日本マイクロソフトをはじめとする116社が参加するWDLC(ウィンドウズ デジタル ライフスタイル コンソーシアム)が主催する若者応援プロジェクト“Digital Youth”。現在このプロジェクトでは、4月12日に決勝大会が開催されるアプリ開発コンテスト “Digital Youth Award”に向け、さまざまなワークショップを開催している。
今年度のDigital Youth Awardのテーマは、“だれかをハッピーにするタブレットアプリ”。コンテストには、以下の2部門が用意されている。
●アプリ部門:Windows8.1で動作するWindowsストアアプリ、デスクトップアプリ、Webアプリのいずれか。Visual Studioで開発すること。
●アイデア部門:Windowsストアアプリのアイデア。※タブレットPCで利用することを想定された企画内容であること。
アワードにエントリーするには、テーマにそった企画の発案が必要となる。しかし、社会経験の少ない学生にはこの企画を発案することが難しい。そこで、企業やNPOからゲストスピーカーを招いて、実社会の現状や問題点のレクチャーをしてもらうとともに、実践的なワークショップを行なっている。
たとえば、2013年12月14日に開催された、『“アプリのアイデア発想力を学ぶ”ワークショップ~社会貢献できるアプリ企画を考えよう~』では、山梨県の地域防災担当や、東京都障害者IT地域支援センターの社会福祉士などがゲストスピーカーとして登壇。それぞれの現場で起きている問題点などを、集まった学生たちに提起した。
↑山梨県総務部防災危機管理課の城野仁志氏による、地域防災についての解説。ICT技術を使った地域防災についての取り組みを、実例をあげて紹介。
↑社会福祉法人東京コロニー職能開発室 東京都障害者IT地域支援センターで社会福祉士をしている堀込真理子氏は、障がい者の就労支援について解説。
↑障がいのある人でも、ICT技術で環境を整えることで、十分に働く場所が提供できるとのこと。
ワークショップでは、ゲストスピーカーのスピーチのあと、数人のグループに分かれて、ゲストスピーカーが提起した問題点を解決するためのアプリやサービスの企画立案を行なう。
たんなるアイデア出しだけでなく、Digital Youth Awardのテーマに合わせて、タブレット用アプリのインターフェースのラフ画面まで、数時間で作り出すハードなスケジュール。そのため、アドバイザーとしてWDLCのスタッフやMENTORSHIPに参加する学生も加わり作業を進めていく。
↑14日の“アプリのアイデア発想力を学ぶ”ワークショップは、女性限定で開催され、中学生から大学生まで約40名が参加。
↑思いついた問題点を付箋に書き出し、ボードに貼り付けることで、テーマや重要なポイントを見つけ出す。
また、アイデアの企画立案方法だけでなく、プログラミングやアプリ開発の初心者に向けたワークショップも行なわれている。
12月12日に行なわれた『Digital Youth College 放課後ワークショップ』では、楽天のAPI Producerをゲストスピーカーに招き、APIについての解説と、APIを使ったアプリ開発の方法についてレクチャーが行なわれた。
↑楽天が用意している各種APIの解説。これらのAPIを使えば、データベースなどが自由に使えアプリ開発の手順を大幅に簡略化できる。
ちなみにコンテストのアプリ開発部門は、『Visual Studio』での開発が規定となっている。そこで、12月21日に開催された『Digital Youth College ワークショップ with IMPACT Japan』では、実際にアプリ開発を行なっている企業“セカンドファクトリー”のエンジニアをアドバイザーとして招き、Visual Studioを使ったアプリの開発方法がレクチャーされた。
↑ワークショップの会場では、Visual StudioをインストールしたPCも用意され、誰でもプログラミングについてのレクチャーが受けられるように準備されている。
↑ワークショップでは最後に必ずプレゼンを行なう。Digital Youth Awardではプレゼンの内容も重要な審査ポイントとなる。
どのワークショップでも共通しているポイントは、“現実に見合った”アイデアの発案やアプリ開発について学べるということ。とかく学生はテレビやネットニュースなど、メディアからの情報による大きな問題にとらわれ、非現実的なアイデアに走りがちとなる。このDigital Youthのワークショップのように、実際に問題に対面している人から話を聞くことは、より現実的で使用するユーザーのことを考えたアイデアの着想やアプリ開発の手助けになると感じた。
また、ワークショップでは参加した学生全員が所属する学校や年齢関係なしに、グループ分けが行なわれるため、新鮮な刺激が得られるとともに、アワードへ参加するためのチームメンバーを探すきっかけの場ともなっている。
↑ワークショップ後には懇親会なども企画されており、学生たちが楽しく交流できる場にもなっている。
Digital Youth Awardの締め切りは2月28日とまだしばらく期間があるため、ワークショップも引き続き開催される予定。さらにアプリ部門の優勝者は、7月にシアトルで開催される、マイクロソフト主催のプログラムコンテスト『Imagine Cup』へ日本代表として出場するチャンスもある。
アイデア部門では実際にプログラミングをする必要がないほか、プログラミングについてのレクチャーも行なわれるので、いわゆる文系の学生でも参加は問題なし。興味のある学生や学校関係者は今後開催されるワークショップのスケジュールを公式サイトからチェックしてみよう。
■関連サイト
Digital Youthプロジェクト
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