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中華スマートウォッチは意外と使える? 山根博士がレビューしてみた

2014年08月13日 12時00分更新

 Android Wearの登場で大きな盛り上がりを見せ始めているスマートウォッチ市場。サムスン電子、LGエレクトロニクス、モトローラと大手有名メーカーから続々製品が登場ということで品質や機能にも期待できます。

中華スマートウォッチ
↑中華スマートウォッチも続々出てくるぞ。

 でもスマートウォッチ市場に目を向けているのはグーグルや大手メーカーだけじゃありません。中国のスマートフォンメーカーも“ポスト・スマホ”としてスマートウォッチの開発に力を入れています。中国製のスマートウォッチは以前にも何度か紹介したことがありますが、今回は中国のなかでも大手のスマートフォンメーカー、クールパッドの製品を試してみました。

中華スマートウォッチ
↑中国スマホ最大手のクールパッド。

 クールパッド(酷派)は中国では知らな人がいないほどのメジャーなスマートフォンメーカー、シェアはサムスン電子やレノボに次ぐ3番手グループを維持しています。そのクールパッドによるスマートウォッチの名前は『酷派智能手表』。訳するとクールパットスマートウォッチ、そのまんまです(笑)。名前が長いのでこの後は“クールウォッチ”と書くことにしましょう。なお、お値段は399人民元、日本円で7000円弱とお試しに買うのも悪くはなさそう。

中華スマートウォッチ
↑モノクロ2階調ディスプレイ。

 クールウォッチのディスプレイはモノクロ2階調。電子ペーパーを思わせますが液晶です。サイズは1.25インチ、解像度は144x128ピクセル。値段相応というところでしょうか。なお本体はIP54相当の防じん・防水対応、充電は側面のゴムキャップを開いてマイクロUSB端子から行ないます。ディスプレイ周りは金属に見えますがプラスチック素材にメッキ。ちょっと傷が付きそうで心配なところですが、値段が安いので大目に見ておきましょう。

中華スマートウォッチ
↑ボタンは4つ、ベルトははめやすい。

 ディスプレイの左には戻るボタン、右側には上、選択、下、と3つのボタンを備えています。合計4つものボタンがあるのはスマートウォッチとしては多いほうですが、タッチパネルではないのでこれくらいあったほうが良さそう。またベルトはゴム製ですがシリコンが含まれているようで、汗をかいてもべたつきにくくなっています。

中華スマートウォッチ
↑アプリはQRコードで入れる。

 中国のAndroidスマートフォンはほぼ全てがGooglePlayを搭載していません。そのためクールウォッチのスマートフォン用アプリも直接クールパッドから入手することになります。クールウォッチの待ち受け画面から選択ボタンを押すとメニューに入るので、そのまま画面を下にスクロールさせて“About”→“APP download”を選ぶとQRコードが表示されます。これをスマートフォンのQRコードリーダーで読めばブラウザが直接アプリをダウンロードしにいきます。

中華スマートウォッチ
↑アプリを起動してペアリング。

 クールウォッチのBluetoothはONにしておきます。スマートフォンにインストールしたアプリを開けば最初にクールウォッチを検索、見つかれば即ペアリングできます。結構あっけなく両者が接続されました。

中華スマートウォッチ
↑各種コントロールが可能。

 アプリを見ると着信、SMS通知、アラーム通知、カレンダーの予定表示、スマートフォンの音楽コントロールなど様々な機能が搭載されています。ソーシャルサービスの通知が無いのがちょっと残念。機能としては過去に販売されたスマートウォッチレベルに止まっているというところでしょう。とはいえスマートフォン側からもクールウォッチ側からも相手を探す機能があったり、カメラの起動ができるなどよく使いそうな機能はきちんと搭載しています。

中華スマートウォッチ
↑電話の着信問題なし。

 さっそく通話テストを行ってみました。ペアリングしているスマートフォンに他のスマートフォンから発信。着信されると即座にクールウォッチも反応します。音はなりませんがバイブレーションが内蔵されているので振動で着信があることがすぐにわかります。画面の3つの隅にはそれぞれ“着信”、“切断”、“相手にSMS自動送信”を表すアイコンが現れるので、相当するボタンを押せばそれぞれの操作を実行できます。着信したあとはクールウォッチでは通話できないのでスマートフォンで通話を行ないます。

中華スマートウォッチ
↑中華フォントだけどSMSもオッケー。

 またSMSの通知も問題ありません。フォントはアレですけどね。これでソーシャルサービスの通知もできたら本当、常用したくなるのですが、まぁそのあたりは後継機種がでてくることを期待したいと思います。

中華スマートウォッチ
↑カメラのリモコン機能は便利かも。

 他のスマートウォッチでもこの機能を搭載しているものはありますが、カメラのリモコンは結構使い道があるかもしれません。集合写真を撮るときはぜひ使いたいもの。なおリモコンとして使う場合は腕にはめておくよりもはずして本体右のボタンを押したほうが押しやすそう。

中華スマートウォッチ
↑そしてこれも定番なFind機能。

 クールウォッチが見つからない、あるいはスマートフォンをどこにおいたっけ、というときに便利なFind機能はどちらからも利用可能。但しスマートフォンからクールウォッチを探そうとすると、クールウォッチは振動しかしないので耳を澄ませてバイブレーション音を聞き分ける必要があります。

中華スマートウォッチ
↑タッチパネルが無いのがやや辛い。

 クールウォッチのメニューは12あり、それぞれは本体横の上下ボタンで移動させます。よく使う機能が上のほうに配置されているものの、即座にFind機能を使いたい時などボタンを何度も押すのはちょっと面倒。やはりディスプレイはタッチパネルにしてほしいところです。また歩数計も内蔵していますが、これこそメニューの一番上に配置してほしかったかも。

中華スマートウォッチ
↑お手軽中華スマートウォッチがこれから増えてくる。

 機能としては一昔前のモデルの域を超えていないクールウォッチですが、1万円以下で買える値段ならば十分お買い得かもしれません。中国では各スマートフォンメーカーがスマートウォッチの本格参入を待ち構えている状況ですから、より機能が上がり値段の安い製品もこれから出てくるでしょう。また台湾のメディアテックは低価格なスマートフォン用プラットフォームを発表しています。Android Wearに対抗できる1万円程度のスマートウォッチも中国からいろいろと出てきそうですよ。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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