みなさん、こんにちは。いまは週刊アスキーの吉田でございます。さて、AppleとIBMがiPad関連で協業することを発表してしばらくたちましたが、本日、その成果物として『IBM MobileFirst for iOS Apps』が登場しましたよ。Appleが公開したプレスリリースから、大げさな表現を除いて紹介していきましょう。
Plan Flight(運輸・旅行業向け)
パイロットが、フライトスケジュール、乗務員名簿を事前に確認し、運行中の課題を地上勤務員に報告し、使用可能な航空燃料についてより多くの情報に基づき判断できるアプリを提供するそうです。
Passenger+(運輸・旅行業向け)
キャンペーン、予約変更、手荷物情報など、乗務員が機内の乗客に効率的なサービスを提供可能になるそうです。
Advise & Grow(銀行・金融マーケット向け)
中小企業の子役の情報や競合分析を安全に参照可能になり、分析に基づいた洞察を集めて個々の顧客に合わせた提案や、安全な取引を実現するそうです。
Trusted Advice(銀行・金融マーケット向け)
顧客の自宅や屋外のカフェなどで、顧客のポートフォリオへのアクセスや管理が可能に。提案内容の検証に役立つツールを搭載しており、金融製品の分析などもできるとのこと。
Retention(保険業向け)
顧客の情報や履歴へのアクセスが容易になるそうです。分析結果に基づく、通知や提案、電子署名、保険料の集金などの処理をこなせるとのこと。
Case Advice(行政向け)
ケースワーカーが訪問先の家庭で即座に重要な判断が求められる際に、業務量や支援に関わる課題に対応できるそうです。対応方法の優先順位を調整し、予測解析に基づいてリスクを評価できるとのこと。
Incident Aware(行政向け)
警察官が、リアルタイムで地図と事故・事件現場の動画データおよび被害者の状況、深刻化のリスク、犯罪歴に関する情報にアクセス可能になるそうです。応援や支援の要請も可能になるそうです。ケースバイケースですが、訪問先で緊急処置が必要な場合に、指示を仰ぎやすくなるってことでしょう。
Sales Assist(小売業向け)
顧客の購入履歴や現在の好みに基づいてリコメンドが可能になるそうです。また、在庫管理や店内商品の確認、商品の出荷なども処理できるそうです。
Pick & Pack(小売業向け)
配送先と在庫情報を組み合わせて、発送する商品の効率的な発送を実現するそうです。
Expert Tech(通信業向け)
『FaceTime』アプリなどのiOSの標準アプリを利用することで、ユーザーの満足度の向上を実現できるそうです。
平たくいうと、各業種でIBMが絶賛提供中の業務システムやデータベースに、iPhoneやiPadからセキュアな状態でアクセスできるってことです。iOSアプリはフロントエンドなだけで、実際はサーバー側にあるIBMのシステムがうまいことやってくれるというわけですね。環境やコストにもよりますが、すでにIBMの業務システムを導入している企業は、社員が持つ端末をiOSデバイスに置き換えることが容易になるわけです。
これにより、ノートパソコンや膨大な資料をカバンに詰め込んで得意先を回るという業務が、特に大幅に軽減されると思われます。GPS機能が付いたiOSデバイスが営業ツールとして浸透することで、得意先までの最短ルートや複数の得意先を訪問する際の最短ルートを計算できるほか、どの地域でどの営業資料が読まれたか、営業資料の何ページに興味を持ったかなどを閲覧履歴から分析できるようになり、業務効率が向上すると思います。
タブレット端末の販売台数は前年割れを起こしているというデータもあり、決して右肩上がりではありません。しかし、法人需要は旺盛なので、今回のIBMの発表で業務分野でのiOSデバイス、特にiPadの引き合いが増すことは確実でしょう。
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