11月1日に発売されたiPad Airのセルラーモデルは、今回もauとソフトバンクの2社から発売されることになった。となるとやはり気になるのが通信速度。果たしてどちらのキャリアを選んだ方が便利なのか? その一例を試すべく、今回は山手線の全29駅で速度テストを行なってみた。
測定条件等:
測定日 11月11日(月)の日中
測定場所 東京・JR山手線全29駅
各駅ホームの、前から5両目のドアを出てすぐの場所
計測アプリ RBB TODAY SPEED TEST
※各駅3回ずつ測定しその平均値を算出
RBB TODAY SPEED TEST |
まずは10時20分の新宿駅ホーム。
※写真は計測場所とは異なります(駅名を写しこむため)。以下の写真も同じ。 |
下り | 上り | |
ソフトバンク | 12.29Mbps | 9.32Mbps |
au | 24.27Mbps | 8.77 Mbps |
※速かったほうのセルにピンク色を着けています(以下同)。
通勤時間帯ということもあり混雑した中での計測だったが、プラチナバンド対応が効果を発揮したか、下りはauが圧勝する結果となった。
10時30分、代々木駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 29.14Mbps | 11.94Mbps |
au | 16.10Mbps | 11.95Mbps |
新宿駅から1キロと離れないうちに、下りでソフトバンクがauを逆転。倍以上のスピードを出した。筆者が過去何度も速度計測を行なってきた経験では、ソフトバンクは場所によって通信速度に差がある印象だが、やはり今回も同様の結果になるのだろうか?
10時30分、原宿駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 26.02Mbps | 18.00Mbps |
au | 29.06Mbps | 11.85Mbps |
両者とも下り平均20Mbpsを超すなど優秀な結果を残している。
10時50分、渋谷駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 17.50Mbps | 13.64Mbps |
au | 14.95Mbps | 7.98Mbps |
新宿駅と同様、非常に混雑しており、そのせいか両キャリアとも速度があまり伸びていない。ただ、ソフトバンクは下り上りともauを上回る結果を見せている。
11時、恵比寿駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 17.58Mbps | 13.05Mbps |
au | 12.10Mbps | 5.92Mbps |
ホームは渋谷駅より混雑しているような印象で、両キャリアとも渋谷駅と似たような傾向を見せた。
11時10分、目黒駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 19.24Mbps | 15.01Mbps |
au | 12.86Mbps | 7.46Mbps |
この駅を過ぎてもまだホームには人が多く、通信速度は渋谷と同じような傾向に。結果的には、ソフトバンクが連勝する形となった。
11時20分、五反田駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 37.19Mbps | 14.14Mbps |
au | 8.91Mbps | 5.54Mbps |
ようやくホームから人が空きはじめる。また、高架上のホームが大通りに面して開けているせいか、ソフトバンクは3回の測定中に、下りで全テスト中最速の53.62Mbpsを記録した。逆にauは速度を落とす結果となり、アンテナの分布が薄い印象だ。
11時30分、大崎駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 23.26Mbps | 14.61Mbps |
au | 14.51Mbps | 6.96Mbps |
auの下り速度はここ数駅、安定はしているものの15Mpbs以下なのに対し、ソフトバンクは前駅に引き続いて20Mbps超えを達成。auを圧倒する結果となっている。
11時40分、品川駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 16.79Mbps | 11.29Mbps |
au | 9.31Mbps | 4.75Mbps |
渋谷駅に匹敵するほどホームが混み入ったせいか、両キャリアとも通信速度が低下。特に、auは下りで10Mbpsを下回っている。
11時50分、田町駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 17.28Mbps | 11.40Mbps |
au | 11.00Mbps | 8.50Mbps |
品川駅よりホームの混み具合は大幅に改善したが、通信速度はあまり戻らず。品川―田町間はアンテナ分布が両キャリアとも薄い印象だ。
12時、浜松町。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 21.56Mbps | 13.44Mbps |
au | 17.42Mbps | 12.61Mbps |
東京モノレールへの乗換駅ということもあり、ホームは混雑したが、通信速度は逆に改善している。
12時10分、新橋駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 16.61Mbps | 10.15Mbps |
au | 8.78Mbps | 7.83Mbps |
東京メトロや都営地下鉄、ゆりかもめが乗り入れる主要駅だけあって、ホームはかなり混雑している。そのせいか、auは品川駅に引き続いて下り10Mbpsを下回る結果となった。
12時20分、有楽町駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 12.82Mbps | 10.43Mbps |
au | 9.63Mbps | 5.53Mbps |
ビジネス街の中心に位置するだけあり、ホームは新橋駅に引き続いての混雑。auの上りが5Mbps台まで低下。そのほかはなんとか持ちこたえている。
12時30分、東京駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 11.48Mbps | 10.46Mbps |
au | 20.78Mbps | 13.03Mbps |
首都圏最大クラスのターミナル駅だが、電車が発車すると意外とホームはガラガラになる。ここで、auが下り速度で11駅ぶりにソフトバンクを上回った。やはり、auは人ごみに弱いのだろうか? 混雑していると、いわゆる“パケ詰まり”を起こすのかも?
13時15分、神田駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 15.21Mbps | 10.74Mbps |
au | 11.09Mbps | 6.74Mbps |
東京駅よりもホームに人が多い印象。auの通信速度が再び低下し、ソフトバンクが逆転勝利している。
13時25分、秋葉原駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 21.81Mbps | 15.30Mbps |
au | 16.94Mbps | 11.72Mbps |
ホームは神田駅に引き続いての混み具合だが、通信速度は両キャリアとも向上。ソフトバンクは下りで浜松町以来の20Mbps超え復帰。
13時35分、御徒町駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 17.86Mbps | 12.66Mbps |
au | 16.46Mbps | 9.35Mbps |
ホームの混雑状況は改善されたが、ITの街(秋葉原)を過ぎたせいか通信速度が両キャリアともやや低下。ただ、両者の差は少ない。
13時45分、上野駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 18.76Mbps | 13.58Mbps |
au | 9.84Mbps | 3.94Mbps |
平均値こそ平凡だが、ソフトバンクは3回の測定中に、上りで全テスト中最速の20.81Mbpsを記録した。
13時55分、鶯谷駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 16.92Mbps | 10.44Mbps |
au | 10.71Mbps | 7.10Mbps |
この駅以降、池袋駅まで電車からもホームからも人が激減する。auの通信速度がやや改善し、ソフトバンクとの差がやや詰まった。
14時5分、日暮里駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 16.36Mbps | 12.59Mbps |
au | 12.07Mbps | 7.44Mbps |
auの通信速度がさらに向上。以降は下り12Mbps以上をコンスタントに記録する。
14時15分、西日暮里駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 16.02Mbps | 10.67Mbps |
au | 13.13Mbps | 7.52Mbps |
日暮里とほぼ同じ結果だが、ソフトバンクがやや低下、逆にauはやや向上した。
14時25分、田端駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 20.37Mbps | 11.72Mbps |
au | 15.81Mbps | 13.62Mbps |
一時的にホームに人が増えたが、通信速度は両キャリアとも向上し、ソフトバンクが下り20Mbpsを超える。
14時35分、駒込駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 13.47Mbps | 9.47Mbps |
au | 12.53Mbps | 10.47Mbps |
ホームから人が少なくなるが、通信速度の傾向は低下し田端以前に戻る。
14時45分、巣鴨駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 31.46Mbps | 14.45Mbps |
au | 18.69Mbps | 9.53Mbps |
ソフトバンクの下り平均速度は五反田以来の30Mbps超えを果たした。
15時05分、大塚駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 17.73Mbps | 15.13Mbps |
au | 9.85Mbps | 7.88Mbps |
巣鴨駅で向上していた両キャリアの通信速度が再び低下し、auは下り速度が10Mbpsを切る結果となった。
15時15分、池袋駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 14.79Mbps | 14.18Mbps |
au | 11.46Mbps | 8.14Mbps |
ホームは秋葉原駅以来の混雑状況となったが、通信速度に大きな変化はない。auはむしろ下り上りともに速度が改善した。混雑を見越したアンテナ整備が行なわれているのかも。
15時25分、目白駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 26.70Mbps | 14.99Mbps |
au | 15.63Mbps | 11.85Mbps |
両キャリアとも通信速度が向上し、ソフトバンクは下り20Mbps超え。
15時35分、高田馬場駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 28.97Mbps | 14.28Mbps |
au | 17.31Mbps | 10.00Mbps |
両キャリアとも下り速度で目黒駅をさらに上回る結果となった。特に、ソフトバンクの上り平均速度は、巣鴨駅以降は14Mbps以上と高い数値で安定している。
15時45分、新大久保駅。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 6.29Mbps | 9.82Mbps |
au | 35.05Mbps | 11.96Mbps |
新宿駅に近づくにつれ、ソフトバンクとauの位置関係が逆転。特にauは下りで全テスト中で唯一の平均30Mbps超えを達成した。
山手線を一週したところで、全駅の測定結果の平均値を算出してみた。
下り | 上り | |
ソフトバンク | 19.36Mbps | 12.65Mbps |
au | 15.04Mbps | 8.83Mbps |
平均では、ソフトバンクがauを上回る形となった。
各駅の計測結果を比較しても、下りでソフトバンクが25駅、auは4駅の勝利、上りではソフトバンク24駅、auが5駅の勝利となっている。auはビル陰などでも電波が届く“800MHz”帯の電波を売りにしているが、駅のホームのような場所ではその強みがあまり出ていないのかもしれない。ただ、数値的には両キャリアが肉薄している駅も多く、数字で見るほどの差は感じられなかった。
ちなみに、今回の計測ではソフトバンク・auともに全駅でLTEでの接続が可能だった。将来的にはソフトバンクのプラチナLTEもスタートすることになっており、両キャリアともより一層の電波改善に期待したいところだ。
この結果は、冒頭に記載した条件によるものです。両キャリアとも常に通信状況の改善は行なっているはずで、後日計測すれば違った結果になる可能性もあります。
(※2013/11/16 14:00訂正 初出時、最終結果の勝利駅数を数え間違えていたため、修正いたしました。)
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