Evernote社は都内で“Evernote Press Conference Tokyo 2014”を開催。同社CEOであるフィル・リービン(Phil Libin)氏が来日し、Evernoteの新機能や日本向けの取り組みなどを解説しました。
↑Evernote CEOのフィル・リービン氏。 |
●今回発表されたもの
初めにおさらいしておくと、今回のカンファレンスで発表されたのは以下の5つです。
1. 日本経済新聞社との資本・業務提携
2. 伊藤園とのコラボレーション
3. 新機能“Work Chat”が来週提供開始
4. 新機能“コンテキスト”をWindowsおよびAndroid版にも提供予定
5 Android向け名刺スキャン機能を来月提供開始
ちなみに、新機能“Work Chat”と“コンテキスト”については10月頭に米国で行なわれた“Evernote Conference EC4”で発表済み。Android向け名刺スキャン機能については今まで対応予定とは発表されていましたが、その詳細が発表されたもようです。
●コンテキスト機能と日経との提携
プレミアム会員向け新機能“コンテキスト”とは、自分の保存している(または作成している)ノートをEvernoteが解析し、その内容に関わるほかのノート(共有している仲間もしくは組織内のメンバーも含む)や組織内のその内容を詳しく知っている人物の情報(LinkedIn)、そして、その内容に関わるウェブ記事などを表示します。
↑コンテキストはノートの下部に表示される。 |
現在は、Mac版およびiOS版に提供されており、Windows版、Android版には今後展開予定。コンテキスト機能への記事配信は“Wall Street Journal”や“TechCrunch”などの9社が発表され、EC4当時は“米国向け”機能という扱いでした。
↑コンテキスト機能から日経電子版を呼び出した例。 |
そして、今回発表された日本経済新聞社との資本・業務提携の取り組み第1弾として『日本経済新聞 電子版』のコンテキストへの配信が発表されました。これにより、日経電子版のさまざまな記事がレコメンド表示され、引用なども可能です(Evernote、日経電子版それぞれの有料会員のみ)。
↑日経電子版サイトから自分のEvernoteの関連ノートが表示されることも。 |
↑リービン氏と日本経済新聞社 常務取締役デジタル事業担当の野村裕知氏。 |
●“運命的”な伊藤園とのコラボレーション
リービン氏が大の日本好き、さらに言えば伊藤園の緑茶を好んでおり、シリコンバレーに『お〜いお茶』ブームを巻き起こしたのは、業界関係者であれば広く知られています。両社は今までお茶を使ったハッカソン“茶ッカソン”などを実施してきましたが、より多くのユーザーをサポートするため“クリエイティブサポートキャンペーン”を実施。
↑キャンペーンを発表する伊藤園 代表取締役副社長の本庄周介氏。 |
伊藤園の新製品『お〜いお茶 玉露入り 旨』を購入するとEvernote関連の各種商品が抽選で当たるほか、シリコンバレーで現地レポートを作成する特派員(5組10名)に応募できます。
また、本庄氏は今回を含めEvernoteとの関係について「(Evernote日本法人会長である)外村さんに、伊藤園はもともとIT業界と縁のあるDNAを持っていると言われてきた」と語り、同社の社名のローマ字読み“ITOEN”が“IT O EN(IT応援)”だという衝撃の事実を発表した(なお、今回のキャンペーンの詳細URLが“https://it-o-en.com/”である)。
↑特派員に選ばれるとシリコンバレーの最新情報を取材できる。 |
↑伊藤園は“IT応援”とも読めるのだった!! |
↑最近流行っているという“伊藤園ポーズ”を披露するリービン氏と本庄氏。なお、リービン氏はこのフォトセッション中は両社のコーポレートカラーである緑色のフレームのメガネにかけ替えていた。 |
●Evernoteは新しい“ワークスペース”になることを目指す
そのほか、来週提供予定のEvernoteアプリ内のコミュニケーション機能“ワークチャット”や、スキャン機能に特化しScanSnap Evernote Editionとも連携する新アプリ“Scannable”、Android向け名刺スキャン機能なども発表。
↑独自のスキャンアプリも準備中。 |
↑すでにiOS版では実装されている名刺スキャン機能のAndroid版は来月提供予定。 |
リービン氏は「Evernoteの約70%のユーザーは仕事のために使っている」、「我々は(古くなってきている)生産性向上ツールという定義を新しくしたい」、「誰もが生涯をかけて成し遂げたい仕事があり、それを支援したい」と説明。
確かに本格的に機能が使えるようになれば、ノート機能やさまざまなスキャン機能、Webクリッパーなどで貯めた情報を、標準の共有機能でシェア、プレゼンテーションモードで会議の場に活用。資料作成時もコンテキスト機能で情報収集がカンタンになり、もし個人の力で行き詰まったとしてもワークチャット機能により組織内や友人などに助けを求めたり、承認を得られるようになります。
現在でも作業自体はほかのツールなどを使えば、確かにできることです。しかし、Evernote内で一括して実行できるというのは、そのぶん作業が効率化され、また多くの端末でアクセスできるということです。
まだ体験できる新機能は少ないですが、今後公開され次第、順次試してきたいと思います。
●関連サイト
Evernote公式ページ
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