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Windows情報局ななふぉ出張所

2015年はどんなタブレットの登場に期待する?

2014年12月23日 12時30分更新

 タブレットの人気に陰りがでてきた現在、事業改革としてタブレットの位置付けを見直すなど、仕切り直しが求められている一方で、新たな価格帯のタブレットを投入するメーカーも出てきました。2015年にはどのようなタブレットが期待できるのか。改めて考えてみたいと思います。

■SIMフリータブレットが業界を牽引する

 2014年に登場したタブレットを振り返ると、iPad Air 2やSIMフリーのAndroidタブレット、そしてSurface Pro 3など、多彩な新製品がありました。その中で、もっとも勢いが感じられるのがレノボのYOGA Tabletシリーズです。

 これまでのタブレットは、板状のデバイスをいかに薄く、軽く作るかという点が競争の軸となっており、スタンドを内蔵する場合でも、Surfaceのように板状に収納できる構造が無難といわれていました。

 YOGA Tabletは、薄い板という形状をあきらめる代わりに、丸いシリンダー状の出っ張りにスタンドを内蔵したのが特徴です。出っ張りがあるため、ちょっとかさばるというデメリットを受け入れることで、手でしっかり握りやすいデザインを実現しています。

2015年はタブレットの性能を引き出すソフトウェアに期待
↑タブレットにあえて出っ張りを設けたのが、YOGAシリーズの出発点だ。

 初代のYOGA Tabletは、安価なMediaTek製プロセッサーを搭載した低価格製品ということもあり、それほど目立つものではありませんでした。その後、YOGA Tabletは2014年5月の上位モデル追加を経て、最新のYOGA Tablet 2が10月に登場します。

2015年はタブレットの性能を引き出すソフトウェアに期待
↑スタンドにより、さまざまなスタイルで使えることがYOGAシリーズ共通の特徴。
2015年はタブレットの性能を引き出すソフトウェアに期待
↑YOGA Tablet 2の発表では、その柔軟なスタイルをモチーフに、タレントの小島瑠璃子さんを起用したダンスパフォーマンスを披露した。

 最新のYOGAシリーズでは最新のAtomプロセッサーを搭載。その特徴を活かし、ほとんど同一のハードウエアで、Android版とWindows版の両モデルを実現している点にも、注目したいところです。

2015年はタブレットの性能を引き出すソフトウェアに期待
↑8インチと10インチ版では、ほぼ同じハードウエアでAndroid版とWindows版の両方をラインアップする。
2015年はタブレットの性能を引き出すソフトウェアに期待
↑スタンドに穴を設けることで、吊り下げるスタイルも可能になった。

 さらに先週末からは、SIMフリー版でLTEに対応したWindowsモデルの販売も始まっています。

 これまで個人向けのWindowsタブレットでは、“SIMフリーの需要は低い”とみて、どのメーカーもWi-Fiモデルの展開を中心としてきました。しかし最近はMVNOの充実によって、市場が激変していることは言うまでもありません。2015年以降は、個人向けにもLTE対応のWindowsタブレットが増えていきそうです。

■始まる“大型化”と“高性能化”

 2010年に初めてiPadが発表されたときには、「タブレットを、そもそも何に使うのか?」という疑問が噴出したものです。しかしその後、iPadが破竹の勢いで売れたために、この疑問はうやむやになってしまった感がありました。

 確かにタブレットは、リビングでテレビを見ながらウェブ検索をするとか、お風呂で動画を見る、あるいは通勤電車で漫画を読む、喫茶店でメールやカレンダーをチェックする、といった用途で使われています。しかしその一部は、大型スマホの登場によって、その地位を奪われようとしています。

 “スマホが大型化”した結果といえるiPadやAndroidタブレットに対して、“PCが小型化”した結果として存在するのが、Windowsタブレットです。

 Windowsタブレットなら、原理的にはほぼPCと同じことができますし、実際に、Surface Pro 3のようなCoreプロセッサー搭載機は、まさにPCそのものです。しかしWindowsタブレットの主流として存在しているAtomタブレットの性能には限界があり、PCのサクサクした使い勝手を、タブレットに同じように求めることはできませんでした。

 そこへ、かつてないほど軽量なノートPCが次々と登場したこともあって、Windowsタブレットもまた中途半端な存在になりつつあります。強いてメリットを言うならば、ノートPCよりも価格が安いことくらいでしょう。

 2015年、このままタブレットは現状の中途半端な存在から脱却すべく、より薄型軽量に、そして安価に進化していくはずです。その進化の方向性のひとつとして、“大型化”と“高性能化”という選択があるのではないかと、筆者は期待しています。

2015年はタブレットの性能を引き出すソフトウェアに期待
↑10.1インチのWindows版はキーボードを同梱。本体下部とマグネットで軽く結合できるようになっている。


■2015年はタブレットの性能を引き出すソフトウェアに注目

 タブレットの性能を限定している原因のひとつが、ストレージです。もちろんその背景には消費電力を低く保つという絶対的な要求があります。しかし現在、Windows機にばかり採用されているCore Mプロセッサーを使えば、SATA接続のSSDを用いた薄型タブレットを、ほかのプラットフォームでも実現できるのではないかと筆者は見ています。

 画面サイズもGALAXYやYOGAタブレットでは、12~13インチクラスが登場していますし、薄型軽量を極めたiPadにも、次世代では“大型化”が期待されるところです。

 もちろん、ハードウェアが高性能になると、同時にソフトウェアの機能も向上していくものです。すでにPhotoshopやOfficeといったPC向け定番アプリは、一部機能においてiPadやAndroidでもサクサクと動作するようになりました。来るWindows 10がPCとモバイルデバイスの統合を目指すように、iPadの使い勝手とMacの生産性を両立したデバイスというのも、選択として無い話ではありません。

 2015年のタブレット業界は、大画面、高性能化したタブレットの性能を最大限に引き出すような、生産性の高いアプリケーションが続々登場し、より作業環境が充実していくことを、期待したいところです。

■関連サイト
YOGA Tablet

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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