“コスプレ”をテーマにスマホ、ウェブサービスを開発する“アプリコンテスト2014”の最終選考プレゼンが2014年6月21日に開催された。主催は世界コスプレサミットとパソナテックで、優秀賞の作品は7月26日~8月3日に名古屋で開催される“世界コスプレサミット2014”公認アプリと認定される。アプリ部門とアイデア部門ともに最終選考プレゼンに登場した9組が、各6分間のプレゼンと質疑応答のあと、審査された。
審査基準はコスプレに関すること、地域活性を目的とするアプリ、ウェブサービスかどうかの2点だ。コスプレをテーマにコスプレーヤーがふだん何を必要としているのか、活動の助けになるものは何か、また世界から人が集まるイベントだけにユーザーインターフェースやユニバーサル性なども考慮される難しいながらも、結果は、世界コスプレサミット公認アプリに認定される優秀アプリが2つ選ばれるなど、盛り上がりのあるコンテストとなった。
優秀賞のひと組目は、チームとなりのジョーの『なりきりカメラ』で、スマホで撮った動画にエフェクトをかけられるというもの。コスプレーヤーは「かわいい」と褒められるより、「再現度が高い」と感想を言われるほうがうれしいというアドバイスを受けて開発。コスプレしたキャラクターの再現性をより高めるため、キャラクターの技や雰囲気をエフェクトによって補完し、名シーンの再現などを狙う。ただコスプレするだけではなく、ステージでのパフォーマンスもある世界コスプレサミットのコンセプトとも親和性が高い。
『となりのトトロ』でコスプレをそろえたとなりのジョーチームも今後、7月末の世界コスプレサミットまでエフェクトをよりリッチにして精度を高めていきたいとした。中高生にも人気の短時間動画の共有アプリ『Vine』に対応することで、コスプレーヤーだけでない人にも普及しそうなサービスだ。
急きょ決まった2組目の優秀賞はコスレーダーチームのスマホアプリ『コスレーダー』。近くにいるコスプレーヤーを表示できるもの。まずはアプリに名前、キャラクター名などを登録、ほかにアプリを使っているコスプレーヤーを方位磁針のように位置情報を使って表示できるというもの。
開発のきっかけは“感動の共有”、ひとりでコスプレをしてもつまらない。たとえば、艦これの金剛のコスプレをしていて、近くに榛名のコスプレをいた人がいれば、アプリを使って近くまで行き“合わせ”ができる。またユーザーを軸にLINEのようにメッセージが送れるチャット機能もある。5ヵ国語にも対応するのも、今回の世界コスプレサミットで仲間を探せて、感動を増やせる可能性のあるアプリだ。コスレーダーを開発した小西裕介氏(左)はこの日が初めてのコスプレで『進撃の巨人』の調査兵団の姿で登場、隣は世界コスプレサミット代表のWCF小栗徳丸代表取締役だ。
パソナテック賞には、TEAM GINZAの『コスコレ』が選ばれた。このアプリは、撮影した写真にフレームを付けて、カードゲームのように加工して、ソーシャルでシェアできるもの。
イベント当日のその場で参加者同士が楽しめるように、リアルタイム性を重視。加工された写真は専用Tumblrにアップロードされ、ユーザーがどんどん増えていく仕組み。作品名やキャラクターにでのタグ、会場の場所ごとによるタグなどで交流を目的とした楽しみ方もできる。位置情報はオンオフが可能。
コスプレ経験者もいるTEAM GINZAはレベルの高いコスプレで登場。左から『テルマエ・ロマエ』のルシウス、『魔法少女まどか☆マギカ』の暁美ほむら、『忍たま乱太郎』、『艦隊これくしょん~艦これ~』の金剛の4人でプレゼンした。
ここからは惜しくも入賞を逃した6チームを紹介。どれもコスプレと地域活性をテーマにアイデアを絞った作品ばかりだ。
この日トップバッターを務めたウィンクルは唯一のハードウェアネタ。光でつながるスマホアプセサリー『ウィンクル』をiOS端末のイヤホンジャックに挿し、アプリに趣味を登録しておけば、同じ趣味の人が近くに来ると、そのアクセサリーが光るという仕組み。近距離通信“iBeacon”を利用する仕組みだ。共通の好きを可視化して、話しかけるキッカケをつくれる。
『COSPITALITY』は、コスプレーヤーとイベント企画者のマッチングサービス。イベント企画者が日時や人数、場所を登録。コスプレーヤーは空いている日の登録やイベントリストからの選択で両者をマッチングする。コスプレーヤーはイベント企画者から出演料を受け取る、イベント版『Airbnb』のようなサービスだ。誕生会やホームパーティー、撮影会など。
チームNantoApps!の『コスプレAVGカメラ』は、撮影をより楽めるアプリ。撮った写真に、アドベンチャーゲームのワンシーンのようなデザインのフレームとセリフを付けられる。セリフに合ったポーズで撮影してもらうなど、撮影する側、される側双方で楽しめる。
『jigブラウザ』や『モバツイ』が有名なjig.jpも参加。2014年3月にリリースしたオタクグッズに特化したフリマアプリ『オタマート』を、世界コスプレサミット向けにコスプレーヤーどうしが衣装を簡単に売買できるプラットフォームとして紹介。
Nakayosix's Knightは、コスプレーヤーをトラブルから守るためのアプリ『黒羊』を作成。人気コスプレーヤーのファン同士がユーザーとなり情報を共有する。またコスプレに関わるお店を地図上に表示する機能もあり、地域活性化を狙う。
ブラジル人の松野チアゴさんの作成したアプリ『コスバトル』は、コスプレーヤーが自分の写真をアップロード。あとはランダムで表示される2枚のコスプレ写真をどっちがいいかを選ぶもの。ランキングも表示される。
9つのユニークなアプリとサービスが出て、世界コスプレサミット公認アプリが2つ誕生するなど白熱したコンテストとなった。コスプレをテーマにする異色のアプリコンテストだけに、テーマがユニークだと出てくるアイデアも多彩だ。このようなニッチにテーマを絞ったアプリコンテストはこれからも広く出てきたらおもしろいと感じた。
この日は参加者のほかにもコスプレで参加する人も多かった。司会を務めたみゃこさんは、『ブレイドアンドソウル』のジン・ハズキのコスチュームで登場。ええ、かわいすぎでした。
もうひとり司会進行でイベントを盛り上げた『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ姿のハブロ・レイ氏は、会場に来ていたクラウディア窓辺の中の人ことマイクロソフトのテクニカルエバンジェリスト戸倉彩さんのセイラさんと合わせ。
パソナテックの吉永隆一代表取締役社長は、世界コスプレサミットのイメージキャラクター、Ras(ラス)の姿で登場。社長自らとは熱い!
そして会場でもひと際、存在感のあった『仮面ライダー THE NEXT』のライダー1号。なんと技術評論社から取材に来ていたプレス陣。実はずっと隣でカメラ撮影していたが、ガタイがよく、迫力ありすぎでした。
審査員も務めた世界コスプレサミット2013日本代表の万鯉子さんとFRANさんによる麗しいパフォーマンス。ファミコンソフト『悪魔城ドラキュラ』の登場人物で、見事な殺陣を披露。
プレゼン前には『ラブライブ!』のμ'sのコスプレコピーグループ“ラブ☆パカ”によるパフォーマンスも披露された。
■関連サイト
アプリコンテスト2014
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります