みなさん、こんにちは。いまは週刊アスキーの吉田でございます。さて、iOS版のATOKがまたまたアップデートしましたよ。
他社製のキーボードアプリは、セキュリティーの観点から制約が多く、標準キーボードとの機能差が大きい点が問題でした。ATOKの開発元であるジャストシステムは、そこをアイデアと技術力でカバーしたようです。ソフトウェアのアップデートでこんなに感動したのはいつ以来でしょうか。
まずはアップデートです。「App Store」アプリを開いて「アップデート」を選ぶと、アップデート情報が表示されるはずです。最新バージョンは1.2.0ですよ!
自動アップデート機能をオンにしている場合は、ATOKのキーボードに切り替えたタイミングで通知してくれます。
新機能として注目なのは、「カーソル位置入力」機能。平たくいうと、インライン機能の実装です。
もちろん、オン/オフできる仕様です。
ではさっそく使ってみます。ATOKのキーボードで文字を入力していくと、なんだか従来に比べてスラスラ感が増したような……。
よく見ると、入力された文字がアプリ側に直接入力されていますね!んじゃ、変換はどーすんだと疑問かもしれません。心配はご無用。変換候補がきちんと表示されているので、それをタップすればいいんです。
従来はどうだったかというと、変換候補の文字列はアプリ側には表示されず、変換候補一覧の上に一時的に入力されていました。いまから思うとメンドクサイ仕様です。このように、キーボードから入力した文字列をそのままアプリ側に表示する、いわゆるインライン入力機能は、セキュリティーの観点からか標準キーボード以外に認められていませんでした。そのため他社製キーボードでは、変換候補の表示エリアとは別に入力中の文字を表示するスペースが必要でした。
ちなみに開発元のジャストシステムによると、これは擬似的なインライン変換だそうです。比較としてiOS標準のキーボードで文字を打ち込んでみると丸わかり。標準キーボードでは、アプリ側に入力された未確定の文字列は薄いグレーやブルーでハイライト表示されるんです。
ジャストシステムでは、入力中の文字がハイライト表示されない、変換候補の上に変換中の文字が表示される、アプリによってはシェイクなどの取り消し操作に影響が出る、アプリによっては正常に動作しない——などの留意点を挙げています。
具体的な互換性事例も記載されています。「連絡先」や「Word」では問題があるそうです。
そのほか、iPhone 6/6 Plusなどで使えるキーボードの右寄せ、左寄せの機能をオン/オフできるようになりました。個人的にはこの機能をずっとオフにしたかったのでうれしい限りです。選べる自由ですな。
各種設定は、ホーム画面に登録されるATOKの設定アプリはもちろん、キーボード上のATOKマークからも切り替え可能です。
最後にもう一度。詳細は明らかではありませんが、今回のアップデートはiOSキーボードの制約をジャストシステムの開発チームが技術力とアイデアで乗り越えたんじゃないかと。iPhoneのメインキーボードを完全にATOKに切り替える時期が間違いなくキタでしょう。
残るは、外部キーボードを接続した場合に他社製キーボードアプリのエンジンが使えない制約ですかね。これはAppleさんが動いてくれないとダメかなぁ。
『ATOK for iOS』
バージョン:1.2.0
App Store価格:1500円
(バージョンと価格は記事掲載時のものです)
(c)JUSTSYSTEMS CORPORATION
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