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車もメモリーで選ぶ時代に!?デトロイトの展示会に山根博士が潜入取材

2015年01月22日 17時00分更新

 さまざまな新製品の発表の場でもあったCES2015。取材を終えたらそのまま帰国するのがいつものパンターンですが、今回は翌週開催のデトロイトのモーターショー(North American International Auto Show、NAIAS2015)も見てきました。

デトロイトのモーターショー
↑気温マイナス15度のデトロイト、向うはカナダ。

 恥ずかしながらデトロイトの場所をよく調べていなかったのですが、アメリカでも北のほうでカナダと隣接。訪問した2015年1月中旬の気温は最低気温がマイナス15度なんて当たり前でした。川向かいはカナダなんですが、その川の上には氷が張ってますね。日没は17時半、それを過ぎると一気に気温が下がります。夜は街を歩くなんて自殺行為、おかげで滞在中は規則正しい生活を送っていました。

デトロイトのモーターショー
↑会期9日間の国際的自動車イベント。

 デトロイトモーターショーは会期が合計9日間もあります。それだけ大きいイベントとなのです。北米向けまたは2016年向けの最新車種が発表される場でもあり、世界中から多くのメディアも集まります。ちなみにメディアセンターは巨大で、ジュースが飲み放題でした(笑)。

デトロイトのモーターショー
↑当たり前だけど自動車だらけ。

 出展企業・ブランドは約50社。右も左も自動車メーカーだらけです。もちろん誰もが知っているメーカーばかり。ITの世界では日本メーカーの存在感が弱まっていますが、ここでは逆に、トヨタや日産、ホンダ、マツダ、スバルなど各社は元気いっぱい。

デトロイトのモーターショー
↑ポルシェもずらりと並んでいる!

 車好きな人ならたまらないであろうこのモーターショー。実は筆者はあまり車に興味がないため、各社の新車などはある程度写真を撮った程度。ポルシェも触り放題なのですが遠巻きに見ているだけでした。

デトロイトのモーターショー
↑車にも通信とITの世界がやってきている。

 では何のためにモーターショーに行ったかとと言いますと、CES2015でも自動車メーカーが多数出展していたように、車にもLTE搭載が当たり前となり、車とモバイルの融合が始まっているから自動車の状態をリアルタイムにサーバーに送り自動診断する、なんてサービスも始まっています。いずれ自動車を買う時に「これLTEカテゴリ6対応だ」とか「メモリ少ないね」なんて選ぶ時代が来るようになるのでしょう。そんな動きをみるためにデトロイトまでやってきたのです。

デトロイトのモーターショー
↑あちこちで見られる“Connected”の文字。

 各メーカーのブースには“Connected”の文字が目立ちます。車内中央に位置するのはもはやカーナビではなく、LTE内蔵の情報&エンタメ端末。スマートフォンとBluetoothで連携して音楽を再生したり、あるいは自動車がLTEのホットスポットになったりするんです。

デトロイトのモーターショー
↑とはいえまだまだ自動車そのものがメイン。

 CES2015では各車メーカーがアップルのCarPlayやグーグルのAndroid Autoに対応する機器を展示していましたが、こちらのモーターショーでは現代自動車が展示するのみ。車とITの融合が見られたCESに対し、モーターショーではまだまだ車そのものが魅力ある製品として展示されているようでした。

デトロイトのモーターショー
↑ベンツの近未来ラグジュアリーカー。

 メルセデスベンツが展示していたF015は将来を見越したコンセプトカーなのですが、自動運転で向い合せに座って室内でくつろげるのが今までの車にはない大きな特徴。でもIT業界的にはドアの内側のパネルにどんなディスプレーが採用されてどんなUIで操作できるのか、あるいはダッシュボード周りはどんな機能が搭載されるのか、なんてあたりが気になっちゃうんですよね。

デトロイトのモーターショー
↑ついつい室内ばかり見ちゃう。

 そんなわけで各社の新車を見る際も、外見よりも室内ばかり見てまわっていました。このテスラの車内のようにアンテナマークや“3G”の表示を見るとうれしくなったり。

デトロイトのモーターショー
↑とても落ち着くベライゾンのブース。

 とにかく普段とは取材対象が違うので戸惑いながら会場内を歩いていたのですが、一カ所だけほっとする場所がありました。それがこのベライゾンのブースです。ベライゾンはこのモーターショーで古い自動車(1996年製造以降)でもLTE接続と自動車サポートサービスが受けられる『Verizon Vehicle』を発表しました。そのデモのため小さいブースを構えていたのですが、普段見慣れたロゴを見つけると落ち着きますね。

デトロイトのモーターショー
↑ところでデトロイト市内は何もなかった。

 自動車業界でも重要なイベントが開催されるデトロイト、さぞかし大きい街かと思いきや、昼間は街中を人がほとんど歩いていません。ネットで調べるとわかりますが、デトロイトは市の中心部の空洞化が進み、人々はみな郊外へ移住しているようです。Googleマップでお店を検索してみるとわかりますが、市内にはファーストフード店やレストランが多少あるくらいで商店はほとんどなし。コンビニですらドラッグストアのCSVが2店舗しかないのです。街中にアップルの広告を見て「お!お店かな?」と思ったら広告のみ。

デトロイトのモーターショー
↑レンタカーがないと厳しい街。

 中心部は約5キロの環状線の無人電車“Detroit People Mover”が頻繁に走っているのですが、この電車に乗っても行ける商業施設はGM(ゼネラルモーターズ)の本社ビルくらい。「BestBuyでスマートフォン買おう」なんて思うならレンタカーを借りて郊外に行かねばなりません。市内でSIMを買うのすら困難な街デトロイト、モバイラーにはなかなか辛い都市でした。

デトロイトのモーターショー
↑NSXもいいけど電波も気になる。

 新型NSXも発表されたデトロイトモーターショー、外の寒さとは裏腹に会場内は熱気に包まれていました。でも筆者としては、ここデトロイトが国境の街であることに興味がわいています。展示会場で電波検索をすると実際カナダのキャリアの電波を掴むことが出来ました。なのでカナダ側でアメリカの電波を拾ってみたり、あるいはカナダでプリペイドSIMを買ってアメリカで使ってみる、なんてこともやってみたいと思っています。てなことで冬は寒いので今年か来年の夏にでも、またデトロイトを訪問してみたいですね。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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