みなさん、こんばんは。MacPeople編集部、元編集長の吉田でございます。短期集中連載の16回目は、そろそろMavericksをインストールしようと考えている皆さんはに向けた記事になります。Mavericksが公開されて2週間が経過し、さまざまな不具合も報告されています。ネットで大きく話題になっているものとしては、
1 「メール」アプリでのGmailアカウントの不具合
2 Finderがクラッシュする
3 日本語入力プログラムのメニューが消えた
などがあります。
1についてはAppleも問題を認識しており、アップデーターがリリースされました。すでにMavericksを使っているユーザーは「App Store」アプリを起動して更新しておきましょう。2については、バックグラウンドで動作している「Google Drive」のプログラムが一因と言われており、実際にGooge Driveを使用停止にしたら直ったという報告もあります。3については、ATOKなどの日本語入力プログラムがメニューバーから消えたという問題で、すでに週アスPLUSで解決策を記事にしています(関連ページ)。
個人的には、新OSには不具合がつきもので、不具合は別の手段やアプリを使って克服、克服できないならとりあえず放置というスタンスですが、業務上そう簡単ではない方も多いと思います。とはいえ、一度Mavericksをインストールしてしまうと、旧OSを上書きインストールすることはできません。
Mavericks上でMountain Lionのインストーラーを起動すると図のように拒絶されます。
マシンにプリインストールされているOSよりも古いOSはインストーラーすらダウンロードできません。
こういった不幸な事態は、Mavericksを別のパーティション、外付けストレージ、仮想環境にインストールすることで回避できます。なお、プリインストールマシンがMavericksの場合、Mountain LionやLionは仮想環境でしか使えません。
内蔵ストレージを分割してMavericksをインストール
まずは、内蔵ストレージを複数のパーティションに分けてMavericksをインストールする方法。この方法は、空き容量に十分に余裕があり、Boot Campを利用していない場合に限られます。
作業は簡単で「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダーにある「ディスクユーティリティ」で内蔵ストレージを分割すればOKです。このときBoot Camp用のパーティションがあってもMavericksのインストールやその後の起動は問題ないのですが、パーティションを3つ以上に分割するとBoot CampパーティションからWindowsが起動できなくなります。
お試し程度でMavericksを使うのであれば、第2パーティションに100GB以上を割り当てて、こちら(Macintosh HD 2)にMavericksをインストールすればいいでしょう。
Mavericksを本格運用したいが、旧環境でしか動かないアプリがある、不具合が怖いという場合は、第2パーティション(Macintosh HD 2)にLion/Mountain Lionをインストールし、現在Lion/Mountain Lionをインストールしている第1パーティション(Macintosh HD 1)のOSをMavericksにアップデートするのがお勧めです。
こうしておけば、第2パーティションが不要になった場合にパーティション自体を削除して、その空き領域を第1パーティションに組み込めます。第1パーティションを消してその領域を第2パーティションで使うことはできないのでご注意を。
しつこいようですが冒頭で紹介したように、MavericksをインストールしてしまってからではMountain Lionのインストーラーを起動できなくなるので、この方法は使えません。
外付けハードディスクにインストール
Windowsとは異なりOS Xは、USB/FireWire/Thunderboltなどで接続する外付けストレージにOSをインストールすることも可能です。容量は100GB程度あればとりあえずOKです。
注意点は1つだけ、パーティションマップ形式を「GUIDパーティションテーブル」にすることです。
量販店など売られているハードディスクのパーティションマップ形式は、Windowsですぐに使えるように「マスター・ブート・レコード」になってることが多いです。また、Mac用とうたっている製品でもPowerPCマシンや旧OSとの互換性を考慮して「Appleパーティションマップ」になっている場合もあります。GUIDパーティションテーブルではない外付けストレージでは、「システム環境設定」の「起動ディスク」パネルでボリュームを選べない、そもそも起動しないという問題が発生します。
仮想環境にインストール
VMware FusionやParallels Desktop、VirtualBoxなどの仮想化アプリを使えば、Mavericks上に旧OSをインストールすることが可能です。Lion以降のOS Xは「復旧ディスク」と呼ばれるメンテナンス用の隠しパーティションが用意されており、VMware FusionやParallels Desktopはこのパーティションを使って旧OS環境をインストールできます。
VMware Fusionでは、アプリ起動直後に現れるウィンドウの右下にある「詳細なオプション」の矢印をクリックして「インストール方法を選択」画面に切り替えます。
ここで「リカバリ パーティションからOS Xをインストール」を選べばOKです。
次の画面に移ると、インストールに使える「復旧ディスク」がリストアップされます。
なお、LionもMountain Lionも持っていないという場合は、オンラインのApple Storeから各2000円で購入できます(関連ページ)。App Storeで購入したことがある場合は、購入時に利用したアカウントでApp Storeにログインすれば再ダウンロード可能です。ただし、マシンにプリインストールされていたOSがMoutain Lionの場合は、Lionのインストーラーはダウンロードできませんし、もちろんインストールもできません。
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