Google最大の開発者会議“Google I/O 2014”が6月25日(現地時間)にサンフランシスコのモスコーンセンターで開催。25日には基調講演が行なわれ、3時間という長丁場で様々なプロダクトが発表された。開始前は巨大なピタゴラスイッチのような装置でカウントダウンをしていた。
今回は特に“Android”と名が付くサービスばかりが目立つ内容で、GoogleはいよいよAndroidブランドを軸に自社のプロダクトを広げようとしていることがわかった。ChromeとAndroidのアプリ担当のスンダル・ピチャイシニアバイスプレジデントによって進行された。
Androidの30日間のアクティブユーザーの数は10億。さらに毎日9300万の写真が撮られるなど、非常に速い速度で普及している。さらに普及を促進させるため、新興国向けに100ドル以下の低価格端末『Android One』を発表した。
次期Android“L”のデベロッパープレビューを発表。新しいUI/UXの“マテリアルデザイン”を採用、各操作画面やコンテンツを階層のようにさせ、どんな端末や画面サイズでも同じような表示、操作感を得られるようにする。またバッテリーの消費電力削減のため“Project Volta”を採用、より詳細にバッテリー使用の要因を調べられるようになる。さらにAndroidのセキュリティー向上に関する言及も見られた。そして、Lが何を意味するのか現地でも話題になっている。キットカットがあまりにも衝撃的だったため、ハードルが上がっているような。
そして期待通りに発表された“Andorid Wear”は、LGのAndorid Wear『LG G Watch』は国内販売も始まっている。丸い形が特徴のモトローラの『Moto360』とLGに加え、新たにサムスン『Gear Live』の参入が発表になった。対応アプリも発表され、ユニークだったのがAndorid Wear上でピザ注文をできる『EAT24』ではなく、レシピアプリの『Get Started』だ。レシピが順に表示されるのはもちろん、●●分といったところはちゃんとタイマーの機能が作動する。
開発バージョンの実機がそれぞれ会場内に展示されていた。会場でもひときわ盛り上がっていた。Google I/Oに参加したデベロッパーには、『LG G Watch』か『Gear Live』のどちらかをお土産に、後日『Moto360』も手に入る。
円形が特徴の『Moto360』、マットな質感の『LG G Watch』と金属質な『Gear Live』は好みが分かれそうだ。開発バージョンで、画面表示を見られるだけの操作しかできなかったが、画面のスワイプなど滑らかに操作できた。
車載システムのオープンプラットフォーム“Android Auto”も発表になった。1月のCES2014でも、すでにアウディやメルセデスなど各社がAndroidの車載デバイスを展示していたが、今回改めて公式に名称が付けられた形だ。パートナーにも日産、トヨタなどが名を連ねる。車体にAndroid端末を取り付け、Googleマップのナビシステム、音楽、電話(声でテキストメッセージ)を利用できる。Gogoleマップのナビ精度は言うまでもなく、音楽にはSpotifyやPANDORAといった人気サービスがパートナーとして参加。
テレビの新プラットフォーム“Android TV”。テレビ、アプリ、ゲーム、動画をひとつの画面で操作して観ることができる。シャープ、ソニーがパートナーとして参加する。
そのあとにChromecastの発表もあったが、対応アプリが増えるというものと、目玉の追加機能は何といってもAndroidの画面のミラーリングだ。Nexusシリーズや、Galaxyシリーズなど対応端末は限られる。
日本で発売される見通しの『Chromebook』、こちらもAndroidとの連携が強化されている。着信やメッセージ、通知などをChromebookの画面に表示できる。さらにはAndroidのアプリが使えるよう開発していることや、デスクトップにミラーリングして表示するデモも行なわれた。
ChromeとAndroidの統合はたびたび噂されるが、ここまでAndroidばかりだと、統合ではなく吸収になってしまうのではないか。ちなみに発表ではChromebookのカントリーに日本の国旗がしっかりと表示されているのがわかるが、現時点では発売は確定ではないとのこと。
■関連サイト
Google I/O 2014
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