダイヤルまわりの塗装と液晶パネルの表示位置。コレをひと目で見分けられたら相当マニアと言えるだろう。
↑写真上が『5Ds』、下は『5D MarkIII』。 |
『5Ds』のほうが液晶の輝度が少し明るい気がするが、背面のボタン配置も同じ。とうことは『5D M3』ユーザーなら、迷わず操作できるね。メニューは新機能が増えたぶん項目が増えている。
で、実際に構えて比べた時に感じたのが、「なんか軽い気がする」ってこと。試しに計測してみると、本当に約28グラムほど軽い(計測はバッテリー、メディア込み)。たったこれだけでも、持ってみると違うものなのね。
そしてもうひとつ気になったのがシャッター音。『5Ds』ではミラー振動によるブレ対策のため、ミラーユニットに改良が加えられたらしい。そのためかシャッター音が小さくなっている。これなら舞台やテレビ収録など、物音に気を使う場所での撮影でも安心。
インターフェース類ではUSBが3.0になった。スタジオでPCと直結撮影をするときには転送速度が速いほうが有利なのでコレはうれしい進化だ。
メディアはCFとSDのダブルスロット。もちろん同時記録にJPEGとRAWの振り分け記録なども可能。ただし、仕様を見るとSDはUHS-I対応とある。これだけファイルサイズが大きい高画素機なので、できればUHS-IIにも対応してほしかった。
もうひとつのブレ対策として搭載されたのが“レリーズタイムラグ設定”。ミラーアップ後にシャッターが切れるタイミングを自分で設定できる。いくらしっかりした三脚を使用してもミラーショックは防げないので、この機能が生きるはずだ。
個人的に新搭載機能で一番うれしいのがこの“クロップ撮影”。ニコンやソニーのフルサイズ機では初期から搭載していたけど、なぜかキヤノンは今回が初搭載。画面の一部を切り出す機能で、同じ焦点距離のレンズなら望遠で撮影できる。
クロップはAPS-H相当の1.3倍とAPS-C相当の1.6倍が選べる。1.6倍にクロップしても画素数は約1960万画素もあるので十分。
クロップ機能でもうひとつうれしいのが測距点の配置。『5Ds』は61点のAF測距を搭載しているけど、配置はやや画面中央寄り。
ところがクロップで1.6倍にすると、ほぼ画面全域に測距点が配置されるので、自由な構図で撮影ができる。
操作感や機能は期待どおり。とはいえやはり気になるのは“画質”。5060万画素の実力はどんなものか、さらにローパスによる解像感比較など、興味がつきない。実写できる日を楽しみに待ちたい。
■おもなスペック
撮像素子 フルサイズ(約36×24mm)CMOSセンサー
有効画素数 5060万画素
ディスプレー 3.2インチ(約104万ドット)
測距点 61点
ISO 100~12800
記録メディア CFカード、SDXCカード(UHS-I対応)
撮影可能枚数 約700枚(ファインダー撮影時)
サイズ/重量 152(W)×76.4(D)×116.4(H)mm/約930g(撮影時)
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484,056円
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454,896円
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