最近になりスマートウォッチが各社から続々と登場していますが、お隣の中国では携帯電話を内蔵した腕時計が人気になっています。製品の種類も多く、無名なメーカーから毎月のように新製品が登場しています。
伝説の『CEC F88』(2003年発売) |
日本でも大昔に腕時計型PHSが販売されたことがありますが、中国の腕時計携帯電話は2003年に発売された『CEC F88』が初代の製品。写真のようにまだ小型の携帯をリストバンドに留めただけというような形状をしていました。このCEC F88から10年たった2013年、日本ではすっかり忘れられた存在の腕時計携帯が中国では大きく進化していたのです。
意外にかなりちゃんとしてる? |
中国のオンラインショッピングモールなどで“2013年新作腕時計携帯電話”などのキーワードで検索すると、数10機種の新製品が見つかります。適当に作った安物ばかりだろうと思いきや、意外なことに時計としても結構まともに使えそうなものもちらほら。とはいえその大半はメーカー名もないノーブランド品。耐久性や電池のもちなどはあまりあてにできず、ネタとして使うのがよさそうです。
携帯電話として一般的な機能を搭載 |
腕時計としても買ってもいいかな、と思えるこの製品名は『TW810』。スマートフォンではなくJAVAの走る携帯電話で、通信方式は2Gに対応。これはこのあと紹介する腕時計携帯すべてに共通です。タッチパネルが感圧式で小型のスタイラスペンが付属するのも共通仕様。電話をかけたりSMSを送受信することが可能で、そしてBluetoothを内蔵しているのでヘッドセットを接続して通話することもできます。3G対応ならあれこれ活用できそうなんですけどねぇ。
2インチの大画面で操作も楽々な『S8808』 |
スマートウォッチも腕時計携帯もディスプレーのサイズは1.5インチ前後の製品が一般的ですが、こちら金亀子社の『S8808』は2インチの大型ディスプレーを搭載! 腕につけると写真のようにややデカイのですが、Webを見たりソーシャルサービスを利用するにはやはりこれくらいのサイズが必要かもしれません。
本体は取り外し可能 |
このS8808はすでに昨年発売された製品ですが、今年になって新色のブルーが加わったようです。なお2インチディスプレーの本体はそのまま取り外して、小型の携帯電話としても使えるようになっています。
腕時計携帯も大画面化が始まる? |
S8808の広告写真を見ると、携帯電話部分をはずした状態で使っているシーンもアピールしているようです。やはりこの大きさは時計としては大きすぎるのか、あるいは使うときだけはずして大きい画面を活用する、という使い方を提唱したいのかもしれません。もしかすると、今後は3インチクラスの超大型腕時計携帯なんてものも出てくるかもしれません。
デュアルSIMとWiFi搭載のスゴイ奴 |
さて中国ではスマートフォンですらデュアルSIM対応は当たり前。でも腕時計携帯は本体サイズが小さいからSIMが1枚しか入らないのが常識でした。でもこの『X8』は本体内にSIMスロットを2枚搭載し、同時待ち受けも可能です。しかもWiFiも搭載しており高速ブラウジングが可能らしいのです。
でも期待しちゃダメよ |
そんな話を聞くと「スマートフォンのサブに使えそう!」と期待しちゃうかもしれませんが、ディスプレーの解像度は高くてもQCIF(176×144ドット)程度。内蔵のJAVAブラウザーも当然動きは遅いですから、やはり電話をかける以外に使うのは厳しいでしょう。
時計として欲しいと思ってもあわてるな! |
昨年以前に発売されたモデルも入れると、中国の腕時計携帯は50機種以上あるかもしれません。オンラインショッピングサイトでそれらの製品を見ているときりがないくらいです。なかには時計として買ってもいいかも……なんて思えるかっこいい製品もよく見つかるのですが、あわてて購入してはいけません。
これが現実、現物写真を見るまで油断できない |
製品紹介の写真がとてもよく見えても、CGである場合は注意が必要です。というのもCGと現物では素材や質感が異なることが当たり前ですからね。しかもパーツの色が違ったりロゴが異なるなんてことも日常茶飯事。ま、そもそも腕時計携帯なんてカテゴリーの製品そのものが怪しいものばかりなわけですよ。
シンプルなこんなタイプが使いやすいかも |
タッチパネルの反応もイマイチだし大した機能を搭載しているわけでもなし、っていうのなら、むしろ通話に特化したシンプルな携帯でもいいのかもしれません。この子供用腕時計携帯は、アナログ時計の文字盤の周りにテンキーを配置して、数字を押せば電話がかかる簡単設計。カシオあたりがこんな腕時計携帯を出したら意外と世界中で売れるかもしれませんねぇ。
次々に出てくる腕時計携帯 |
中国語で腕時計は「手表」、携帯電話は「手機」。中国のポータルサイトなどで“手表手機”で検索すると、山のように腕時計携帯の情報が出てくるはずです。Android搭載の製品はまだ1機種しかありませんが、いずれはスマートウォッチなども中国からたくさん出てくるかもしれませんね。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局
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