マイクロソフト製タブレット『Surface』シリーズ用のオプションとして、『パワーカバー』が4月11日より発売されています。
↑バッテリー付きのキーボードカバー『パワーカバー』がついに日本でも発売に。Microsoft Storeでの価格は2万551円。 |
↑第一印象ではタイプカバーに近い外観だ。 |
Surfaceシリーズの必須オプションともいえるキーボードカバーでありながら、バッテリーを内蔵。Surfaceの駆動時間を70%も伸ばすことができる点が特徴です。果たしてどれくらい駆動時間は伸びるのか、重さはどうなのかなど、レビューしてみたいと思います。
■キーボードカバーにバッテリーを内蔵、専用端子も
パワーカバーは、Surface用のキーボードカバーのひとつである『タイプカバー』をベースに、バッテリーを埋め込んだような外観をしています。バッテリーを搭載しているだけあって、厚みが増しているのが特徴です。
↑薄型のタッチカバーやタイプカバーに比べて、バッテリーのぶんの厚みがある。 |
↑パワーカバー(左)とタイプカバー2(右)の厚さ比較。バッテリーのぶんだけ厚さが増している。 |
また、従来のタッチカバーやタイプカバーとはコネクターが異なり、給電用と思われる端子が新たに加わっています。
↑パワーカバー(上)とタイプカバー2(下)のコネクタ比較。給電用の端子が増えている。 |
ただし、Surface本体側にこの給電用端子を備えるのはSurface Pro、Surface 2、Surface Pro 2の3機種のみとなっています。初代Surface(旧Surface RT)はこの端子を持っていないため、パワーカバーの対応機種リストから除外されています。
↑Surface下面の端子を比較。上から初代Surface、Surface Pro、Surface 2、Surface Pro 2。初代Surfaceにも凹みは確認できるが、金属の接点を備えていない。 |
なお、試しに初代Surfaceにパワーカバーを装着してみたところ、バッテリーとしては認識されないものの、キーボードやタッチパッドについては問題なく利用することができました。
■使い勝手はタイプカバー2と同様
パワーカバーのキーボードとしての使い勝手を一言で表せば、タイプカバー2と似ています。バッテリーにより厚みは増しているものの、キーストロークは変わっていません。そのため、キータッチの感覚はタイプカバー2と同等となっています。ただし、タイプカバー2で新たに採用されたバックライトには対応していません。
タッチパッドも、タイプカバー2と同じフラットな形状のものが採用されています。
↑パワーカバーのタッチパッド(下)は、タイプカバー2(上)と同じフラットなタイプ。 |
実際にSurface 2やSurface Pro 2にパワーカバーを装着してみたところ、特にドライバーのインストールなどは必要なく、すぐに2個のバッテリーが認識されました。
↑Windows 8.1上ではバッテリーが2個あるものと認識される。ちなみに#1が本体のバッテリー、#2がパワーカバーのバッテリーを表している。 |
バッテリーが2個ある上で気になるのは、どちらのバッテリーが先に使われるのかという点です。この点についてパワーカバーはよく考えられており、パワーカバーを装着した状態ではパワーカバー側のバッテリーが先に減っていきます。これにより、Surface本体のバッテリーをなるべく温存することができるわけです。逆に充電時には、Surface本体のバッテリーが優先的に充電されるようになっています。
運用面で気になるのは、やはり重量です。タイプカバー2の266gに対して、パワーカバーは549g(いずれも実測値)と確実に重くなっています。Surface Pro 2に装着した場合は1467g、Surface 2との組み合わせでも1194gと、ちょっとしたノートPC並みの重量となってしまうのが難点といえます。
■Surface Pro 2のバッテリー駆動時間が1.5倍以上に
Surface Pro 2はパワーカバーなしの状態でも9時間17分と十分な駆動時間がありますが、パワーカバーを使うことで、駆動時間はどれくらい延びるのか、実際にテストを行なってみました。
まずはSurface Pro 2にパワーカバーを装着した状態で『BBench』によるテストを行ないます。測定条件としては、画面の輝度は40%に、自動輝度調節は無効化し、キー入力とWiFiによるWeb巡回を有効にした状態で、バッテリー残量が5%になるまでの時間を測定したところ、実に54%ほど延び、結果は14時間20分でした。丸1日の駆動はもちろん、1泊2日の出張でも充電が不要なレベルといえます。
また、Surface 2とパワーカバーの組み合わせでは実に19時間49分も動作しました。Windows RTではBBenchが動作しないものの、Wi-Fi接続状態でWebページを定期的に巡回するBBench相当のスクリプトでテストを行なっています。本体のみで測定した場合の13時間31分に対し、47%ほど長く使えることが分かります。
このように、パワーカバーは重量面での難点はあるものの、Surfaceシリーズを長時間運用したい人にとって、要検討のオプションといえるのではないでしょうか。
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