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ビル・ゲイツに会いたいか!? 学生ITコンテスト『Digital Youth Award』開催

2014年04月14日 22時00分更新

文● 中山智  編集●アタラシ

 日本マイクロソフトをはじめとする業界団体『WDLC』(ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム)は4月12日、学生によるITコンテスト『Digital Youth Award』を開催した。

 コンテストは、『“だれかをハッピーにする”タブレットアプリ』をテーマに、アプリのアイディアを競う“アイディア部門”と、実際にアプリを開発まで行なう“アプリ部門”の2つの部門で競われた。当日は、両部門あわせて600以上の応募のなかから、それぞれの部門の予選を通過した5チーム、合計10チームが会場に集まり、決勝の舞台でプレゼンテーションを行なった。

↑各チームが壇上でプレゼンを行なう。持ち時間が決まっており、オーバーした場合はその時点で打ち切られる厳しいルール。

Digital Youth Award

↑審査は東京千代田区のKDDIホールで行なわれ、審査員の厳しい目で優勝チームの選出が行なわれた。

■アイディア部門

 コンテストは、アイディア部門のプレゼンテーションからスタート。アイディア部門は実際にアプリの開発は必要がないため、なぜそのアプリを開発したかや、アプリUIのイメージ、ビジネスモデルについてなどがプレゼンの内容となる。決勝に進出したチームは次の5組。

●カプサイシン・鈴鹿工業高等専門学校『PrintScan』

Digital Youth Award

↑カプサイシンの『PrintScan』は、タブレットやスマホを使った、デジタル暗記シートのアイディア。

Digital Youth Award

↑タブレットやスマホをかざすだけで、重要な語句をピックアップしてくれる。


●吉田圭汰・拓殖大学『shionpush』

Digital Youth Award

↑拓殖大学の吉田さんは、遠距離恋愛中の相手をハッピーにするアプリを提案。

Digital Youth Award

↑チェーン店のファミレスなどで、離れていても同じメニューが見られる機能など、恋人どうしならではのアイディア。


●Team Green・東北大学『あぐりば』

Digital Youth Award

↑東北大学のTeam Greenは、農業従事している高齢者に向けたアプリ『あぐりば』をプレゼン。

Digital Youth Award

↑アプリのイメージとしては、農業版の『クックパッド』とのこと。農業に関する知識が手軽に検索できる。


●小林萌恵・慶應義塾大学『Challenge for SHS』

Digital Youth Award

↑小林さんは、遠距離にある学生グループどうしのつながりを手助けするためのアプリ『Challenge for SHS』を企画。

Digital Youth Award

↑マーケティングなどの情報を提供することで、企業などの協賛を募るビジネスモデルを発表。


●ぽよとぅす・中央大学/拓殖大学『One Topic』

Digital Youth Award

↑2つの大学の共同チーム・ぽよとぅすの『One Topic』は、親がピックアップした新聞記事を子供と共有できるアプリ。

Digital Youth Award

↑子供に社会への興味を与えるとともに、コメント機能などを使ったソーシャル機能も搭載するとのこと。


■アプリ部門

 アプリ部門も同じく5チームがプレゼンを行なった。時間の関係で、実際のアプリのデモは事前審査が行なわれており、ステージではプレゼンのみが披露された。

●Project DoG・新潟コンピュータ専門学校『Distortion of GRAVITY』

Digital Youth Award

↑“ゲームになじみのない人でも、カンタンにはまれる”をコンセプトに開発した『Distortion of GRAVITY』。

Digital Youth Award

↑現在はデスクトップアプリとして稼働。またライブラリーも同時に開発し、別のゲームも手軽に作成できるようになっている。


●Spot・筑波大学『Spot』

Digital Youth Award

↑スポーツの試合を録画しながら、リアルタイムで“Good”や“Bad”などのタグ付けが可能なアプリ。あとから“Good”のシーンだけを視聴できる。

Digital Youth Award

↑動画に描き込みもでき、試合中のハーフタイムなどで作戦伝達などにも使える。


●かぞくぐるみ・鳥羽商船高等専門学校『かぞくぐるみ』

Digital Youth Award

↑ぬいぐるみをインターフェースにした遠隔コミュニケーションシステム。遠距離に住む祖母がぬいぐるみを通して孫と遊べる。

Digital Youth Award

↑ぬいぐるみにはロボットが組み込まれ、Kinectを使って検知した動きにあわせてぬいぐるみも動作する。ぬいぐるみもいちから自分たちで製作している。


●Project YABAI・都立小松川高等学校『AzyoRemocon』

Digital Youth Award

↑タブレットをテレビのリモコン化して、寝転がりながらでもテレビを操作。Twitterと連携したソーシャル機能も搭載する。

Digital Youth Award

↑タブレットアプリだけでなく、リモコン機能に限定されるが、Windows Phone用のアプリも開発し、会場で展示していた。


●team FUKUSHIMA・慶應義塾大学大学院『asobo(アソボ)』

Digital Youth Award

↑子供が楽しみながらカラダを動かして遊べるシステム。Kinectで動きを検知して対象者に着ぐるみのCGを重ね合わせるとっいった機能を装備。

Digital Youth Award

↑コンセプトを説明するために、来場者にアプリで行なう動きを試してもらうプレゼンを行なった。


■2チームが『Imagine Cup』にノミネート

 すべてのプレゼンテーションが終了したのち、審査が行なわれ結果が発表となった。アイディア部門では、準グランプリに吉田圭汰さんの“shionpush”、グランプリには小林萌恵さんの“Challenge for SHS”が選出された。

Digital Youth Award

↑アイディア部門のグランプリ小林さん(左)と準グランプリの田中さん(右)。

Digital Youth Award

↑小林さんと田中さんは、5月31日開催される『TEDxTokyo』のサポートメンバーに参加する資格もプレゼントされた。


 準グランプリとなる吉田さんは、前回もアイディア部門でグランプリを獲得しており、2年連続の受賞となる。審査員からは「次回はぜひ実際にアプリを開発してアプリ部門に挑戦してほしい」と期待がかけられていた。

 グランプリの小林さんは、応募時は高校生ということもあり、審査員が気が付かなかった、若い人の悩みを解決するテーマが高いポイントとなったようだ。

 そしてアプリ部門は、準グランプリに鳥羽商船高等専門学校の“かぞくぐるみ”、グランプリには筑波大学の“Spot”が選出された。

Digital Youth Award

↑アプリ部門の受賞者。左から準グランプリの鳥羽商船高等専門学校・宮村久也さん、小山紗希さん、Choviwatana Palinさん、濱口堅太さん、グランプリの吉田拓真さん、木藤紘介さん。

 準グランプリの“かぞくぐるみ”は、アプリの開発だけでなくインターフェースのぬいぐるみのできばえが秀逸。動きこそぎこちなかったものの、Kinectでの操作もしっかりとトレース。審査委員のマイクロソフト ディベロップメント・加治佐俊一社長も「ぬいぐるみの中のロボティクス機能という日本的なソリューションである点を評価しました」と寸評していた。

 グランプリの“Spot”はアプリの完成度が高く、今すぐにでもアプリストアで販売できるレベル。また対応スポーツを増やしたり、プロスポーツチームとの提携などビジネスモデルもしっかりと考えられているのがポイントだ。審査員のIntecur創業者兼最高経営責任者の齋藤ウィリアム浩幸氏からは「世界をスポーツという共通語でつなぐことのできる作品で、海外でも通用するだろう」と評価。

 アプリ部門は、マイクロソフトが主催する学生向けのITコンテスト『ImagineCup』の日本大会も兼ねており、グランプリ、準グランプリの2チームが7月末にシアトルで開催される世界大会への出場チームとしてノミネートされる。

 ちなみに Imagin Cup公式ページには「
Imagine Cup のファイナリストから選ばれる 1 チームに、マイクロソフトの創業者で現在はテクノロジアドバイザー、そしてビル & メリンダ・ゲイツ財団の創業者である ビル・ゲイツ との会談の場を提供する。選ばれた学生たちは、起業家、革新者、そして人道主義者であるビル・ゲイツと、夢や輝く将来への熱い思いを分かち合うことができるだろう」とある。そう、この先、勝ち抜け続ければ、あのビル・ゲイツ氏と会談するチャンスが得られるのだ。

 6月3日には、この2チームのどちらが世界大会に出場するかが発表される。どちらが選出されても、世界大会で十分戦えるレベルの作品となっており、今後の活躍に期待したい。

■関連サイト

Digital Youth Project
Imagine Cup
Imagin Cupとは(日本サイト)

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