2代目ケンちゃんカーである、スバルフォレスターの走行距離が11万キロを突破。これを機会に買い換えようと、3代目候補車を探すこと半年。スバルの侘美さんの協力もあり、ついに『レガシィ ツーリングワゴン2.0R spec.B』(以後、レガシィ 2.0R spec.B)の契約までこぎつけたのでした。
が、アカザーさん的にはこのクルマを買っただけでは、3代目ケンちゃんカーと呼べなない! 手動運転装置を取り付けてはじめて3代目ケンちゃんカーになるんだそうです。
ということで、今回は手動運転装置の取り付けの模様をレポートします。
レガシィ 2.0R spec.Bの購入契約から2週間後、いよいよ納車日ということで、早朝からミズグチさんを迎えに行くアカザーさん。眠い目をこすりながら出てきたミズグチさんがフォレスターの助手席を見ると、そこには見知らぬ男性が。
この方は栗田さんというアカザーさんのラジコン仲間だそうです。今回、レガシィ 2.0R spec.Bを三鷹のスバルで受け取ったあと、手動運転装置を取り付ける為に埼玉の加須にあるニッシン自動車工業まで運ぶのですが、その道のりの運転をお願いしたんだそうです。
シャクライもたいがいペーパードライバーなので人のことは言えませんが、ミズグチさんもかなりの上級ペーパードライバー。なので、これはアカザーさんなりの配慮みたいです。
ほどなく東京スバルG-PARK三鷹店に到着。
そこには、アカザーさんによってオーダーされた追加パーツを装備した、レガシィ 2.0R spec.Bの姿が!
シャクライ的には「え、どこが変わったの?」という感じですが、よく見るとフロント下部に黒いベロみたいなものが。どうやらコレがリップスポイラーというやつらしく、アカザーさん曰く「コイツが付くことで、フロントがグッと締まるぜぇ」なんだそうです。
さらにボンネットを開けるとここにも追加パーツが。フレキシブルタワーバーというやつらしいのですが、見えないおしゃれという感じで、シャクライにはよくわかりません。なので、アカザーさんに解説してもらいましょう。
【よくわかるアカザー解説】
●フレキシブルタワーバーとは?
フロント周りの剛性感と操作性を向上するパーツ。アルミ製タワーバーを左右で分断し、リンクボールで連結した独自の構造により、横からの入力に対しては踏ん張りを効かせながら、タテ方向の力にはフレキシブルに対応。これにより、ボディ剛性を向上させながら、4輪の接地性を高めしなやかなハンドリングを実現。2007年当時、スバル・ラリーチームのエースで2003年WRCの世界チャンピオンであるペター・ソルベルグ氏もベタ褒めだったパーツなのだ。
ということで、いろいろとパワーアップしたレガシィ 2.0R spec.Bを受け取り、アカザーさんはフォレスターに、栗田さんはレガシィ 2.0R spec.Bに乗り込み、埼玉県加須市にあるニッシン自動車工業へ。
高速を走ること約2時間、ニッシン自動車工業到着。さっそく亀田会長にご挨拶。
ニッシン自動車工業は手動運転装置をはじめとする身障者用運転補助装置の改造や取付けなどを行なう福祉車両の総合メーカーです。創業は1973年で、今年で創立40周年を迎えるそうです。
最近では電動車椅子に座ったまま運転できるジョイステック式運転装置『ジョイ・カー』を開発したらしいです。
亀田会長曰く「コレ(ジョイ・カー)は認可をとるのに数年かかりましたが、アメリカ製のものにくらべて価格を半額ほどにすることが出来ました」とのこと。
そんな会社概要と最新製品を踏まえたうえで、今回アカザーさんのクルマを担当してくれるのが、福田さんと井上さん。作業としては福田さんがレガシィ 2.0R spec.Bに手動運転装置取り付け、井上さんがフォレスターに付いている手動運転装置を取り外してくれるそうです。
手動運転装置は車種によってサイズや形状が異なるので、基本的にパーツの流用はできないのですが、グリップ部分に関しては流用可能とのことで、このパーツだけ移植することに。
アカザーさんがこのグリップの移植にこだわったのにはワケがあって、このグリップ『APドライブ オーエックスバージョン』はアカザーさんが普段使っている車イスメーカーのOXエンジニアリングとニッシン自動車工業のコラボ製品。しかし、残念なことにこの夏で廃盤になってしまったとのこと。
フォレスターではアクセル、ブレーキ、ウインカーなどしか操作できなかったこのグリップですが、パドルシフトが搭載されたレガシィ 2.0R spec.Bに移植することで、シフトアップとシフトダウンの操作も可能になるとのこと。
手慣れた感じであっという間にハンドル下のパネルを外す福田さん。訊けば、レガシィはもう何台も取り付けたことがあるのだとか。
ここで手動運転装置の仕組みを簡単にご説明。文字通りクルマを手だけで操作する装置で、ハンドルの横にアクセルとブレーキ用の操作レバーを増設します。
このレバーは足下のアクセルとブレーキに繋がっていて、手前に引くことでアクセル、前に倒すことでブレーキ操作が行なえるそうです。
ちなみに、福田さんが過去に取り付けで一番苦労した車は昔のポルシェだとか。その理由は、日本車と違いペダル類が床から軸が伸びているオルガン式だったことと、昔のクルマはとにかくネジ止めの箇所多かったからのようです。
とか話している間に、ポンチをあてがいハンマーで一撃。クルマの床に穴を開ける福田さん。一瞬、オレのレガシィの床に大穴開けるなよ! と思ったアカザーさんですが、これは装置をガッチリ固定するためには必要な穴なんだそうです。
そうこうしているうちにフォレスターを担当していた井上さんの取り外し作業は終了。移植するオーエックスバージョンのグリップを届けてくれました。
ということでこちらが、2代目ケンちゃんカーことフォレスターのビフォア(左)&アフター(右)です。手動運転装置が取り外されすっかり普通のクルマに戻ってしまい、ちょっと寂しい感じです。
また、フォレスターに積まれていた荷物もレガシィ 2.0R spec.Bに移動。本当にお疲れ様でしたフォレスターという感じです。
そして、作業開始から4時間後。レガシィ 2.0R spec.Bの手動運転装置が取り付け作業が完了。ここでいったんアカザーさんが乗り込み、グリップ位置の微調整を行ないます。
それらすべての調整が完了したところで、ついに3代目ケンちゃんカーの誕生です!
ニッシン自動車工業のみなさん、どうもありがとうございました。ちなみに費用は装置および取り付け工賃込みで、19万8000円。
とはいえ助成金が10万円ほど出るようなので、実際は9万8000円です。この金額を加算して、今回のケンちゃんカーの購入総額は約195万円だったそうです。
帰りはアカザーさんがレガシィ 2.0R spec.Bを、栗田さんがフォレスターを運転。初めて運転した3代目ケンちゃんカーは「走りも最高! 乗り心地も最高! サウンドも最高!」ととにかく最高づくめだったそうなんですが……。
なんと! 自宅の車庫に入れる際に、追加パーツで取り付けたリップスポイラーを車庫前のスロープで擦っちゃったそうです。
5万2000円もしたリップスポイラーをいきなりガリガリやっちゃったアカザーさんはかなりショックだったようで、ミズグチさんに涙目なメールが届いたそうです。
●ニッシン自動車工業(外部リンク)
●東京スバルG-PARK三鷹店(外部リンク)
マニアな車バカの中古車購入レポートは週刊アスキー11/19号(11月5日発売)の『カオスだもんね!PLUS』をチェック!
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります