自分はそうそう犯罪に巻き込まれるはずはないと思っていても被害のおそれは意外に身近にあるのかもしれません。
例えば、今年は身に迫る脅威のひとつとしてLINEの乗っ取り詐欺が問題視されましたが、5000円や数万円のプリペイドカードとは桁違いの金融犯罪が深刻化しています。
インターネットバンキングを狙った不正送金犯罪が増加中
インターネットバンキングを狙った不正送金犯罪が急増しているのをご存知でしょうか。
警視庁は2014年度上半期のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況ついて、件数は1254、被害額は18億5200万円と発表しています。法人の被害も含まれていますが、1件当たりの被害額は平均約148万円。銀行の口座を対象にしているだけに被害に遭うと額が半端ないです。
今年は特にインターネットバンキングを狙った不正送金が軒なみ急増しており、昨年度の上半期に比べて被害件数は約6倍、額は約9倍近くにはねあがっています。警視庁および各金融機関は警鐘をならしているように、不正送金は他人事ではありません。ネット上で銀行手続きができて便利なインターネットバンキングだけに、利用者はそこを狙った犯罪について手口を抑えておきましょう。
・金融機関のHPそっくりなページに誘導するフィッシング
フィッシングによる個人情報の窃盗がまずひとつ。
金融機関をかたった巧妙な電子メールにより公式ホームページそっくりなページに誘導、入力したID・パスワードなどの個人情報をそっくり盗み取る手法です。対策として、金融機関らしいメールを受け取っても手放しに信用せずに、普段から利用している銀行であるか、書式が不自然であったり“緊急”など不安感を煽る内容ではないかなどを確認し、慎重な対応が必要とされています。
三菱東京UFJ銀行 不正サイト一例 |
みずほ銀行 不正サイト一例 |
三井住友銀行 不正サイト一例 |
・ウイルスやマルウェアによる個人情報流出
さらに最近多発しているのはウイルスやマルウェアによる情報の盗難。
パソコンをウイルスを感染させて個人情報を情報を盗み取りインターネットバンキングを不正利用する乱暴な手口です。近年、ウイルスが悪質・巧妙化していることも被害の拡大に結びついているようです。万全策は一概ではありませんが、ウィルス対策のセキュリティーソフトを導入するなど自分ができる範囲の対策を行なうことが有効です。
経済産業省が支援する『フィッシング対策協議会』ではインターネットバンキングの不正送金を防ぐために、以下の鉄則を訴えています。
第1の鉄則:乱数表等(第二認証情報)の入力は慎重に!
不正ログインを防ぐ施策に銀行から提供される“乱数表”がありますが、フィッシングの偽サイトで乱数の同時入力が促され配列が解析されてしまう事例があります。乱数表に記載されたすべての文字はくれぐれも同時に入力してはいけません。さらに、複数回にわたり乱数の一部を入力させる巧妙な手口もあります。乱数入力は必ず慎重に行うようにしましょう。
第2の鉄則:インターネット利用機器を最新の状態に保とう!
偽の画面表示やウィルスに対抗するにはインターネット利用をしている機器のソフトウェアやアプリを最新の状態に保つことが重要です。OSやJava、Adobe Reader、Web ブラウザーなどのこまめなアップデートをし、検知用データは常に最新するなどできる限りのセキュリティー対策を行なうことが良いでしょう。先にも述べましたが、もちろんウイルス対策ソフトの利用も必須です。加えて、怪しいサイトへのアクセスは避けるなどインターネットを利用するにあたって基本的な心構えも忘れずに。
インターネットバンキングを狙った不正送金犯罪の対策について、各金融機関のサイトでも具体的事例を挙げて紹介をしています。ご利用の銀行のサイトを確認しておきましょう。
以上、平均被害額約150万円のインターネットバンク不正送金の手口と対策する鉄則でした。インターネットバンキングの利用者はけして他人事ではないです。
■関連サイト
フィッシング対策協議会 該当ページ
警察庁 サイバー犯罪対策
三菱東京UFJ銀行 該当ページ
みずほ銀行 該当ページ
三井住友銀行 該当ページ
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9,645円
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3,954円
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1,040円
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