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iPhone 5Sはマルチバンド対応? auがLTEネットワーク戦略を発表

2013年09月02日 22時00分更新

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 auは9月2日、都内で一連のLTE通信障害への対策と、今後のLTEネットワーク戦略に関して発表会を開催しました。

 発表会にはKDDI代表取締役社長の田中孝司氏が登壇。4月~5月に発生した同社のLTE通信障害への対策状況を説明。「通信障害対策を継続しつつ、今後はネットワーク強化フェースに進む」としました。

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 6月10日の会見で発表された組織、LTE基盤強化対策本部のお客さま満足度向上ワーキンググループの取り組みとして、各地の花火大会やロックフェスなど全国約370イベントにトラフィック対策を実施。今夏のコミックマーケットに登場した痛車仕様の車載型4G LTE基地局、人間Wi-Fiなどが実例として紹介されました。

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 これからのLTEネットワーク戦略として、auは“つながる力”をキーワードに“どこでもつながる力”、“超高速でつながる力”、“こだわりのつながる力”の3本柱を提示。

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 “つながる力”として、auは800MHz帯をベースバンドに、2.1GHz帯、1.5GHz帯のマルチバンドでLTEを展開。800MHz帯の実人口カバー率は8月末現在で97%。これを2014年3月末に99%まで拡大予定と発表。これは面積比では約1.5倍となります。

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 “超高速でつながる力”として、受信最大75Mbpsの800MHz帯をベースバンドに、2.1GHz帯、1.5GHz帯を加えたトリプルバンドを活用。マルチバンドをシームレスに切り替え、混雑時でも空いている周波数帯を自動的に選択して通信できるようになると発表。なお、マルチバンド対応機器は同社が今夏発売したAndroid端末です。

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 各社のLTE基地局免許許可数の内訳を見ると、auはiPhone5が対応する2.1GHz帯ではライバルのドコモ、ソフトバンクに基地局数では劣りますが、800MHz帯と1.5GHz帯を加えると約6.1万局と強調。

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 2.1GHz帯で受信最大速度37.5Mbpsとなる5MHz帯運用地域は8月末の実人口カバー率72%、最大75Mbpsの10MHz幅運用地域は同31%、最大112.5Mbpsの15MHz帯運用地域は同6%、最大150Mbpsの20MHz帯は8月から開始と発表しました。

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 “こだわりのつながる力”としては、全国地下駅および東京都内地下鉄駅間のLTE対応率は99%、東海道新幹線の東京~新大阪間のLTEから3Gへのハンドダウンはトンネル区間を含めて片道平均2.1回と発表。前述のコミケなどイベントへの通信環境への取り組みも強化するとしています。

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 公衆無線LANスポットは802.11acへの対応を開始。田中氏は、今後もLTE網を整備しつつ「都心における無線LANへのオフロード方針は継続」とコメント。

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やはり新iPhoneはマルチバンド対応か?

 9月2日というタイミングで、auが800MHz帯をベースバンドとしたマルチバンド戦略を前面に打ち出した背景には、発表間近とウワサされる新iPhoneがマルチバンド対応であると予想されます。

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 田中氏は質疑応答で、関連会社のUQコミュニケーションズが今年10月末提供を予定する2.5GHzの“WiMAX2+”対応端末の登場時期に関してはノーコメント。

 その後の囲み取材で「iPhoneがマルチバンドに対応すれば、エリア競争は終わると考えている」とコメント。「現iPhone5が対応する2.1GHzをどんどん広げるというよりも、マルチバンド化を進める」とも語り、発表会スライドで強調された3バンド合計約6.1万局というauの基地局数は、新iPhoneがマルチバンド対応の場合“ウチが勝つ”という自信の表われかもしれません。

 「ウチはドコモ版iPhone発売を想定して準備している」ともコメントした田中氏。一連のLTE通信障害や“パケ詰まり”のウワサなど少々ネガティブな話題が続いたau。果たして新iPhoneはマルチバンド対応なのかが気になりますね!

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