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胸アツ!『スマートドール 末永みらい降臨祭』ニコ生全記録|ニコニコ超会議3

2014年04月28日 15時00分更新

 ニコニコ超会議3会場にあるKADOKAWAブースで生放送された、ダニー・チュー×福岡俊弘×週刊アスキー イトーの生対談『週刊アスキー×ダニー・チュー スマートドール末永みらい降臨祭』。実際に目の前で動いているみらいちゃんがみられるとあって、ブース前にはたくさんの視聴者がかけつけてくれた。

スマート・ドール 超会議3
↑みらいちゃんの生みの親、カルチャー・ジャパン代表のダニー・チューさん(左)、ダニーさんと長い付き合いの元週刊アスキー編集長 福岡俊弘(中央)、編集長代理のイトー(右)の3人。ダニーさんの前には3体のみらいちゃん。右側に座っているドールはみらいちゃんではなく、福岡の嫁なので気にしないでほしい。

 まずは、世界中を飛び回るダニーさんは、いったい何者なのかといった紹介から番組はスタート。日本のカルチャーに魅了され、イギリスから来日したのは15年くらい前。ほとんどクレヨンしんちゃんを読んで覚えたという日本語はペラペラで、Amazonやマイクロソフト、JALで働いていたが、今は『カルチャー・ジャパン』を立上げ、自身のサイトなどを通じて日本の日常風景写真をUPしたり、アジア全土やアメリカ向けのテレビ番組制作や海外各地のイベントを主催するなど、日本のオタク文化を世界各国で広く紹介している人物。そんなダニーさんが、自分の理想のキャラクターを、と2007年に誕生させたのが”末永みらい”ちゃんとなる。

スマート・ドール 超会議3
↑みらいちゃんはもともと2次元のキャラクター。アニメ化もされ、ねんどろいどやfigmaなどで商品化もされている。

“末永みらい”という名前は「僕の未来のすべて、ということ」と笑顔で語るダニーさん。もちろん、当時のGoogle検索エンジンなどで出てこない新しい名前でもあったからというが、今では世界中にファンが存在する人気キャラクターへと成長している。海外の単独イベントでも1万人弱のファンが訪れるほどだ。

 髪どめの×マークは“コラボレーション”の意味がこめられている。経済産業省や国土交通省が海外向けにつくる日本紹介用パンフレットにも登場。タイでは飛行機のラッピングにもなり、その際、キャビンアテンダントは全員、オレンジのセーラー服を着たとか(日本でも是非やってほしい!)。

 さて。話はいよいよ本題、スマート・ドールプロジェクトへ。もとはといえば、海外では”いかに嘘をたくさんつくか”が大事だというエイプリルフールに、みらいちゃんのドール化プロジェクトをCG画像で紹介したのが発端。

スマートドール 末永みらい

 自身のウェブサイトで紹介したと同時にロボット業界が大騒ぎとなり、そこから実際にいろいろな才能を持っている人たちと出会うことで、プロトタイプが誕生したという。しかも、その間、わずか2~3ヵ月後だというから、驚愕のスピードだ(関連記事)。

スマート・ドール 超会議3
↑ボークスの素晴らしい人形も大好きだが、「みらいちゃんがどうしても欲しくて(自分で)つくっちゃった」とダニーさん。
スマート・ドール 超会議3
↑最初につくられたプロトタイプのスマートドール。

 まずモーターのテスト版としてMKⅠが、続いて、JAXAのロボット開発などでも有名な松村礼央さんの協力のもと、最新版の量産型モデルMKⅡが誕生した。ニコニコ超会議3の会場にも水着姿のMKⅡが来ているが、試作段階ということもあり、何度かダニーさんの事務所を訪れているイトーも、まだ動いているみらいちゃんを1度も目にしたことがないという。

スマート・ドール 超会議3
↑座っているみらいちゃんの腕を、伸びをするように上下させるというデモンストレーション。余談だが、みらいちゃんはソフビなので、さわるととても柔らかくてやさしい感触がする。

 幕張までの移動の際に、モーターが少し壊れてしまったため、「今日はゾンビみたいにふるえちゃうかもしれないけど」と心配しながらのデモンストレーションとなったが、見事にAndroidスマホと連携して両腕を上下させ、ロボットとしてのスマートド-ルの魅力を生で披露してくれた。

スマート・ドール 超会議3
↑両手を上げ、バンザイポーズを自分でとるみらいちゃん!!!!

 モーターは胴体に4ヵ所、細い腕に3ヵ所、ひざに1ヵ所。既存のものをこの細い胴体に入れるのは難しいため、イチから開発しており、今は、服を着せたりウィッグをつけた際に力のかかり具合が変わってきてしまうのを、どうクリアするのか、が課題だ。

 また、ダニーさんは、ドール部分もイチから3Dで設計し、3Dプリンターで出力してつくりあげている。骨格部分のデザインは、“3Dの忍者”ことミヤタノリアキさんが担当。すべてをメイドインジャパンにこだわったのは、「ドールをつくって儲けることより、いいものをつくりたいから」とダニーさん。「日本のおもてなし、こだわり、細やかさ、器用さに僕は脱帽している」と職人に対するリスペクトを語り、コンテンツで伝えられる技術を持っていると強調した。

 スマート・ドールには2体存在し、モータのない純粋なドールモデルを”マニュアル版”と呼び、モーターの入った動くモデルを”オートマチック版”と呼ばれている。

スマート・ドール 超会議3
↑左がオートマチック版の中身(イメージ)で、右がマニュアル版の中身の骨格。マニュアル版の骨格はポージングの自由度が高そう。

 マニュアル版は5月中に6万円で販売予定だが、すでに海外からは1000体の予約注文が入っている状況だ。オートマチック版は12月くらいには販売できるまでに仕上げたいとか。

スマート・ドール 超会議3

 また、視聴者に向けて、中にモーターが入って、スマホでフルコントロールできるオートマチック版は、いくらくらいすると思うかといったアンケートも実施。
 6万円以下、7~10万円、11~15万円、16~20万円、いくらでも買うよ!の5つの選択肢で聞いてみたところ、いくらでも買うと答えたユーザーが8.3パーセントも存在すると判明。また、現実的には10万円~20万円の間を期待している人が多いという結果になった。果たして、スマートドールの実物はいくらでの販売になるのだろうか?

スマート・ドール 超会議3
↑アンケート結果。「6万円以下」との回答が最も多く、次いで「11~15万円」が多かった。

 みらいちゃんはSNSの通知やメールの到着を教えてくれる、スマホの代わりになるような機能が搭載される予定だ。「みらいちゃんは次世代のソーシャルメディアだと考えている」とダニーさん。スマートドールをもって歩いていることで、普段話したことのない人たちと自然に会話が生まれ、ソーシャルでつながるような時代が来る、「それが僕のビジョンです」と語った。

スマート・ドール 超会議3
↑ちなみに福岡はソニーの犬ロボット『AIBO』の初期バージョンを25万円で買ったところ、空き巣被害でAIBOだけ見事に盗まれたらしく「今ごろ山奥のサーカス小屋にいるんじゃないかと思っている」とのこと。
スマート・ドール 超会議3
↑今回は難しかったが、本来は何の操作も行なわれない際にスタンバイモードでゆらゆらと動いてくれるんだとか。製品版までにはゾンビモードにならないようしっかり作りこんでいくとのこと。

 最後に、「スマートドールはどこまで進化していくものなのか?」と、福岡が尋ねると、2速歩行は当たり前として「ゆくゆくはお使いで牛乳とバナナを買っといて、というと買いに行ってくれる」ドールにしたいとダニーさん。しかも、「5~6年後には」実現させたいという。「こうやって冗談で言ってるのを、割と本気でやるからね」と福岡。実際、構想からたった3ヵ月でゼロから作り上げてしまったダニーさんの熱意があれば、本当にお使いに行ける二足歩行のドールが誕生するのではと期待してしまうのも事実だ。

 スマートドールの最新情報は近日公開されるsmartdoll.jpサイトで確認できる。また、週刊アスキーでは、オートマチック版の発売に合わせてダニーさんの連載を始める予定だ。お楽しみに!!

※ニコ生アーカイブの『スマートドール 末永みらい降臨祭』は、番組開始から2時間前後にスライダーを合わせて頂くと視聴できます。

5月20日追記 初出時、アスキーストアにて“マニュアル版”の取り扱いをする旨の記述がありましたが、現時点ではオートマチック版のみの取り扱いとなります。マニュアル版のお買い求めについてはsmartdoll.jpにお問い合わせください)

■関連項目
カルチャー・ジャパン 
ニコニコ超会議3
松村礼央さん個人サイト 

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