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「バンド活動や作曲は小学生から始めてました」

よりぬき『MIKU-Pack 03』ボカロPインタビュー Vol.4 チーターガールP(KTG)さん

2013年10月04日 18時30分更新

この記事は、好評発売中の初音ミクまるごとマガジン『MIKU-Pack music&artworks feat.初音ミク 03』(関連記事)に掲載したインタビュー記事を一部抜粋して再編集したものです。インタビューの全文ならびにチーターガールP(KTG)さんのオリジナル楽曲『つきをながさず』(付録CDに収録)については、MIKU-Pack 03本誌にてお楽しみください。

■ チーターガールP(KTG)さん
よりぬき『MIKU-Pack 03』ボカロPインタビュー
“チーターガールP”ほか複数のP名がある。'07年から投稿している古参Pで、代表作は『チーターガール』や『フルチン☆ブギ』。『bpm』は、海外ユーザーも含めて多くの“歌ってみた”作品を生み出した。'07年にはユニット“Aliced Twilightz”を結成(現在は休止中)。'08年に手掛けた吉幾三×チーターガールのリミックス『ITAKO GIRL』のほか、リミックスも多数提供している。


吹奏楽、バンド、作曲
同時にやってた学生時代


── そもそも音楽を始めるきっかけは何だったんでしょうか?
チーターガールP(KTG)さん いろいろやってきたんです。最初は小学生の頃、ブラスバンドでチューバを吹いていたのと並行して、5年生から作曲も始めました。
── 小5!? なんと早い。
KTG 当時、『ファイナルファンタジーV』のサントラが好きで、小5のときに学校のコンピューター室で曲を作ってみたんです。五線譜に動物のアイコンを置いて音を出すようなソフトだったんですが、そのとき「こういう感じならできるかも」って。
── それがDTMのきっかけ?
KTG そうですね。そこからピアノスコアを買ってきて学校のパソコンで打ち込んだものを録音して両親に聴かせたら、「ここまでやるなら応援するよ」ってDTMに必要な機材一式を買ってもらいました。
── チューバに加えてDTMって、忙しい小学生ですね。
KTG いえ、父親が転勤族で、引っ越しと同時に1年ぐらいでチューバは止めてしまったんです。そこからはDTMとフュージョンバンド。
── えっ、小学生でバンド!?
KTG 引っ越した先でおじさんたちに混ざってベースを弾いてました。中学に入ったらバンドをやめて、吹奏楽をしっかりやるために県の楽団に入ったんですよ。
── ええ~っ!?
KTG 親に相談したら「じゃあやみたら」って言われて。おこづかいを減らす代わりにサックスを買ってもらいました。
── 中学生で県の楽団って、あまりいなくないですか?
KTG いなかったですね。「できるならやる?」みたいな感じで、30~40歳の大人に混じって一緒に演奏してました。サックスってジャズやフュージョンを趣味でやってる方もいて、そこでいろいろ勉強させてもらいました。あ、あとピアノも習ってました。
── さらにピアノまで!?
KTG 中学2年生の頃、学校の合唱コンクールで伴奏やりたい人って聞かれて、ノリで手を挙げたんですよ。独学やってきてファイナルファンタジーが弾けるからって。そしたら意外と曲が難しくて、自分のクセを直す意味でもピアノ教室に通おうってことに。結局、コンクールが終わったさらに1年ぐらい教えてもらいました。
── いくつやってるんだ(笑)。
KTG でも、当時は勉強からの逃げ道だったんです。息抜きってつい全力でやっちゃいません? おかげで大学受験で結構な失敗をするんですけど。
── 高校時代もバンドですか?
KTG 県の楽団をやりつつ、中学時代のバンドは学校が別になったので解散して、新しく打ち込み系のコピーバンドを始めました。
── すごい行動力だな。もう音楽業界まっしぐらですね。
KTG そうでもなかったんです。高3のとき、知り合いのつてでプロのギタリストの方にデモテープを聴いてもらったら、「こんな曲、100万人が作れるよ」って。そこで自分は凡人なんだと悟るんです。親も音楽の道に行くのは大反対で、四年制の大学に行けって。
── 進学したんですか?
KTG ええ。でも音楽への道を応援してくれていたおばあちゃんが亡くなったのをきっかけに、親も気が変わったのか反対しなくなった。だから3年目で中退し、社会人をやってお金をためてから東京に出てきて、さらに1年勉強してから音楽の専門学校に行きました。いまは会社に勤めつつ、ボカロPもやってます。

曲づくりは“山ごもり”
DJやる時は“野に下る”


── 複雑な人生ですね。
KTG 早い段階からちゃんと音楽をやってきた大人に混ざって練習できたのがよかったんです。彼らは仕事もあるので、練習にしても「今回はここまで合わせよう」ってスケジュールをきちんと決めてくる。小学校時代のフュージョンバンドでも「バンドの運営はどうすべきか」みたいことを学んだ。
── 小学生にして!?
KTG スランプの乗り越え方も教えてもらいました。スポーツでもそうですけど、一度壁に当たると全部ダメになったと思うことってあるじゃないですか。でも、そこで原因をひとつずつ探って解決しようって。あとは圧倒的なデータ量。演奏をきちんと録音して、何がダメなのかを客観的に判断しようって。大人ってその辺を突き詰めているので。
── そんなKTGさんが、これから音楽でやっていきたいことは?
KTG 前からやってるDJを続けていきたいです。DTMって孤独な作業なんです。僕は曲制作に入ることを“山ごもり”、クラブに行くことを“野に下る”って言ってます。
── (笑)。
KTG ネットで不特定多数に聴いてもらえるのも魅力的なんですが、達成感があまりないんです。クラブにいる人ってネットからするとすごく少ないですが、だからこそ自分の曲を聴きに来てくれる人に思いっきり音をぶつけたい。ぜひ遊びに来てください。
(インタビューの全文および本ボカロPさんのオリジナル楽曲は、MIKU-Pack 03本誌でお楽しみください)

このボカロPを知る3曲

■関連サイト
MIKU-Pack公式サイト
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