誰もが知りたいであろうモテるコツと、クスりと笑える楽しい話をツイッターで展開している注目の人、ラブホテルスタッフの上野さんとは、いったい何者なのか? 本人を直撃した。
※本記事は週刊アスキー5/27号の『中の人特捜部』を再編集したものです。
ラブホ談義が人気となりマンガ化にも挑戦
ツイッターでは、企業・個人、有名・無名を問わず、おもしろいつぶやきを続けていれば、徐々に知れわたり、人気ユーザーに成長するという流れがある。
なかでも今年の注目株として、"上野ラブホスタッフ”さんは外せない。名前からわかるように、ラブホテルの従業員で、“女性とお付き合いした際に絶対にやってはいけないこと”など、ハッとさせられる恋愛のコツを投稿。恋愛相談に真摯に答えたり、思わず笑ってしまうラブホマンの日常を紹介したりと、フレンドリーな雰囲気が人気を博し、今年1月末のツイッター開始からわずか2ヵ月で3万人超のフォロワーを獲得している。
3月にはフォロワーから描き手を募り、1~2週間に1話のペースで“ラブホであったおもしろい話”というマンガも投稿しはじめた。反響の大きいものでは4000以上も引用ツイートされている。
Kindleストアの自費出版、さらには上野さん原作の恋愛指南マンガが『月刊コミックフラッパー』での掲載と、活動は破竹の勢い。上野さんは、どんな素顔をもつ人物なのか。
上野ラブホスタッフ
ラブホテルの従業員。発言がまとめサイトなどで広まったことで、4万7000人(8月中旬現在)のフォロワーがいる。
Twitter:@meguro_staff
人気ラブホマンのつぶやきから、マンガ作品まで
●もっと読みたくなる珠玉のツイート
「ちょっとトイレに行くから、荷物見ててくれない?」と女性に声をかけて「ありがとう、なんかおごるよ」と自然に会話をつなぐテクがスゴい。なんか納得。 |
"忘れ物ランキング"では、非日常的なものが目に付くところがラブホならでは。 |
●抱腹絶倒のツイート集
ツイッターのまとめサービス『トゥギャッター』でも発言がまとめられており、すべて合わせると10万以上のページビューをかせいでいる。 |
●人気なので自分でマンガ化してみた
4000も引用ツイートされたラブホテルマンガの第1話。描いたのはフォロワーの“ぶひぃさん”(@BUHII_dayo)だ。 |
同じくフロワーの“らぱ”(@_Rapa_)さんの作画による第5話。 |
●盛りだくさんすぎる内容
ツイッターのファンから、上野さんがツイートする話をまとめて読みたいという声が上がったので、Kindleストアで自費出版した著書(価格 99円)。 |
リアルでもネットでもおもてなしの心を体現
上野さんをひと言で表わせば、エンターテイナーだろう。大学時代は趣味で大道芸人として観光地に立ち、パフォーマンスを披露して多くの人を楽しませてきたという。ところが、社会人になって就職した会社で配属されたのは、なんとラブホテルだ。
接客業では、お客さんと直接対話してニーズを引き出せれば、相手が満足するサービスを提供しやすい。しかし、ラブホテルというのは、建物内でなるべくほかの人と顔を合わせたくないという特殊な環境だ。そんなところでは普通、言われたことだけをこなしていればいいようなものだが、上野さんは違った。知恵を絞ってお客さんを観察することにした。たとえば、翌日着替えるために予備のスーツを持って来た人の部屋にはハンガーを多めにかけておいたりなど、言われなくてもやっておく“おもてなし”を続けているのだ。
相手のニーズを察して気付くという姿勢は、ツイッターにも表われている。もともと始めたきっかけは、ラブホテルのおもしろい日常を多くの人に知ってほしいという理由から。投稿がより広まるようにウケる内容を厳選したり、有名人のアカウントが反応しやすいように言い方を工夫している。恋愛相談の返事は、回答が正しいかどうかより、質問者が納得するかどうかを念頭に置いている。
「誰かに聞いている時点で、質問者の心では答えが決まっているんです。僕は相手のプロフィールや発言を調べたりして、肯定、代弁して背中を押してあげるだけ」
これだけ盛り上がっていても、「自分の日常生活をみなさんに楽しんでいただけて、関心をもってもらえてうれしいです」と謙虚なのが上野さんの魅力だ。
ネットの才能といっしょにおもしろいものをつくりたい
そうしたネットの活況が出版社の目に留まり、『月刊コミックフラッパー』で原作者デビューをはたすことになった上野さん。仮タイトルは『上野エンペラー』で、ネットで公開しているものとは別のマンガ家さんが描くという。内容は女性との上手なコミュニケーション術がメインだが、女性が読んでも楽しめる内容をめざしている。
個人での活動も継続し、音声付きのマンガ、ネットラジオ、小説などに挑戦していく。 「駆け出しの声優さんやイラストレーターさんなど、技術はあるのにメディアに出ていない才能とともに、おもしろいコンテンツをつくりたい」と語る上野さん。今後の上野さんの活動から、ますます目が離せない。
■関連サイト
月刊コミックフラッパー
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