本日、音声通話対応やクーポン増量(4月1日から)が発表された個人向け格安SIM“IIJmio”。アップデートされたことで新たに浮上した疑問や細かい仕様を製品説明会で聞いてきました。
↑今回のアップデート内容を解説するIIJ サービス戦略部サービス企画1課長の青山直継氏。 |
■MNPはできるのか?
IIJmioをはじめとする各種格安SIMは、キャリア(大手3社)が提供するものより維持費が抑えられるのが特徴です。ですが、万が一ほかの通信事業者へ電話番号を移したいとき、つまりMNPしたいときは人によってはあるはずです。
IIJmioの音声通話オプション対応SIMはそんな声にも応え、MNP転出が可能。なお、ほかのキャリアからIIJmioに入ってくるMNP転入は4月中旬から対応予定。
ただし、注意しなければいけないのは12ヵ月以内の解約・MNP転出の場合は違約金(解約調停金)が必要な点。ただし、違約金の金額は“(12ヵ月-利用開示月を0ヵ月とした利用月数)×1000円”としており、たとえば4月1日から利用をはじめ4月中に解約すると1万2000円、5月1日に解約すると1万1000円になります。
■キャリアSIMとの違いは?
音声通話もSMSもできて、LTE通信も利用できる。これらの点を考えるとキャリアが提供するSIMと大差ないように感じます。ただ、やはりキャリア独自サービスなどは提供されないため、現在主要4キャリアから乗り換える際には注意が必要です。
気になるサービス対応例
・未成年の名義での契約……×利用不可
・キャリアメール……×利用不可
・留守番電話……×利用不可
・キャッチホン……×利用不可
・転送電話……○利用可能
・迷惑電話拒否……○利用可能
・遠隔操作(転送電話の設定など)……○利用可能
・おサイフケータイ機能(Edy、Suica、WAONのポイントなど)……×利用不可
・国際電話……○利用可能(月2万円まで)
・国際ローミング(通話)……○利用可能(月5万円まで)
・国際ローミング(データ)……×利用不可
・エリアメール(緊急地震速報など)……○利用可能
データ通信のローミングやおサイフケータイ、留守番電話などキャリアが独自もしくは密接に関係して提供しているものはやはり利用できないようですですが、そもそもキャリア独自機能を使っていない人や、学生などこれから携帯電話を持とうという層向けには、最低金額1995円のIIJmioのほうがオススメです。
■店舗で販売しているパッケージ版について
音声通話機能付きSIMのウェブ申し込みは3月13日からスタートしますが、ビックカメラとイオンの各店舗ではすでに店頭パッケージでの販売が開始。
オンライン申し込み版とのおもな違いは、ショップ独自のポイントや割り引きサービス、特定端末とのセット購入が可能なところ。
また音声通話対応SIMのパッケージ版は、従来のデータ通信専用SIM(SMS対応も含む)のパッケージと異なり、店頭で購入してもSIM本体は後日発送になります。これは法律上必須な本人確認をする上で必要なことだそうで、発送は通常7~10日程度かかります。
IIJmioの担当者にビックカメラやイオンの場合、店頭で購入しているのだからその場で本人確認などの手続きはできないのか聞いたところ、「理論上は可能ですが、まだそのようなルートの整備はされておらず、今後検討していきたい」と語っていました。
■プリペイド版では使える? そのほかの変更点は?
そのほかに、プリペイド版で通話ができるか聞いたところ、「プリペイド版は完全にデータ専用で用意しているため、SMS対応版もない」と回答。
また4月1日から“ミニマムスタートプラン”は月500MBから月1GBへ、“ファミリーシェアプラン”は月2GBから3GBへ高速化クーポンが増量されます。月2GB利用可能な“ライトスタートプラン”はクーポンの容量は変わらないものの、従来クーポンOFF時(200Kbps通信時)に3日間合計120MBでかかる通信制限が、3日間366MBまで緩和されています(ほかのプランは今までも3日間366MBが目安)。
■今後の業界での活躍も大いに期待!
↑IIJのネットワーク品質へのこだわりや利便性を語る同社モバイルサービス課担当課長の佐々木太志氏。 |
MVNO各社の値下げ合戦が顕著な現状ですが、同社モバイルサービス課担当課長の佐々木太志氏によると、「IIJは価格だけで勝負をしているわけではない」。クーポンを任意でオン・オフを切り替えられる点、クーポンの残量を翌月に繰り越せる点、クーポンOFF時でも最初の3秒はブースト時間を設けて体感速度をあげている点などを挙げ、よりユーザーが使いやすい環境を提供しています。
キャリアのSIMに比べて維持費を確実に抑えられる格安SIM。音声通話に対応し、ネットが使えない“もしも”のときの通信手段ができた今、今まで導入しようか迷っていた人も本格的に検討し始める時期が来たのではないでしょうか。
●関連サイト
IIJmio高速モバイル/D 公式ページ
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