↑スマートフォンを使ったグリッドコンピューティングプロジェクト『HTC Power To Give』。 |
■スマホ未使用のプロセッサーパワーで人類に貢献『Power To Give』
『HTC Power To Give(以下Power to Give)』は、世界中のAndroidスマートフォンを大量に接続することでスーパーコンピューター並みの計算能力を得るという、グリッドコンピューティングプロジェクト。スマートフォンに専用アプリをインストールすることで、最新医学や地球外生命体の探索といった研究プロジェクトに貢献することができます。
すでに存在するグリッドコンピューティングとしては、一般のPCを大量に接続して地球外知的生命体を探索する『SETI@home』などが知られていますが、Power To Giveはそのスマートフォン版といえます。
HTCは実際に、SETI@homeやその後継となる分散コンピューティングプロジェクト『BOINC』の運営元であるカリフォルニア大学バークレー校と共同でアプリを開発しているとのこと。
↑動画でスマートフォンを使ったグリッドコンピューティングの可能性を語る、カリフォルニア大学バークレー校のDavid Anderson博士。 |
Power To Giveは現在ベータ版であるものの、Google Playからアプリをダウンロードすることで、ガンやエイズ、アルツハイマーや地球外生命体の探索など、任意の研究プロジェクトを選んで参加することができます。
アプリはスマートフォンのプロセッサパワーをフルに活用するため、充電状態かつWiFi接続状態の場合のみ動作するという仕様。これにより、スマートフォンやタブレットの未使用のプロセッサパワーだけを、人類のために使うことができるという仕組みです。
↑就寝中など、スマホを使っていない時間帯のプロセッサパワーを活用。生命科学、医学、生態学などの研究プロジェクトに貢献できる。 |
↑天文台からの観測データの中から、地球外知的生命体からの無線信号を探し出すプロジェクト『SETI@home』もスマホで実行できる。 |
現時点でPower To Giveアプリは、『HTC One』、『HTC Butterfly』、『HTC Butterfly s』に対応。今後6ヶ月以内に、他のAndroidスマートフォンにも展開する予定としています。
■手頃な価格でも妥協しないスペックのミドルレンジ端末『HTC Desire 816』
同イベントではスマートフォンの新機種も発表されました。CEOのピーター・チョウ氏が登壇し、ミドルレンジ向けのスマートフォン『HTC Desire 816』(関連記事)を発表。「手ごろな価格ではあるが、一切の妥協をしない」(チョウ氏)と位置付けています。
↑CEOのピーター・チョウ氏が『HTC Desire 816』を発表。 |
『HTC One』シリーズのようなハイエンド端末ではないものの、ミドルレンジ端末はMWC2014で話題のカテゴリーのひとつ。チョウ氏は「HTC Desire 816で、ミドルレンジの新時代を切り開く」と展望を語っています。
↑ローエンドとハイエンドの中間、ミドルレンジ市場向けの端末となる。 |
画面サイズは5.5インチと大型で、LTEにも対応、外装はHTC Oneシリーズのデザインコンセプトを受け継ぎ、独自のホーム画面『HTC BlinkFeed』や、『HTC Zoe』による1300万画素のカメラも搭載しています。3月から中国で発売、グローバルへの展開は4月以降を予定しています。
↑質感の異なる複数のカラーを展開する。 |
↑こちらはホワイトモデル。実機は展示されたが、手に取ることはできなかった。 |
チョウ氏は「単に機能的なものや、単に美しいものに比べて、機能的かつ美しいもののほうが満足度は高い。良いデザインは、良いビジネスにもつながる」語り、デザインの質を高めるというHTCの戦略がビジネス上のメリットにもつながっていることを強調しています。
■3月25日、さらなる新機種発表へ
今回のプレスイベントでハイエンド端末は発表されなかったものの、HTCはこれまで製品ラインとして『HTC One』、『HTC One mini』、『HTC One max』といった製品を振り返り、さらなる新機種を3月25日に発表することを改めて明らかにしました。具体的な発表内容についてのコメントはなかったものの、HTC Oneシリーズの新端末が期待されます。
●関連サイト
・Power to Give
・HTC
山口健太さんのオフィシャルサイト
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