2015年1月6日から9日まで米ラスベガスで開催されたCES2015では、パナソニックが大型ブースを出展。スマート機能を持った自動車やFirefox OS搭載テレビなど、2015年のトレンドを先取りした製品を多数展示しました。
↑パナソニックは米国で航空業界向けシステムの大手としても知られる(パナソニック アビオニクス)。ブースでは最新の機内エンターテイメントシステムも披露した。 |
■Android Auto、CarPlay両対応の車載端末が登場
自動車の車内でスマートフォンを活用する機能として、2014年にはアップルが“CarPlay”を、Googleは“Android Auto”を相次いで発表しました。CES2015では、これらの規格に対応した製品が続々と登場しています。
↑Android Auto対応の車載端末。AndroidスマホをUSBケーブルで接続して利用する、外部ディスプレーにように機能している。 |
パナソニックも、自動車メーカーと開発を進めているというプロトタイプを展示しました。ハードウェアとしては比較的単純な構成となっており、タッチ対応のディスプレーと操作用のノブ、USBポートを備えています。
この端末は単独で機能するものではなく、AndroidスマホをUSB接続して利用します。いわば、Androidスマホの画面を外部ディスプレーに出力したような状態といえます。
Android Autoの機能としては、Googleマップによるナビや音楽、ラジオの再生、電話やSMS、Google Nowなど、車内での利用が広くカバーされています。「自動車の運転中に利用することを想定したUIとなっている。もちろん音声認識にも対応する」(ブース担当者)と、安全に配慮していることをアピールしていました。
↑Googleマップによるナビなど、車内で利用したい機能をひと通り備えていた。 |
↑運転中でも操作できるよう、UIは単純化されている。各国の法律や規制に適合するよう、今後も細かい調整を重ねていくという。 |
さらに、Android Autoの隣には、アップルのCarPlayの展示もありました。こちらも使い方はAndroid Autoと同じで、iPhoneをUSBケーブルで接続するだけです。
↑iPhoneを接続して利用するCarPlayにも対応。実はAndroid Autoとハードウェアは同じで、両方のスマホに対応できる。 |
なお、CES2015の自動車関連ブースでは、車載端末が”Android AutoとCarPlayの両方に対応”していることが、一大トレンドになっていました。パナソニックによるこのプロトタイプも、もちろん両対応。その理由として、「自動車メーカーからの要求として、両対応の需要が高まっている。どちらのスマホを接続しても、当たり前のように使えることが求められる」(ブース担当者)と説明しています。
たとえば、スマホユーザーがiPhoneからAndroid、あるいはその逆に買い替えたとしても、いちいち車載端末を入れ替える必要がないのは嬉しい点です。もちろんレンタカーを借りたり、家族の車に同乗する場合でも、どのOSに対応しているか気にする必要がなくなります。
最終的な発売時期などは、自動車メーカーと調整中としています。
■“Firefox OS”採用のスマートテレビを展示
日本でも12月にKDDIが『Fx0』を発表して話題となったFirefox OSについて、かねてからパナソニックが開発を表明していたFirefox OS搭載のテレビが、いよいよCES2015に展示されました。
↑パナソニックは4KテレビにFirefox OSを採用。“my Home Screen 2.0”という名前の機能として提供する。こちらは65型の『CX850』シリーズ。 |
特徴はFirefox OSのアプリを利用できること。YouTubeはもちろん、NetflixやHulu Plus、Amazon Videoなどのオンライン動画サービスのアプリが並んでおり、これらのコンテンツをパナソニックの大画面テレビで楽しめるのがポイントです。
入力も多彩で、通常のHDMIやアナログ入力の他に、SDカードやPCといった選択肢が確認できます。
↑HDMI、アナログ、SDカード、Windows PCなど、多彩な入力に対応しています。 |
ブースのデモでは、テレビのチャンネルをホーム画面にお気に入り登録したり、番組を視聴中にほかのアプリからの通知を受け取る、といったスマホやタブレットでお馴染みの使い方を披露していました。
↑基本的な使い方は、スマホやタブレットと同じ。すでにスマートデバイスを使いこなしている人にとってはお馴染みの機能ばかりです。 |
ただし、現時点でのデモは紙芝居のようなもので、ブースへの来場者が自由に操作できるようにはなっていませんでした。操作用のリモコンも開発中との理由により、非公開。実際の発売までには、もう少し時間がかかりそうな印象です。
■あのLUMIX DMC-CM1が米国向けに展示、日本でもまもなく発表か
2014年9月のフォトキナで衝撃的なデビューを飾った、スマホベースのデジタルカメラ『LUMIX DMC-CM1』が、CES2015のブースにも登場しました。
↑Androidスマホベースの、1インチセンサー搭載デジカメ『LUMIX DMC-CM1』がCES2015に登場。 |
すでにドイツやフランスで発売中となっていますが、いよいよ米国でも2015年度中に、999ドルでの発売を目指すとのこと。
具体的な進捗状況については、「まだFCC認証が取れていない状態」(ブース担当者)と説明。米国4大キャリアの周波数にどのように対応していくかについても、未定としています。
↑米国ではキャリアごとに周波数が大きく異なる。どの周波数に対応するのかは明言されなかったが、SIMフリーであることは確実という。 |
売り方については、「携帯キャリアを通さず、あくまでSIMフリーのデジタルカメラとして売っていく」(ブース担当者)と、欧州市場での方針を踏襲。キャリアからの販売は明確に否定しました。
さらに2015年には、日本での発売についても期待されます。「国内での価格は流通経路などもあり、やや高くなる見込み」(ブース担当者)とのこと。海外価格よりやや高いというヒントから予想してみると、カメラ量販店のポイントなどを含んだ状態で、14〜15万円程度になる可能性があります。
発売時期については、「まもなく発表できる見込み。今後はそれにふさわしいイベントもあるので」(ブース担当者)との回答。具体的な時期は得られなかったものの、カメラ関連の大型展示会として2015年2月12日からパシフィコ横浜で“CP+”が予定されており、注目が高まるところです。
●関連サイト
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