ついに発売されたSIMフリー版iPad AirおよびiPad mini Retinaディスプレイ。新しいiOS機器が出たら、ついやらずにはいられない、みんなお待ちかねのSIM検証のお時間です。
今回用意したのはこちら。
・iPad mini Retinaディスプレイ(SIMフリー、Apple Store店頭で購入)
・IIJmio ナノSIM(docomo)
・mineo ナノSIM(au)
ついにSIM検証記事にも2キャリアぶんの格安SIMが試せるようになりました(もう1キャリアさんもお待ちしてますよっ)。
復習しておくと、先月発売されたドコモ版iPad mini Retinaは、本体でのAPN設定変更もLTEの利用も問題なくできたのですが、唯一テザリングはできないという状況です。
MVNOでもドコモSIMを挿すとドコモ仕様になり、「テザリングが使えなくなるんじゃないかな?」、「ならなら、auのMVNO SIM使えばいいじゃない」的な予想・妄想がたてられますので、実際に試してみました。
技適は無論通ってます |
iOS7.1.2でトライ |
●docomo MVNO SIM(IIJ)
APNは本体設定可能、しかも…… |
まずはAPN設定。ドコモ版iPad mini Retinaではひとつしか表示されませんでしたが、今回はキッチリ3つ表示。ここは表示されているところ、すべて入力しておきましょう。
もちろんLTEは利用可能。ただし、さきほどのAPN設定で“LTE設定(オプション)”のところも入力しておかないと3Gでしか通信できません。IIJmioの場合、“モバイルデータ通信”に入力する公称どおりのものでオーケーです。
祝・テザリング可能 |
ぜんぜん問題ありませんでした!! というのは9割ホント、1割ウソくらいで、APN設定直後はテザリングができませんでした。ただし、その後再起動すると無事利用できるようになっていました。少し冷や汗が出ましたが、そんなときは慌てず騒がず再起動です。
キャリアアップデートをするとテザリング不可 |
とかなんとか騒いでいるとキャリアアップデートが到来。アップデートして設定の一般項目、情報の“キャリア”という部分が“ドコモ 16.2”になるとAPN設定も1項目ぶん、テザリングも不可になりました。
SIMフリー版iPadとドコモMVNO SIMの組み合わせでテザリングを使いたい場合はキャリアアップデートは控えた方がいいということ(つまり、従来の海外版SIMフリー版と同じ)。
もし自分のように「アップデートしちゃったよ……」という人は、一度iTunesでバックアップをとり、iPad本体の“すべてのコンテンツと設定を消去”を実行して、復旧。その後PC側に表示される“お使いのiPad用のキャリア設定のアップデートが利用できます。今すぐダウンロードしますか?”という小窓に“キャンセル”!としておけばオーケーです(詳しい解説を載せてくれているIIJの『てくろぐ』さんには感謝してもしきれません)。
●au MVNO SIM(mineo)
APN設定は構成プロファイルで |
残念ながらAPN設定は表示されませんでした。SIMの挿入直後はすぐLTEにつながりましたが、ネットワークにはつながっていません。
mineoではiOS機器に対しては公式に設定プロファイルを用意しているので、こちらのヘルプページから利用方法を確認して本体にインストールしましょう。これはこれでラクですが、端末に直接入れるにはWiFi環境が必要ですし、PC経由なんて『iPhone設定ユーティリティ』を使うのでもっとメンドウです。
LTEは利用可能 |
こちらは問題なく利用可能です。ただし、設定の“LTE回線を使用”をオフにしてしまうと“1x”と表示されて超低速な通信になってしまうので注意。一瞬機内モードにしても同じです。iPadには当然電話アプリもないので“PRL情報”を更新することもできませんし、対処なしです。LTE設定は常にオンにしておきましょう。
テザリングはできません |
残念ながら……。“Webに移動”というボタンもでますが、auのお客様サポートページに移動するだけで、とくに意味はありません。mineoのホームページを確認してみるとSIMフリー版iPhone5s、5cの場合でもテザリングは“不可”ということになっています。
●今回の検証をまとめると
・日本のApple Storeで売っているSIMフリー版も“ドコモ 16.2”を適用するとテザリングが使えない
・auのMVNO SIM(mineo)ではテザリングがそもそもできない
・LTEはどちらも使える
もし現状のままの仕様が続くのであれば、“ドコモ 16.2”がプリインストールされるなんてことが起きないよう願うばかりです。
●関連サイト
Apple Store iPadストア
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