『AYATORI』は、iPhoneのイヤホンジャックに接続して光るスマートフォン“アプセサリー”だ。かわいいトリの形のガジェットアクセサリーと専用の連携アプリケーションを使うことからつくられた造語。ベンチャー企業ウィンクルが開発している。
クラウドファンディング“INDIEGOGO”で資金を募り、2014年内には量産化を開始し、出荷を予定している。また、AYATORIを光らせることができるソースコードも公開していて、誰でも専用アプリを作成できる。AYATORIハッカソンも開催して、プログラミングの経験がない人でも90分で光らせることができたという。
開発中の連携アプリは3つ。すれ違いアプリ『AYATORI MATCH』は、アプリに自分の趣味をあらかじめ登録しておくと、同じ趣味の相手がすれ違ったとき、iBeaconで通信してお互いのAYATORIが光るというもの。同じ趣味の人を見つけられるので、パーティーなどで話のきっかけに使える。
『AYATORI LIVE』はイベントでペンライトの代わりになるようなアプリ。ステージ上からアーティストのコントロールに合わせて、参加者のAYATORIが光を発して、一体感を生み出す。また、『AYATORI PAIR』は遠くにいる人と、光で思いを伝えられる2人で使えるアプリだ。ボタンを押すと、遠くにいる相手のAYATORIが点滅する。実はこのアプリのアイデアがAYATORI開発のきっかけとなるものだった。その開発秘話を、ウィンクルの武地実代表に話を聞いた。
――なぜ、AYATORIを開発しようと考えたのでしょうか?
武地 大学卒業して、大阪から東京に出てきました。その時、彼女はまだ大阪にいて、半年くらいで別れてしまいました。男は用事がないと連絡しない。それではダメだなと思いました。言葉がなくても思いを伝えられる方法はないかと、ハッカソンで出会ったメンバーも遠距離恋愛中だったので、「言葉がなくても思いを伝えられる物」のアイデアが生まれました。遠距離恋愛のカップルのため、地球上どこにいても“きずな”は見えます。
ウィンクルの前は、もともとはスマホアプリのディレクターをしていました。大学時代にグラフィックの勉強はしていましたが、ハードウェアは専門ではありません。基盤の開発はこちらでやって、ハードウェアの制作は外注に依頼しています。
――光る仕組みはどうなっているんでしょうか?
武地 AYATORIはイヤホンジャックに挿して使います。専用のアプリを使って端末から音の情報を送り、ハードウェア上で光に変更しています。点滅の感覚、光の強さまで音の出力を変えるだけで調整できます。光らせるAPIは公開しています。近くの人のAYATORIが光るマッチングアプリは、iBeaconを利用しています。
――今後の展開などを教えてください。
武地 まだ光は単色ですが、マイコンを積んでフルカラーモデルもやりたいですね。またAndroid版も開発中で、原理的にはできそうです。年内には間に合わせる方向で進めています。100人規模のライブでの実験や、恋活パーティーでの利用もしていきたいですね。マッチングしたら光るので、司会者が操作して光らせて人でゲームをしたり、ベタだけど王様ゲームも可能です(笑)
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