既報のとおり、Photokina2014開幕の前日にパナソニックがGM5とLX100という2つのカメラを発表した。ともに1600万画素の4/3型センサーを搭載しているが、GM5はGM1にEVFを搭載した小型のマイクロフォーサーズカメラで、レンズが交換できる。
それに対してLX100は、LUMIXの最高級コンパクトカメラシリーズLXの6代目に当たるのだが、先代のLX7とは全く異なる新設計のカメラで、もちろん高級コンパクト好きでLXの過去全シリーズを使い倒してLF1に行きついた者としては超絶気になるので触りまくってみた。
↑LX100は1600万画素の4/3型高感度MOSセンサーを搭載。 |
まずLX100の基本だが、1600万画素の4/3型高感度MOSセンサーを搭載しているが、マルチアスペクトのため実効は1280万画素である。LX7が使っている1/1.7型は7.6×5.7ミリで、LX100の4/3型は15.7×11.8ミリなので、なんと約4.3倍の面積となる。7月にパナソニック初の1型センサー搭載の高倍率カメラFZ1000が出たので、自分を含めて業界的にも次期LXは1型だろうと予想していた。4/3型を積んできたのは最大の驚きだ。
↑画像処理エンジンは同社のヴィーナスエンジン。 |
1型は13.2×8.8ミリだから、1/1.7と比べると面積が約2.7倍にしかならない。もちろんマイクロフォーサーズの4/3型は使い慣れているということもあるだろうが、1型コンパクトのさらに上を目指したのだ。
大型センサーの高級コンパクトというと2004年にパナソニックが発売し、世のライカ信者を熱狂させたLC1をちょっと思い出したキミやボクは当然オタですね。もちろんLX100には最新4コアのヴィーナスエンジンを搭載しているので、動作も画像処理も高速で、最高ISO感度は25600を実現している。
↑2004年3月に発売したパナソニックの高級デジカメ『LUMIX DMC-LC1』。 |
次に気になるのはレンズ『Leica DC Vario-Summilux 24-75mm F1.7-2.8』。8群11枚構成で光学手振れ補正も内蔵し、マクロは3cmまで寄れる。LX7からLF1になったときに広角端が24mmから28mmになって憤慨した者としては、24mmの採用は大歓迎である。ただし、望遠端が75mmというのはちょっと残念。LX7が90mm、LF1は200mmだったのでモノ足りない。せめて5倍の120mmくらいあると取材に便利なのだ。
レンズはもちろん固定の専用設計だから、交換レンズより画質は上で、9枚羽の円形絞りと相まって美しいボケも期待できる。電源をONにすると数センチくらい飛び出すが、望遠端にしても下品なほどは出ない。ちなみにLX100はパナソニック伝統のマルチアスペクトでセンサーを使っているので、3:2、4:3、16:9と縦横比を変更しても画角は変わらない。
高級コンパクトの命であるところのEVFは、276万4000ドットの16:9表示だからGX7と同じ1280×720ドット。倍率は1.39(35mm換算0.7倍)と一眼レフ並みで、古くからのEVF党員としても満足の見栄えだ。背面液晶は92万1000ドットで、EVFとの切り替えはアイセンサーによる自動でもマニュアルでもできる。合焦部を明示するフォーカスピーキング機能もありがたい。
AFはDFD(Depth From Defocus)の49点ハイブリッドコントラスト式。合焦は0.14秒と高速で、最高解像度で毎秒11枚の連写が可能。動画撮影は4Kで30p、フルHDで60pとGH4、FZ1000と同様のクオリティーで、動画から3840×2160ドットの静止画を切り出す4Kフォトの機能もあり、撮りのがしたくない一瞬をゲットできる。
レンズ回りの操作系もLX譲りで、絞り値と画面の縦横比、AF/AFマクロ/MFの切り替えは専用のリングとスイッチで行なう。さらにローレットの刻まれたコントロールリングに焦点調節やズーム機能を割り当てられる。
シャッター速度と露出補正の専用ダイヤルはカメラ上部にあり、露出モードダイヤルはない。ではどうやって指定するかというと、絞りリングとシャッターダイヤルをともに“A”に合わせるとプログラムモードとなり、そこから絞りを動かすとAモード、シャッターを動かすとSモード、両方動かすとマニュアルというなつかしい操作なのである。おなじみのAiモードは専用のボタンがあるのだが、このカメラにはちょっと似つかわしくない。
↑オプションのフラッシュ『FL70 Flash』を装着したところ。 |
↑自動開閉レンズキャップ『LFAC1』を装着したところ。 |
もちろんWiFiとNFCも内蔵しているので、スマホやタブレットからリモート操作が可能。カメラ本体でのRAW現像やホワイトバランスのブラケティング、ハイライト・シャドーコントロール、パノラマ撮影時のデジタルエフェクト、コマ撮りアニメと何から何まで搭載している。
ちなみにフラッシュは内蔵していないので、専用のオプションが白と黒の2色で用意されているほか、自動開閉のレンズキャップまで2色が発売となる。
LC1の再来と書いたが、がちがちのマニュアルカメラではなく、気軽に超高画質写真が撮れるカメラである。そのうえ満載の機能で遊べるし、LXユーザーならすぐに操作に慣れることができる。ドイツでは10月発売でお値段は未定ということだが、おカメラ好きとしては1秒でも早く発売してほしいカメラなのである。
(追加情報)「現地での価格は849ユーロ、現地の消費税とかいろいろ考えると、日本円では10万円前後(編集部予想)となる。これは安い! 買いだ!!」(みやの)
ちなみにライカがLX100の姉妹機D-LUXを発表した。数字のフォントやデザインが若干ことなる。またブースにはなにやら大きいソフトカバーのようなものが参考出品されていた。
(2014年9月17日18時53分追記:記事初出時に画像の誤りがありました。お詫びして訂正します。)
(2014年9月17日追記 現地ドイツでの価格情報を追記しました。)
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