日本航空は新座席を装着したボーイング767-300ER型機『SKY SUITE 767』についての発表会を11月26日に開催。筆者は2013年、主に海外取材で160時間以上を国際線エコノミー席に座って過ごしたため、JALの新座席の座り心地は大いに気になるところ。さっそく発表会場となったJALメインテナンスセンターへと向かいました!
↑会場となったJALメインテナンスセンターに併設の格納庫。一般の見学者も受け付けている。 |
■『SKY SUITE 777』で好評の座席を767にも投入
↑SKY SUITE 767の新座席。 |
発表会では、最大10cm間隔が広がったエコノミー席や、フルフラット対応のビジネス席、新しい機内食などについて披露。日本航空 代表取締役社長の植木義晴氏が登壇し、今回の『SKY SUITE 767』の発表にあたって、「主に長距離路線の機材であるボーイング777に導入した”SKY SUITE 777”の新座席が、非常に好評を博している。そこで、中距離路線が中心の767にも導入することにした」と経緯を語りました。
↑日本航空の植木社長。今後もSKY SUITE 777や同767により、今後も国際線ではフルサービスを追求していくという。 |
続けて、日本航空 顧客マーケティング本部長の加藤淳氏が登壇。SKY SUITE 767の特徴を解説しました。
↑顧客マーケティング担当の加藤本部長。 |
ベースとなるボーイング767-300ER型機は、東南アジアやバンクーバー、ホノルル路線で使われている機材で、クラスはビジネスとエコノミーの2種類。
SKY SUITE 767に装着した新座席はSKY SUITE 777のものをベースとしたもので、ビジネスクラスの座席は英SKYTRAX社の「ワールド・エアライン・アワード」で受賞するなど、高い評価を得ているとしています。
座席配列は、一般的なビジネスクラスにみられる”2-2-2”の6列ではなく、思い切って”1-2-1”の4列に。これにより各座席間のサイドテーブルの面積が広くなる上、すべての座席が通路に面することで、どの座席からも隣の乗客に気を遣うことなく通路に出ることができるようになっています。
SKY SUITE 767の導入時期は、バンクーバー線が2013年12月1日から、クアラルンプール線が2014年1月から、続いてアジア各地への展開を予定しているとのことです。
■実際に新座席の快適さをチェック!
さっそくSKY SUITE 767仕様のボーイング767-300ER機内に搭乗し、新座席の感触をチェックしました。
↑エコノミー席は、シート前後の間隔が最大10cmも広がった。 |
エコノミー座席の特徴は、座席の前後間隔が広がった点。具体的には前後のシート間隔を79cmから86cmに7cmほど拡大し、座席背面を3cmスリム化したことで、最大約10cmもゆとりができました。これにより、エコノミー席でも余裕をもって足を組むことができるほか、通路に出るために隣の乗客の前を通ることが容易になり、ストレス軽減に役立つとしています。
↑実際に座ってみると、これまでのエコノミー席では考えられないほど、前のシートと膝の間に空間ができたことが分かる。他エアラインのプレミアムエコノミーにも匹敵する広さに感じる。 |
↑足を組んでみた。LCCなどでありがちな、”膝で前の座席を押してしまう”といったことがない。 |
↑PCの使用感もチェック。Surface 2の場合、キックスタンドが奥行きを必要とするために、飛行機のテーブルはやや苦手だ。 |
↑Surface 2から新たに対応した2段階目のスタンドを使って、膝の上に置いてみた。こちらのほうが使いやすいかも。前の座席とのスペースも問題ない。 |
↑777と同じく、10.6インチのシートモニターを搭載。偶然にもSurfaceの画面と同サイズだ。 |
↑エコノミー席は、シートモニターの横にUSBポートを搭載するため、スマートフォンやタブレットの充電が可能。Surface 2はUSB充電に対応していないため、この場で充電できないのが残念だ。 |
■ビジネスクラスは完全に足を伸ばせるフルフラットが特徴
↑続いてビジネスクラスへ。15.4インチの大型シートモニターが目を引く。 |
ビジネスクラスの特徴は、完全フルフラットに対応したシート。長さは200cmあるため、「(JALのCMに起用されている)俳優の阿部寛さんでもしっかり足を伸ばせる」とのこと。まくらとしても使える大型クッションにより、快適な睡眠をサポートしてくれます。シートモニターは大型の15.4インチ、小物入れなど居住性を高める仕組みも充実しています。
↑ビジネスシートはフルフラットに対応する。 |
↑体の大きな宮野編集長に寝てもらったところ。すっぽりと座席の中に入っていることが分かる。ベッドの長さは200cmで、完全に足を伸ばすことができる。 |
筆者もフルフラットを体験。これに慣れてしまったら、もうエコノミーでは眠れなくなるのでは、と思うほどの快適さ。
↑フルフラットで200cmもの長さを確保できる秘密は、互い違いに配置されたシート。前の座席のサイドテーブルの下を有効活用する構造となっているのだ。 |
↑ビジネスクラスには全世界対応コネクタのACコンセントを搭載。もっとも、衣食住が快適すぎて、仕事をする気にはならない可能性大だ。 |
↑ウィングレットの撮影会も。いつも座席の窓から眺めているよりはるかに巨大。航続距離を伸ばす効果がある。 |
現在、米国で話題となっている離着陸時の電子機器使用について、具体的な新情報は得られなかったものの、機内でのWiFiによるインターネットサービスの提供については「準備を進めている」との言及がありました。
■機内食は“俺のイタリアン”、“KFC”などコラボメニューが充実
最後に、今回発表された機内食の新メニューについても簡単にご紹介します。
↑ハワイ線で提供している“俺のイタリアン”、“俺のフレンチ”とのコラボメニュー。俺のイタリアン総料理長の山浦敏宏シェフによる監修。 |
↑有名ブランドとのコラボ“AIRシリーズ”として、昨冬に続き“AIRケンタッキーフライドチキン”が登場。”ひとくちチキン”、ビスケットに加え、たっぷりの野菜も楽しめる。 |
↑海外発の路線で提供される“AIR吉野家”。乾燥した機内での食事を考慮して、”つゆだく”仕様となっているなど芸が細かい。IFA帰りに実食した宮野編集長も絶賛。 |
↑“九州じゃんがら”とのコラボによるヘルシーラーメン。肉類や動物性エキスを一切使用せず、数種類の野菜をじっくり煮込んで作ったという“とんこつ風味”のスープが特徴。 |
■関連サイト
日本航空
JALメインテナンスセンター
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります