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『カオスだもんね!』梅雨に大活躍!“ぽん”と入れて“ぽん”と抜く!それが傘袋自動装着器『傘ぽん』だ!

2014年06月06日 23時30分更新

文● シャクライ 編集●アカザー 漫画●水口幸広


長崎は今日も雨だった。と、なんとなく書いてみましたが長崎を含め日本全国が梅雨真っ只中。昨年の今ごろに高級ビニール傘の“ホワイトローズ”を取材したように、今年も梅雨のこの時期にふさわしいものを取材してきたみたいですよ。

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よくスーパーなんかの入口に置いてある、あの“傘カバーマシン”(傘袋自動装着器)は『傘ぽん』っていうんですね。たしかによく見かけますが、シャクライも名前までは知りませんでした。そんな傘ぽんをつくっているのは神奈川県の村春製作所さんです。

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到着。取材日はずっと雨だったようですが、この取材に関してはむしろこの方がふさわしい感じですね。

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そしてそんな村春製作所の前にはなぜか等身大のロボットが!? 名前はなんて言うんでしょう? ロボぽん?

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なんか遊び心溢れる会社みたいですね。そして入り口には巨大な傘ぽんのオブジェが!

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ミズグチさんも言ってますがホントに画期的ですよね。どういった発想で生まれた製品なのでしょうか? さっそく中に入って伺うことにしましょう。

取材を受けてくれたのは専務の村上さんです。なんとこの人こそが、傘ぽんの生みの親! 開発者直々に誕生秘話を聞かせていただけることになりました。

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もともとは板金工場だったんですね。そう言われると、先ほどのロボットオブジェ(ロボぽん?)のことも頷けます。

そして、90年代はじめのバブル崩壊を機に・・・・・・。

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シャクライもこんなカッコイイこと言ってみたいです。言う機会がありませんが。

でも、やはり村上さんも苦労はされたようで……。

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これはシャクライもよくあります。良いアイデアなんて、そうそう出るものではありません。

そんなある日。

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傘袋自体は90年代はじめにはすでにあったんですね。そしてここで、村上さんにとって衝撃的なシーンを目撃!

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おそらくふつうの人が見てもなんてことのない光景だったと思うのですが、常日頃から良いアイディアを模索していた村上さんはそれに気づいたのです! 

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と、言われてもミズグチさんとアカザーさんはピンと来てないようなので。

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ここであらためて当時の傘袋への傘のしまい方を見てみると、ふつうの人はこう。

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そして村上さんが見たその人は……。

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この利用者、ただの横着者じゃないですか! と言えなくもないのですが、しかしこの吊るされた傘袋に直接傘を入れる行為こそ、傘ぽんを使用する際の基本動作なのです! そして着想を得た村上さんは、現在の傘ぽんのもととなった初期モデルを完成させます。

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ちなみにこの初代傘ぽんは足元にペダルが付いていて、そのペダルを踏むことで傘袋の口が開き、そこに傘の先を入れる仕組み。

この画期的な製品に“イケる”という手応えを感じた村上さんは、これを売ってくれる販売店探しに奔走するのですが……。

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最初はなかなか賛同を得られなかったみたいです。それでも諦めず販売店をまわり続け、やっと出会ったのが現在の販売代理店である新倉計量器。

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が、そんな新倉計量器も最初の反応は他社と同じ。しかし、倉庫に放置されたいた傘ぽんを新倉計量器の社長は見逃さなかった!

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当時はまだ知名度のない傘ぽんだけに、デパートや飲食店に無料配布するという大胆な戦略で認知度をアップ! この新倉計量器の社長さんはかなりのやり手ですね。

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とはいえ、最初はこんな扱いも……。

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酷すぎです! ですがようやく販売ルートを確保したことで、村上さんは傘ぽんのさらなる改良に着手。これは病院などに置かれた場合、足の不自由な人も利用するということを考慮したそうです。

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そして、“靴ベラ”をヒントに生まれたのが現在の傘ぽんというワケです。

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その仕組みはこんな感じ。

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しかし、ここでまた新たな問題が勃発!

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しかし、この問題は傘袋に“静電気防止剤”を混入することでクリア!

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こういった努力が実を結び……。

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しかもその後も傘袋はさらなる進化を遂げます。

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こういった細かい改良&テストの裏には、膨大な量の傘の存在があったようです。

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そして、その傘袋の改修は最終的に傘袋回収機にまで及び……。

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いやはや、ユーザーのニーズに応え、製品を完璧なものしようとする姿勢が半端ないですね。

ここでちょっと場所を変え、歴代の傘ぽんを見せていただくことに。

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まずはいちばん売れているスタンダードタイプから。

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お次は全天候型。ふだんは店頭などでゴミ箱として使用し、雨が降った前後をらひっくり返して傘ぽんになるという、素晴らしきリバーシブルマシンです。

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また様々なカスタマイズにも対応できるそうで、オプションなども充実。

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そんなオプションパーツの中で、最近もっとも売れているのがこちら。

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さらにそのオプションパーツの機能を最初から組み込んだのがこの最新モデル。

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つくづく、ユーザーのニーズに応えたものづくりです。しかも、板金屋としての村上さんのこだわりや職人魂が傘ぽんには強く反映されているとのこと。

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そして最後に、あらためて傘ぽんを体験!

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若干わざとらしいですが、せっかく来たんだからやりたい気持ちもよくわかります。

ということでこれからの季節、デパートなどの店頭で傘ぽんを見かけたら、濡れた傘を“ぽん”してみてください!

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雨の日に大活躍!“ぽん”と入れて“ぽん”と抜く!傘袋自動装着器『傘ぽん』の開発秘話は週刊アスキー6/10号(5月27日発売)の『カオスだもんね!PLUS』をチェック!


村春製作所(外部リンク)
新倉計量器(外部リンク)

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